ふと気づくと見るつもりもなかったテレビのチャンネルになってることがないだろうか。
おそらくは録画予約の関係で、チャンネルが自動的にその局に切り替わったままになっており、他の番組を録画で視聴した後、録画が終了した瞬間、普段見ない番組に切り替わっているわけだ。
一昨日の深夜、気づくと画面がEテレ(NHK教育)の「地球ドラマチック」という番組になっていた。
タイトルは「カメレオンの楽園!マダガスカル」というもので、画面一面にカメレオンがうつっている。
爬虫類は苦手なので、スイッチを切ろうかと思ったのだが、ご存じの通りカメレオンは柄がカラフルできれいな爬虫類である。
他の野生動物にも共通するが、繁殖期になるとオスが美しい柄に変化して、メスにアピールをする。
メスは目立たない色なのは、卵を産むまでは他の捕食動物に見つからないためである。
オスのアピールは美しい柄だけではなく、オス同士が戦って勝者がメスとの交尾の権利を得る。
この戦いは苛烈で時には相手をかみ殺すこともある。
オス同士が争いだすと、メスはとばっちりを食って、枝から落とされる(枝から落ちたくらいでは大丈夫)。
なんてシーンを見るともなく見ていたのだが、画面はきれいだが、爬虫類が争っているだけなので、1時間も視聴する気にはなれずに、テレビを切ろうとしたら、テレビの画面の真ん前にもなか(飼い猫)が正座して見入っている。
珍しいこともあるものだ。
もなかはいつもリビングにいるのだが、それはこの季節、飼い主がいるリビングが一番暖かいからである。
ホットカーペットの上か、エアコンの暖風が直接当たる猫タワーの一番上にいることが多い。
飼い主がリビングにいるときはテレビがついていることが多いのだが、もなかはテレビに関心を示すことはほぼない。
歌番組もバラエティもドラマもニュースも無関心である。
ところが、カメレオンには釘付けである。
まあそのうち飽きるだろう、と飽きるまではテレビをつけておくことにして、スマホをいじっていたが、この番組、徹頭徹尾カメレオンの生態を追っていて、カメレオンの繁殖行為、メスの産卵、産卵後卵を守って土に埋めるところ、卵から孵ったカメレオンの赤ちゃんたちが過酷な自然の中で生き抜くさま、を淡々と放映している。
それを微動だにせず正座のまま、もなかが凝視している。
ほぼ、この番組を最初から見たのだが、人間は一回も出てこなかった。
かつて、この番組のナレーションは俳優の渡辺徹さんが勤めていたのだが、亡くなられて違う方がナレーションを入れていたが、声のみで登場することはない。
そうか。もなかさんはカメレオンが好きなのか。
知らなかったよ。
私は爬虫類は苦手なので飼ってあげることはできないが、映像だったらまた見せてあげられるのではないか。
今回のカメレオンの楽園は録画してなかったが、Eテレは再放送が多いので、後日また放送されるかもしれない。
テレビの予約機能は1週間後までの番組は検索できるので探したが、カメレオンの楽園は再放送されていなかった。
残念。
見つけたら必ず録画してあげようと思っている。
結局、もなかはメスカメレオンが産卵後力尽きて死ぬまでを正座してみていた。
1時間弱画面に集中していたのは猫ながらすごい。