位の25年ほど前の話になるだろうか、一応同じ大学の先輩ではあるのだが(男性)、なんで私か呼ばれたのかよくわからない結婚式に参列することになった時、ダンナが


「写真を撮って、ネガごと渡ししてあげると喜ばれるよ」と一眼レフのカメラを貸してくれた。

 

実はその先輩は御両親と絶縁状態(こういう人、私の周りにちょいちょいいるなあ)だったので、参列者が少ない、というか、女性で同年代は私だけである。


結婚式場と披露宴会場は別だったので、結婚式場(チャペル)の新郎側はスカスカであった。

 

一方新婦側は地元ということもあって、親族うち揃っている。

 

本当は、結婚式は2人だけでやろうか、と計画していたらしいのだが、当時は親戚を招いてそれなりの規模で結婚式を挙げるのが普通であった。

 

同年代の人はいないし、ダンナからカメラを渡されていたので、とりあえず、フィルムの分だけは撮りつくそう、とパチパチ写真を撮り、自宅に戻ってから写真屋さんに現像に出して、翌日仕上がった写真とネガを宅配便で彼に送ったところ、大変に喜ばれた。

 

前にも書いたかと思うが、新婦のお父様も写真を撮っていたのだが、そのフィルムが白黒で(何故?)現像してからお父様の落ち込みが半端なかったらしい。


そこに私の写真(当然カラー)が現像されてネガもついてきた。


しかも、私の席は結婚式も披露宴も最前列だったので、さえぎるものが何もない。

 

その先輩と私は6才年齢差があるので同じ大学だが在学時代は全くかぶっておらず、学科も違う。


仕事関係で知り合って同窓だということがわかってから親しくさせてもらってはいたのだが、こういう経緯の知り合いなので、式場に共通の知り合いは私の上司(おっさんだ)1人しかおらず、したがって、私のカメラに写っているのは、式場のステンドグラスと新郎新婦、および新婦の親族のみ。

 

普通は、友人とかほかの人も映り込むのであるが、まるでお抱えカメラマンのような内容になっていたので、ネガごと渡しても全く痛手はない。

 

その頃は、フィルムで写真を撮っていたので、24枚撮り、とか36枚撮りのフィルムを購入して、撮影した後、町の写真屋さんに出してまずは現像してもらい、結構式や旅行など、複数が映り込む場合は、現像した写真をみんなに見てもらって、「私も欲しい」と言った枚数分をまた写真屋さんで現像してもらうのである。


親族の場合は、当人が映っている写真をこちらで現像してあげることになるが、友人とか知り合いだと、現像する枚数分の現像料を戴くことになる。確か1枚40円程度だっただろうか。

 

それでも、フィルム代とか、最初に全部現像する代金などはカメラを持った人の持ち出しになるし、フィルムの枚数は限られているので結構シヤッターを押すときは慎重である。


今のスマホ撮影のように、パシャパシャ撮りまくって、よく取れたものだけ残す、とか、加工していらないものを消す、なんてことはできないのだ。

 

で、長々と書いてきたが、写真屋さんに現像してもらった記憶はその先輩の結婚式が最後である。

 

それから携帯電話で写真が撮れるようになり、スマホで取った写真を相手に送ったり、メモリーカード保存できるようになったため、写真屋さんに行く必要がなくなったのだ。

 

それでもショッピングモールには写真屋さんが必ずあるので、誰が利用するんだろう、と不思議だったが、なぞが解けたのは、父親の葬儀の後であった。

 

私の父親は3年ほど前に亡くなったのであるが、今日が命日である。


コロナ禍ということもあって、こじんまりとした葬儀を終えてしばらくたってから、母親から

「祭壇の写真が欲しいから送ってくれ」

と、唐突に言われた。

 

欲しい、と言われても、特に頼まれてもいないし、どういうこと?

 

と聞くと、葬儀前に祭壇の写真をダンナがスマホで取っているのを見ていたらしい。

 

まあ確かに撮っていたが(私も撮った)特に意味はない。

 

家族葬なのに母親のこだわりでお花だけはたくさん飾られていたわけだが、葬儀の時、母親はそれをとても自慢していた。

 

その自慢の祭壇の写真を父の仏壇に飾って、お線香をあげに来たご近所の皆様に自慢したいらしいが、スマホで撮っていただけなのに、どうやって、写真にして送れ、と?

 

母親は「なんか印刷する方法があるらしい位からされでちゃちゃっとできるんじゃないの?」

 

というので、カチンときて、

「そのちゃちゃっと印刷する方法とかを自分で調べて教えてくれる?そうしたらやるから」

と塩対応をした。これは今後の為にも必要なことである。

 

母親の周囲の誰がちゃちゃっとやったのかは知らないが、自分で出来もしないことを調べもせずに他人に頼むのには安請け合いをしてはいけない。

 

この手のことは私の母親の場合結構多い。

 

自分で組み立てることもできないキッチンワゴンを勝手に買い込んで、帰省した時に私のダンナに


「これを組み立ててほしいの」と言ったり。


まあ、組み立てられたのは良かったが、私と2人がかりで2時間かかった。

 

その時は「自分で組み立てられないものを勝手に買わない。私たちができない場合もあるので事前に確認してくれ」とくぎを刺したのだが、『糠に釘』とは母親の為に作られたことわざなのでは。

 

まあ、糠に釘を打った後、ちゃちゃっとグーグル先生に聞いたところ、スマホで取った写真は写真屋さんで現像可能だそうだ。

 

近所のショッピングモールに「カメラのキタムラ」が出店しているので、ダンナに頼んで一緒に行ったところ、店先にパソコンが数台置いてあり、そこにスマホのメモリーカードを入れると保存されている写真を印刷することができ、大きさとか画質、用紙も選ぶことかできて、飾れるようにアクリルボードも別売りしていた。

 

初めてのことなのでちゃちゃっとは行かなかったが、無事設定も終了して、カウンターのお姉さんにお願いすると、結構いい画質の写真が出来上がり、アクリルボートに入れてもらった。

 

確か合計で2000円なり。


ちょっともったいぶって1週間くらいたってから母親に送った。


なんでも簡単にできると思われちゃ困る。

 

他のパソコンではお母さんらしき女性がスマホで撮った子供たちの写真をアルバムに編集しており、あれは爺さん婆さんに送るのだろうか。それともママ友同士で交換するのかな。

 

なるほど。写真屋さんにはこういったニーズがあったのか、と目からうろこであったが、その後、写真を現像する必要はなかったのだが、この間通りかかったときに、

 

「スマホで撮った写真をキーホルダーにしてみませんか?」

 

というポップを見つけた。

 

見本には、子供の写真とか犬の写真が透明なケースに入ったキーホルダーになっている。

 

うちのもなかさんのキーホルダーを作りたい。

 

スマホからQRコードをダウンロードして、画像を選択して申し込むと15分ほどでできるそうだ。

 

作ってみた。



 

これは1つ 880円。

 

高いような安いような。

 

絶対ダンナも欲しがるので、ダンナの分も合わせて2つ作った。

私は自宅のカギにつけたが、ダンナはつける場所をまだ考え中。

 

傘につけたらどうかと思ったのだが、傘は取られたりなくしたりするから、もなかをなくすわけにはいかないので却下された。

なくさなきゃいいのに。

 

そう考えると、子供の写真でキーホルダー作るのはちょっと微妙か。使いどころが難しい気もしてきた。

 

犬猫ならいいけれど、失くした時とか人間だとダメな気もする。

 

後は缶バッチも作れるらしいので、次はそれを作ろうかな。