2013年12月12日。
この日、ある一軒のお店で行われるライブの話しは、
当日を迎えるまで
川越の中で人から人へ駆け巡り、驚きをもって話題になっていた。
「誰が彼を呼べたの?誰が裏で仕掛けてるの??」
そして迎えた12月12日当日。
PM7:00から始まった彼のライブ、
それは、川越で起きた一つの事件だった。
この日のために各地から、
遠くは神奈川から駆けつけたファンたちで店内は埋め尽くされ、
彼がここにいること、歌っていること、
最初から最後までそのパフォーマンスにみなが酔いしれ
釘付けになっていた。。。
圧倒的な存在感、魂が震わされるような歌声。
人の歌声は、
これだけ人に影響を与えられるものなんだと思い知らされた。
2時間があっという間だった。。。
メジャーアーティストによるライブが
川越で実現するまでには、
川越の人たちによる数限りないサポートがあった。
それは、単に運営の協力をするというレベルではなく、
この日に向けて、
それぞれの仕事を抑えてライブの準備に没頭するくらい、
みんながこれに懸けていた。
「ここでライブをやってもらいたい!」
昔から大ファンだったというお店の方の強い想いと、
それを公私に渡ってサポートする人たちがいて。
川越で起きた一つの事件の裏には、
たくさんの人の手が重なった繋がりがあった。
ライブ終了後、熱気が充満する店内で
オーガナイザーのKotoさんは言いました。
「このライブが実現できたのは事件だけど、
でもこれはまだまだ序章です。
川越で本格的な音楽フェスを
これからどんどん仕掛けていきますよ!」
この日の主役はもちろん、アーティスト。
指差し握り締め振り、手の平を広げて。
そして、
支える川越の人たちがいて、
ここにライブが実現していたこと。
重ねて絡ませ繋ぎ叩いて突き上げ、交わらせ。
あの一夜の出来事は、奥を知れば知るほど、
小さいな縁の積み重ねで
ここまで大きなことができるんだ、と
繋げてきた手に感動しました。
逆に言うと、
大きな出来事のほとんどは、
小さな縁を大事に繋げていった結果に起こるのかもしれない。
会場を見渡し、慌しく動くスタッフの方々を見ながら、
そんな事を思ったのでした。。。
最初は、ここにお店を開いたこと、
そこから一つまた一つと手が重なって、
自分もそこに参加させてもらうことができた。
あの店内の一夜のために、
いろんな手があったライブの舞台裏。
準備段階から
その一部始終に密着します。
この人たちは、
これから川越で楽しい事を仕掛けていくに違いない、
そんなワクワクする予感がした。
きっとこれは単なる序章。。。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
川越のクレアモール。
川越駅東口からクレアモールに入り、
右手に「クレア大橋歯科」さんのある路地を曲がります。
少し進むと見えてくるのが、
2013年7月にオープンした
「手手-tete-」。
ここが今回のライブ会場。
普段の手手は、
女性に人気のランチに、ディナーは本格的な洋風料理、
オープン以来、川越で人気の飲食店ですね。♪
(普段の手手の様子)
そして、この日のお店はライブのために、
テーブル・椅子は撤去され、完全にライブ会場に変身。
お店は準備期間含めて計四日間もお休みして、
ライブに備えていました。
お店に入ってすぐ目に入るのは、
入口の左右の壁面に、
この日のためだけに作られた特設スペースがあった。
クレアモールにある「Mt.hill」のリングやネックレス、
キャンドルは「Mahina Malama」のもの。♪
奥に進むと、さらに驚いたのが。。。
この日のためだけに作られたステージが現れた。
この場所は普段はもちろん
テーブル・椅子が置かれる場所。
ですが、
メジャーアーティストを呼ぶからには、
きちんとしたステージを用意して応えなければ、と
みなさんが時間掛けて作った手作りのステージ。
こういう一つ一つが全部手づくりで、
何日も前からお店に集まって準備をしてきました。
お店でライブを行うと聞くと、
席を外してスペースを作って、と簡単な造りを
イメージしがちだけど、
ここまで造り込んでる事が凄い。
一日限定の
ライブハウスに変身させるくらいの造り込みです。
これは手手としても初めての試み。
ここまでやる機会は、きっとそうそうないでしょうね。。。
万全の体制で臨むわけ。
今回のように、
飲食店で歌ってもらえるというのも異例だし、
