ゆっくり芯棒が回り、
一層一層積み重なっていく。
最初薄かった層が、
一回転するごとに少しずつ厚く大きくなっていく。
丸々と大きくなった姿まで見守った時、
まるで
我が子が大人になって成人式を迎えたような、
そんな心境になりました。。。(*^o^*)
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
川越の一番街。
風情ある蔵造りの街並みが続くこの通りは、
川越観光最大のスポット。
この一番街にある、気になる横丁と言えば、
その名も「小江戸横丁」。
小さな横丁には、所狭しとお店が並んでいます。!
横丁は、入口にある「翠扇亭(すいせんてい)」が目印で、
焼きいもおにぎり『芋太郎』でお馴染みですね。(*^o^*)
奥へ奥へと伸びるこの横丁、
誘われるように奥へと足が進む通りです。♪
・・・と。
昼間はひっきりなしに人が出入りする横丁ですが、
この時間ともなると・・・
さすがに人は一人もいません。
横丁の入口のシャッターは下り、
各店は営業を終了しています。
昼間と打って変わって静まり返った様子は、
ここが川越の一番街だという事を忘れさせます。。。
シンとしてなんの音も聞こえない。
豹変したような夜の姿に、
ちょっぴり怖いような印象もあり。。。
ただ。
横丁の先に、
小さな明かりが見えました。
その明かりの温もりを頼りに進んでみます。
うん??
明かりの元は・・・
ここも小江戸横丁の顔的なお店、
バウムクーヘンの「ノリスケさん」。♪
バウムクーヘン専門店として、
そのあっさりしっとりなバウムクーヘンは、
オープン以来、あっという間に川越で知られるものになりました。!
この時間だし、
ノリスケさんももう営業終了してるだろうなあ。。。
と、お店を覗いてみたら・・・・!
え!Σ(゚д゚;)
他のお店は閉めているのに、
ノリスケさんだけが夜の横丁に残っていました。
ノリスケさんもお店の営業は終了しているのですが、
実は、
営業終了したここからが本番なんです。
何が始まるのかと言うと、
そう、
これからバウムクーヘン作りが始まるんです。ヽ(゚◇゚ )ノ
みなさん、
イメージとしてバウムクーヘンは、
営業中に焼いてると思いますか??
実はバウムクーヘン作りは少しだけ特殊で、
焼いている間中、
もうまったく目が離せないものなんです。!
僕も今回初めて知りました。
そのバウムクーヘン作りの特性のため、
営業中に焼く事はできず、
営業中は接客に専念し、
こうしてお店閉めた後に、翌日以降のものを焼いているんです。!
今回、ノリスケさんに呼んでもらって、
バウムクーヘン作りの一部始終を
ここにレポートしたいと思います。
「ノリスケさん」×「川越syle」のコラボ。♪(*^o^*)
これは超貴重な話しですね。!
(お店のためにオーダーメイドで作ってもらった釜)
「どうやって、あの丸い形になるんだろう??」
「どうやって層を作っていくんだろう??」
知られざるバウムクーヘンの世界。
その秘密が今明かされます!
楽しみながら読んでください。(-^□^-)
それでは。
川越の人気店、ノリスケさんのバウムクーヘンができるまで。♪
ワクワクの工程の始まり始まり~!
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
■「生地作り」。
お店に行った事ある方は見ていると思うけど、
ノリスケさんの店内は、そんなに大きくない。(;^_^A
お店の中には釜がドーンと置いてあって、
その釜の熱で、店内の温度は
なんと・・・40℃を超えていました。。。
最初見に行った時、
ノリスケさんは黙々と
何度も何度も生地の計量をしていました。
計量カップに生地を入れ量りで重さを測る。
そのグラム数を見て、
生地の中に空気がどのくらい入っているのか、
数字として細かく見ているんです。
「毎回きちんと計量するのも、大事なポイントですね」
生地の中の空気の量で食感が変わる。
自分の中にある空気の比重の黄金比率になるよう、
何度もカップですくっては、比重を測っていました。
測っては手で混ぜ空気の量を調整し、
測っては手で混ぜ、を何度も繰り返します。
混ぜないで生地に空気が入り過ぎても
ホワーンとした生地になり(そもそも焼いている時に落ちちゃう!)、
混ぜ過ぎて空気を潰し過ぎると、今度は生地が硬くなってしまう。
機械ではなく手の微妙な感覚で、
空気の量を調整していくんです。!
