ふかふか

ちょっと気になるブログを読んだ。

ご家族がガンで闘病中の方で、自宅で点滴を打つわけだが、病院から貰った点滴に必要な針とか用具とかをチェックしてみたら、次回の外来日まで持たない。(途中で足りなくなる)

 

患者ご自身は「私がチェックしなかったから」と反省しきりだが、ご家族はこれは病院のミスであり、

「患者は投薬された内容をいちいちチェックしているのだろうか」とお怒りなのだが、実は投薬内容とか量については(多分)ほとんどの(成人の)患者は自分でチェックしている。

 

少なくとも私の通っている大学病院はそうである。

 

例えば、次回の外来日を決めた後、「じゃあ5週間分必要だから、この数でいい?」と医師から確認が入る。

 

画面上で医師と一緒にチェックした後、私の場合は、薬の微調整をする。

 

私が服用している薬は大きく分けて二種類あり、定期的に飲んで薬剤の血中濃度を一定にしておきたい薬と、食事や体調に合わせて自分で調整していい薬だ。

 

後者の薬の場合、食事をしない場合は、服用しないので、薬が余る。

 

また、痛み止めとか便秘薬の場合は、必要がなければ飲まないので、定期的に処方してもらう必要もない。

 

なので、例えば5週間分、と処方されても、数種類の薬については、「自宅に在庫があるので」と断ったりもする。

 

また、処方されている薬の中には、新薬で高額な薬もあるので、この薬についてはできればやめたいので検査結果を注視しつつ

「この薬減らしましょう、もしくは止めません?」というのを狙っている。
 

私の場合は薬の種類が多いこともあるのだが、体調が悪かったり、コロナの時期を経て、

 

「予約した日に予定通り病院にいけない場合」もちょいちょいあったので、一ヶ月程度の薬の備蓄は欲しい。

 

なんかコントのようだが、「今日は具合が悪いので病院にいけません」ってのがあるのである。

 

予約日に病院にいけなくなるとどうなるか、というと、予約外で別の日に行くか、リモート、というか電話診療で処方してもらうかの二択になる。

 

予約外で受診すると、主治医に診てもらえない可能性もあるし、予約患者が優先なので診察時間の最後に回される確率が高い。

 

リモートならいいか、というと、今まで2回ほど電話で薬を処方してもらったことがあるが、医師が診察の合間で連絡をくれるので、いつ電話がかかってくるかわからないので半日電話の前で待機していなければならない。

 

電話診療で医師に処方箋を書いてもらい、それを郵送で自宅まで送ってもらう。処方箋を調剤薬局にファックスして、宅配便で送ってもらう。代金は銀行振り込みである。

 

なんだかんだで4日はかかるので、手持ちの薬がギリギリだと電話診療も使えない。

 

まあ、そんなこともあるので、ある程度手持ちの薬にはゆとりを持たせたいわけだ。

 

外来で医師と薬の調整を済ませて処方箋を貰った後、院外の調剤薬局で薬を受け取るわけだが、受け取りの際も、処方箋と薬剤を薬剤師と一緒にチェックする。

 

この時点で間違いはほぼないのだが、1回だけ、同じ薬で一錠あたりの容量が違う、ということがあった。

 

これはチェック時に文字だけ追っていたので私もその場では気づかず、自宅に戻って薬箱に薬を分別して収納する時点で気づいた。

 

すぐに薬局に電話を掛けたところ、正しい薬を宅急便で送ってくれることになり、間違えた方はそのまま廃棄してほしいとのことだった。(容量が違うだけなので計算すれば飲用可能なので、捨てずに飲んだが)

 

通常の外来で処方される場合、医師と一回、薬剤師と一回、合計二回薬の確認をしているわけだ。

(退院処方の場合は、看護師と薬剤師がそれぞれ一緒に説明しながら確認してくれる)

 

医師と薬剤師のどちらが間違いが多いか、というと圧倒的に医師なので、医師との確認は結構神経使ってチェックしている。

 

ただ、間違いを発見したところで、リカバリー可能な間違いだったら、指摘はするけれど、怒りはしない。

 

リカバリ可能な時点で発見できるように患者としても頑張りたい。

 

何故か。

 

一番被害にあうのは自分だからである。

 

この5年間で4回手術しているが(多い)、手術室に入るとまず聞かれるのは、氏名、生年月日、そして手術の術式というかなんで手術をするのかを自分で言わされる。これは患者の取り違えを防ぐためである。

 

次に聞かれるのは、どこをどう手術するのか、である。子宮体癌の時は子宮は一つしかないし、卵巣はどちらも摘出予定だったので、間違えようがないが、甲状腺腫瘍と白内障では、2つある臓器のどちらを手術するのかを手術室の看護師と患者も一緒に確認する。

 

恐ろしいことに、私が手術した大学病院の系列で、健康な腎臓を摘出しちゃった事故があって、それから確認がしつこくなった。

 

もちろん、あってはならない間違いだし、医師や看護師がしっかりすべきことなのだが、被害にあうのは患者なので、患者自身も確認には参加すべきだ。

 

いや、ぜひ参加させてほしい。

 

事故が起きちゃってから、ごめんなさいされたところで、元に戻せない間違いだってあるのが医療だ。

 

なので、投薬ミスだ、と感じたのであれば、淡々と間違いは指摘すべきである。

 

それによる費用とか手数も相手が悪い、と感じたのであれば、交渉すべきなんだが、同時に再発を防止するために自分でできることも考えなければならない。

 

なぜか。その方が結果として患者の利益になるからである。

 

薬の種類によっては処方量に制限があって多めに処方できないものがあるかもだが、制限が緩ければ、多めに出して貰う。


かかっている病院が遠方で急に処方してもらうのが大変なのであれば、自宅近くのかかりつけ医に薬だけでも出してもらえないか相談してみる。

 

自分が楽になり、快適になるであろう工夫は積極的にするべきだ。何せ相手はプロなのだから、患者が思いもつかない「楽な道」を知っている可能性はある。

 

なんてことをつらつらと思ったのだが、投薬ミスは当然病院が悪い。


きちんと経緯を説明して、再発が無いように念を押すべきだし、患者は全く悪くはないのだが、まあミスとか行き違いはゼロにはできない。人間だもの。

 

なので、患者もミス防止に参加する方がいいと思う。