ニトリのトロリー。
 
CMで見てごちゃっとしたリビングの小物を何とか収納できるんじゃないかと買って見た。

 
お値段2990円。
組み立ても簡単だし、いいじゃん、とちょっと悦に入っていたら、帰宅したダンナが、
「片づけたんだ。偉いねー」
 
「これで座ったまますべての用事が終わるね」
 
ん?
 
確かに。
最下段にポットも収納出来たし、二段目はお薬関係、一段目にはティーパックとかも置いてある。
 
ヤダ。ズボラコックピット?
 
もう一台買おうかしら。
 
さて、手術前は夫婦でプールに行ったりしてたのだが、最近はちょっと足が遠のいている。
まあ、寒いし。
 
それで、いそいそと通っているのが日帰り温泉である。
「運動」ではないが、代謝は上がるし、何より、温まるのはいいことだ。
 
子宮体癌は50代、60代で発症するケースが多いのだが、それでも30代、40代の独身の女性で、子宮を摘出しなきゃならなくなった方もいる。
 
腹腔鏡手術だと傷跡が小さいようだが、開腹手術だとお腹に大きな縦傷ができる。
 
お腹の手術をしたまだ若いブログ主様で「日帰り温泉とかにもういけない」と嘆かれていた方がいたが、
「誰も気にしちゃいないから堂々と行こう!」とコメを付けたのだが、その後、温泉に行かれたようだ。
よかった。
 
私の場合、25センチくらい切ったので、結構大きな傷跡だが、1年半たって結構きれいに治ってきている。
 
ただ、温泉には割と早めに行き始めた。
 
おしゃれなホテルのエステ付きスパ、とか、自分へのご褒美で都内のラグジュアリーホテルの大浴場、とかだったら、腹の傷も気になるかもだが、主に私が行っている温泉は、体にガタが来た人々が癒しを求めて浸かりに行く場所である。
 
お湯につかりながらぼうーっと見ていると、結構あっちこっちに傷がある方は多い。
 
腹に縦傷なんてもはや珍しくもなんともないし、一時期よく行っていた温泉は「打ち身、切り傷に効く」と評判らしく、自転車ですっころんで20針縫った、というおばさんが医者に勧められてつかりに来ていた。
 
今回行った、百観音温泉は掘り当てた温泉ではなく、自噴している温泉で、高温で豊富な湯量を誇る。
 
テレビ番組にも出たことがあるのだが、源泉かけ流し、の湯舟は温度が48度くらいあり、普通の人は入れない。
それでも3人くらいで一緒に入れば、体温でお湯がぬるくなるのか、45度くらいまでには下がるのだが、まあ、私は踝から下をちょっとつけただけで、やめておいた。ひりひりするくらい熱い。
 
そんな高温の湯にも我慢大会のように浸かるおばさん、おばあさんがいるわけだが、10分も浸かって出てきた婆さんの首から下がきれいなピンク色に染まっている。そして結構長い間ピンクが抜けない。あれは低温火傷なんじゃなかろうか。
 
まあ、湯舟が大きければ、いかに源泉が熱くても適温になるわけで、大露天風呂とか炭酸泉は程よい湯温である。
うっすら石油っぽい香りがする茶褐色の湯だが、腰痛にはばっちり効くし湯冷めもしにくい。
 
ここで、ゆっくりお湯に浸かって温まる。
冬の醍醐味である。
 
脱衣所に戻ると大きなソファがあって、着替えの時はここのソファが座ったまま着圧ソックスが履けるので特等席である。
私は着替え自体は早いんだが、手術後やっぱり足のむくみが気になるので、ひざ下丈の着圧ソックスを愛用しているのだが、これがなかなか履くのに手間取るのである。
 
ソファでソックスと格闘していると隣に結構なお年の婆さんが座った。
こちらは足が悪いので座っていた方が着替えがしやすいらしい。
 
もう一人常連と思しきおばさんがいて、世間話をしている。
その時大体昼の12時くらいだったので、
 
おばさん  「お風呂出て、お昼はどうするの?」
おばあさん 「家に帰ってから作って食べるよ」
おばさん  「息子さんは?」
おばあさん 「待っててくれてる」
おばさん  「あれ。今から帰って作ったらお昼の時間過ぎちゃうのでは」
おばあさん 「簡単なものちゃちゃっと作るだけだから、大丈夫だよ。それでいい、って言ってくれるし。」
おばさん  「待っててくれるんだ。優しいねー」
 
へっ?
 
優しいか?
 
これが30代のお母さんがいうならまだわかる。小中学生の息子がお母さんが帰るのをお腹を空かして待っていて、ちょっと遅くなって少々手抜きのご飯でも美味しく食べてくれるなら、なんていい子だろう、と思うんだが、このおばあさんの息子だよね。
どう考えても40代は過ぎているのでは。
 
うっかりすると私と同年代だったりして。
 
お休みの日に自宅にいるんだったら、お前が作れや。
いや、高齢の母親が温泉で羽を伸ばしているのなら、母親はそのまま温泉内の食堂でみんなと一緒にご飯食べて帰ったっていいのでは。家にいるんだったらカップ麺でも食べてりゃいいのでは。
 
ただ、多分だけれど、おばあさんは息子に美味しいごはんを作りたくて作っているんである。
だってかわいいんだもん。
 
このあたりが困ったもので、同年代の女性(奥様)からすれば、中高年のおっさんは別にかわいくもなんともないから、自分でできることはやっていただきたい。
 
ごはんを炊いて味噌汁作って嫁の帰りを待ってろ、とまでは言わないけれど、「家に帰ってきてごはんを作ってくれるのを待って」いられたら、なんかやだなあ。
 
それがかわいいのは、子供と猫だけだ。
 
外出から戻ってきて、もなか(飼い猫)の餌皿が空っぽだと
「ごめんねー。お腹空いてた?」
と煮干しとかあげちゃうもんね。