「手の感覚で、生地内の空気の量を見るんです。
この最初の工程が凄く大事。
空気の量で食感が変わります。
空気のいいバランスを手で探っていくんです。」
ねっとり感や量のカサを目で確認するのもポイント。
ノリスケさんは乳化剤を使っていません。
乳化剤を使えば、空気は出来やすく壊れにくくなる。
使えばずっと仕事は楽になる。
手仕事だと、空気は出来にくく壊れやすい。
「正確な計量も大事だけど、
一番大事なのは、この手の感覚ですね」
このボールの量が、1ロットの量。
1ロットは、4本の芯棒で焼かれ、
そしてバウムクーヘン約30個分になっていきます。
ノリスケさんのバウムクーヘンの原料は、
・国産小麦粉
・卵
・砂糖
・太白ごま油100%
「バター・マーガリンは使用せず、太白ごま油を使っています。
これ使っている所なかなかないんですよ」
・甘しょでん粉
「これは、サツマイモのでん粉ですね。
コンスターチがポピュラーだけど、
甘しょでん粉を使うと食感が軽くなるんです。
小麦粉だけだと硬くなるから、ふんわりのためにですね」
空気をいいバランスで含ませた
ノリスケさん秘伝の生地が完成し、
いよいよお待ちかね!焼きの工程に進みます。♪
今日作るバウムは、
さつま芋バウムです♪
この焼かれる工程、
ぜひじっくり見てください。(*^o^*)
ノリスケさん気合充分!
釜の前に陣取り、焼きの工程に入ります!
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
■「焼きの仕事」。
釜の目の前に座ったノリスケさん。
(釜の温度は354℃。
釜の目の前に座るノリスケさん。)
底に生地を流して、なぜバウムクーヘンは丸くなるのか??
この段階ではまだ分かりませんでした。。。
釜の中に芯棒を設置し、
そのあたりから
なんとなく全体棒が見えてきましたよ。(-^□^-)
素手で芯棒を4本設置するノリスケさん。
「芯棒設置」と、
「底にあるのは生地」。
これでなんとなく・・・分かってきますね。(*^o^*)
釜のドラム内でこの4本の芯棒が、
ゆっくりゆっくり
「円を描くように回る」んです。
そうなると、どうなりますか??
そう♪
芯棒に生地が付きます!
ゆっくり回りながら底で生地を付け、
またゆっくり回って
奥に見えるバーナーで焼かれる。
つまり、
これがバウムクーヘンの一層目になります。!
回るスピードを頻繁に確認するノリスケさん。
「一層ごとに、焼き具合・火加減を見てます。
三層目くらいまでは、茶色く焼き目が付くくらいしっかり焼きます。
しっかり焼かないと生地が落ちちゃうんです」
「焼いている間は、目が離せません」
ノリスケさんが、ふと漏らした一言が興味深かった。
ゆっくり回りながら、大きくなっていくバウムクーヘンを、
人の成長のように見ていましたよ。(-^□^-)
4本回しているので、4つ子ちゃんですね。♪
ゆっくり回って、手前に来るごとに
バウムクーヘンが大きくなっていくんですよね。
手前に来るごとに「おお、大きくなったなあ」って、
その成長ぶりが楽しい楽しい。(*^o^*)
少しずつ、4つ子のバウムクーヘンが、
大きく成長していく様子を見守ってみてください。ヽ(゚◇゚ )ノ
ラップに包んで、水分が逃げないように、汚れないようにします。
これがノリスケさんのバウムクーヘン作りです。♪
いかがでしたか??(*^o^*)
成長していく様子が楽しいですよね。
焼いている時間は30分くらいだったでしょうか。
一時も目を離さないで、集中していました。
焼いたバウムクーヘンを寝かせて熟成させる。
夏なら翌日、冬なら翌々日まで熟成。
店内に充満する甘い香り。♪
1本の芯棒から、7個くらいにカットします。
4本なのでこの日は、
30個近くのバウムクーヘンが出来上がりました。!
今日のバウムクーヘン、
出来はどうだったかな・・・??
「今日は最高の出来。上手くできた時は、
早く切りたくて仕方なくなるんですよね」
知られざるノリスケさんのバウムクーヘン作りは、
こうして
営業が終了した後に行っていたんです。
大変な手仕事ですね。。。
バウムクーヘンのノリスケさん。
専門店として、
ここ川越の小江戸横丁で、
今日も明日も明後日も!
あっさりしっとりなバウムクーヘンを作り続けています♪
プレーンにさつま芋に、
9月の限定バウムは紅茶味♪
ぜひ味わってみてください。ヾ(@°▽°@)ノ
ノリスケさん、ありがとうございました。。。
「小江戸川越バウムクーヘン ノリスケさん」
川越市元町2-3-1小江戸横丁1F
10:30~17:00
月・第3木休