川越初上陸というのもあって、みんなの熱が半端なかった。。。
ここまでの準備が必要になるほどのアーティスト・・・
それは。
◆Live
▼Spinna B-ILL(スピナビル)
with 長崎真吾(Guitar)
◆開催日時
2013/12/12(THU)
18:00 OPEN 19:00 LIVE START
◆開催場所
“手手”(tete)
埼玉県川越市脇田町14-1 アーバンM1F
シンガーソングライターでもありパフォーマーでもある
Spinna B-ILL。
Spinna B-ill&the cavemansやKenji Jammerとの活動を経て
2007年、自主レーベル“UNIQUE CHANNEL”を設立し
待望のフルアルバム“Re:program”をリリース。
キーワードは「手づくり感」。
人の手がいっぱいかかっている70年代ソウルのように
人のエネルギーが感じられる世界。
ヒップホップ、R&B、ソウル、ファンクという
ブラックミュージックからレゲエまでのフィルターを通してきた
Spinna B-ILLが「Re:program」として、ニューソウルを提示。
そして2009年にはFILE RECORDSに活動拠点を移し、
9月にアルバム「STAND ALONE」を発売し、
全国10カ所でのリリースツアーも大盛況にて終了。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
和製ボブ・マーリーとも称されるSpinna B-ILLさん。
メッセージ性の強い彼の楽曲には
昔から多くのファンがいて、
全国各地のライブ会場を満員にしています。
今回、川越初上陸(川越の直後には秋田)。
彼を川越に呼ぶことができたのは、
いろんな人の協力がある中、
オーガナイザーのKotoさんの存在が大きかった。
「彼(Spinna B-ILL)とは、湘南に住んでいた頃に知り合ったんです。
向こうでもいろんなライブを仕掛けていて、いつも満員だった。
川越に引っ越して来て、
今度は川越で音楽を仕掛けていきたいなって」
昔からの縁でSpinna B-ILLさんを川越に呼ぶことができた。
そのライブ会場に手を挙げたのが、
高校時代から彼の大ファンだったという、
「手手」の小川さん。
そして手手の繋がりから、
「Mt.hill」のタケさんが協力に加わった。
『「手手-tete-」「Mt.hill」クレアモールにあった一つの物語』
クレアモールという通りで繋がった二つのお店は、
公私に渡ってずっと交流を続けていて、
今回のライブにもMt.hillのタケさんは協力していました。
同じくクレアモールにある美容室、
「Links」のオーナー村中さんも協力に加わる。
村中さんは言います。
「Spinna B-ILLさんのCDは全部持ってます。
こういうメジャーな方なので、
今回体制もしっかりしないと、とステージも用意しました」
それぞれが川越で個人で頑張る
お店のオーナー繋がりというのもあって、
親交を深めている皆さん。
手手でライブをやるという事で、最大限の協力をと集まりました。
川越の中のお店同士の結束は、
他の街ではありえないくらい強いです。
特に、「手手」も「Mt.hill」も「Links」も、
クレアモールに生まれた新しいお店。
新しいからこそ疾走感があって、
みんなの熱やノリが通じ合った。
店内の準備を進めつつ、
ソワソワしつつ、今か今かと到着を待つ一同。
PM3:00。
その時が来ました・・・一瞬にして店内に緊張が走る。
「着いたみたい!」
Spinna B-ILLさん、機材を乗せて車が
手手の前に到着しました。
瞬時に慌しくなる店内。
みんな一斉に外に出て、機材を運び込む手伝いを始めます。
機材がどんどん店内に運び込まれ、ステージに設置されていく。
そして、
B-ILLさんのリハーサルもすぐに始まりました。
目の前にSpinna B-ILLがいる。。。
「ここにB-ILLさんがいるのが信じられない・・・!」
運営スタッフといっても
彼がステージに立っている事が信じられない、
そんな声が漏れる中、
スタッフは設営の追い込みにかかります。
ここは、もともとがライブハウスではなく、
普通の飲食店なので、完璧とは言えない環境。
ですが、
コードを覆うためのカバーを作って欲しい、
電球の位置を変えて欲しい、
現場で急きょ出たリクエストに懸命に応えていくスタッフたちの姿があった。
準備の合間に、ふと手を止めてステージに目をやる。
彼がそこで、音を調整し、リハーサルを続けている。。。
固唾を呑んで見守る一同。
ライブが始まって運営で動いていたら、
きっと落ち着いて聴いていられないかもしれない。
今、この時のリハーサルの様子に、
しばしみんなが言葉もなく耳を傾けていました。
特に、手手の小川さんの後姿に
いろんな事を思いました。(-^□^-)
「B-ILLさんのライブやるなら、うちでやって欲しい!」
ライブ実現のために全力で駆け抜けながら、
この時
ふと力を抜いて、彼の歌声に聴き入っていました。
PM6:00 開場。
店内は60人ほどの人で埋まり、
5枚だけ出した当日券も即売。
フード、ドリンクを楽しみつつ、開演を待つ人人人。
PM7:00
ガヤガヤとしていた店内が、一瞬にして静まり返りました。
彼が入ってきた。。。
そして、
Spinna B-ILL
with 長崎真吾(Guitar)
@KAWAGOE tete
スタートです。
『ライオンの子』
作詞Spinna B-ILL
作曲Mutty
「お前はライオンの子、そのタテガミたなびかせて
Ah,大海原を駆け抜けろ
お前はライオンの子、時にキバをむき出して
Ei,自分の正義を、知らしめろ
海の涙が溢れ 大地を満たす前に
やみくもな不条理に 大きな目を光らせ吠えるんだ
立ち上がったライオン 噛みつけバビロン
探し出せザイオン 辿り着くから
立ち上がったライオン 噛みつけバビロン
探し出せザイオン 辿り着くから
お前はライオンの子、気高く伸びるその鼻で So,
進むべき道 嗅ぎ分けろ
お前はライオンの子、広く柔らかな胸で
目の前の悲しみ、受け止めろ
大地が抱えたしこり 変えられなかったヒストリー
これからお前一人正義の縄張りだけは守っていけよ
立ち上がったライオン 噛みつけバビロン
探し出せザイオン 辿り着くから
立ち上がったライオン 噛みつけバビロン
探し出せザイオン 辿り着くから
お前はライオンの子、ライオンの子」
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
Spinna B-ILL
with 長崎真吾(Guitar)
@KAWAGOE tete
無事に終了しました。!
第一声から、
観客をどこかの世界に連れ出すくらいの力があった。。。
特にライオンの子は、会場みんなが大声で歌っていました。
3年くらい前からファンで、
同じくファンの友達と初めて来たという観客の一人は、
「いつもCD聞いてます。
生のライブは初めて来ました。
彼がまさか目の前にいるなんて。。。やばいです」
と、興奮気味に話していたのが印象的だった。
力があってセクシーで、
人の歌声が、体の芯を揺らすものなんだという体感。
聴き入り、拍手に手拍子に足踏みに、
最初から最後までB-ILLさんに魅了される会場でした。♪
すぐ横から聞こえてくる、
「なんだこの気持ち良さ、胸が痛い。。。」
みんなが酔いしれていた。
B-ILLさんが言いました。
「川越には何があるの?『手手』があるじゃん!
そうなればいいですね」
そう、手手からすべてが始まったこの日のライブ。
手手が川越でお店を開くことになって、
内装工事に今回のオーガナイザーのKotoさんが協力。
そこから、Mt.hill、Linksと
繋がりが広がっていった。
その繋がりの先にあった結晶が、
このB-ILLさんのライブでした。
手手の小川さんが、
充実感溢れる表情で振り返ってくれました。
「高校時代から彼の大ファンでした。
初めての顔合わせの時からドキドキだった。
今日は魂のライブでしたね!
お店を改造した苦労も忘れられます」
こういう機会を通して、
川越の中の結束は強くなる。
手手に作られたMt.hillの特設スペースが常設決定しました。
小さな縁を繋げて、手を重ねて。
これからも楽しいイベントを川越で展開していくと思います。♪
オーガナイザーのKotoさんが、
熱気を帯びた表情で最後に言いました。
「今回、彼を川越に呼べたのは大きかった。
こういう音楽イベントは、
やることに、続けることに意義があると思う。
次回は、2014年5月に川越で大きな音楽フェスを開きたい。
そして、フェスを川越で定着させたいです」
この日の主役はもちろん、アーティスト。
指差し握り締め振り、手の平を広げて。
そして、
支える川越の人たちがいて、
ここにライブが実現していたこと。
重ねて絡ませ繋ぎ叩いて突き上げ、交わらせ。
手と手を合わせて、これからも。。。