女優の西丸優子さんが、子宮体癌で昨年末に手術で子宮、卵巣等の手術をしたことを公表なさった。

 

おお、子宮体癌のお仲間だ。

ただし、西丸さんはまだ43歳とお若いし、写真で拝見する限りスレンダーな方である。

 

50代~60代、太目、という子宮体癌のストライクゾーンからは外れているような気がする。


それでもなる人はなるのだ。

 

西丸さんによればガンは手術でとり切れたが術後は抗がん剤をなさるという。子宮体癌はあまり知られていないように感じるので、今後は治療等について発信していきたいとのことだが、彼女のメッセージでちょっと引っかかったことがある。

 

それは「ガンは早期発見がすべてだから、皆さま検診を受けましょう。」

 

その通りである。

 

私も自分がガンになる前なら、「そうそう。早く見つかれば治るんだから、検診大事よね。」で納得していたような気がする。

 

でも自分がガンになってみて思うのだが、「検診で見つかるガンって限られている」のでは。

 

医者じゃないので、的外れかもしれないけれど、ワクチン接種でおなじみの「子宮頸がん」は検診で発見できるし、検診で引っかかって受診した方も多いだろう。

 

昔の知り合いの方も検診で引っかかって、「ガンになりかけの細胞があるから、取りましょう」と日帰り手術で該当箇所を切除。その後は元気で生活している。

 

では「子宮体癌」はどうか、というと、自分もそうなんだが、同じ病気の方のブログとか読んていても、検診で見つかった、という方はあまり見かけない。

 

大抵の場合、不正出血とかお腹が痛いとかの不具合を感じて受診する。

 

その場合、ちょっと怖いのは、50代くらいは、不正出血や体の不調は「更年期障害」で片づけられがちなことである。

 

前回のブログで紹介した、フリーアナウンサーの吉川美代子さんのケースも、事前に別の病気で子宮を全摘していたから、

「子宮がないのに、出血するのはおかしい」と婦人科を受診し、医師が何と言おうと、「おかしい」とこだわって、膣ガンの発見につなげたわけだが、もし、吉川さんに子宮があったとしたら、「更年期はそういうこともありますよ」と言われれば、「そうかな」って納得してしまっていたかもしれない。

 

子宮取っておいてよかった(うーん)?

 

なので、少なくとも子宮体癌の場合は、検診大事、ってわけでもないと思う。


ついでに卵巣がんもなかなか検診では引っかからないようだ。

 

むしろ、子宮頸がん検診は毎年きちんと受けていて、不正出血を医師にも相談していたのに、「更年期だよー」で済まされちゃってるケースとかありそうで怖い。

 

あと、「早期発見」というのも微妙な文言で、多くの場合は、「早期発見」=「ガンのステージが浅い」ことを言っているのだが、これも慎重に扱うべき言葉のような気がする。

 

ガンのステージ、というのは、原発にとどまっているのか、原発から近くの臓器に浸潤しているのか、ガン細胞がリンパを伝って遠隔臓器に転移しているのかによって、違ってくるのだが、子宮体癌の場合、結構子宮内にガンがとどまっている期間が長いらしい。

 

主治医によれば、私の場合、ガン自体は結構大きかったので、開腹前の予想はステージⅡ、もしかしたらⅢ。


ペット検査の結果転移はなかったので、ステージⅣはないだろう、ということで手術をしたわけだが、ではガンはいつ頃からできていたのか、というと、できてから半年以上は経ってる、という主治医の推測だった。

 

なんていうか、半年間ずっとそこに留まって着々と大きくなっていたのだが、幸いなことに私のがん細胞は新天地を目指そうとは考えなかったらしい。

 

また、ステージⅠとⅡの違いは、子宮内部の浸潤度によるのだが、私の場合は、大きさの割には内部にも浸潤しておらず、したがってステージⅠだったわけだがこれも開腹してみないとわからなかったこと。

 

早期発見できたわけじゃないが、ステージは浅かったわけだ。


これは、子宮体癌だったことと、ガンのグレードがおとなしいタイプ(ガンってだけでおとなしくはないと思うんだが)だったから。

 

まあ、何が言いたいか、というと、言葉というものは、受け取った人が自分の解釈を加えるので往々にして変化していく。

 

例えば

「検診で見つかったんだったら、早期発見だからよかったね。」

とか、

「そんなに悪くなるまで、どうして病院に行かなかったの」

とか

「検診を受けないから重症になってから見つかったのでは」

 

なんて、思う人もいるだろうし、患者に向かって口に出す人もいるだろう。

 

実際、私も手術前に、

「早期発見だから治るよ」

と友人から言われ、「早期じゃないんだが」と一人ガーン、としていたので、言葉かけは難しい。

 

 

結局、検診で見つかったって、ステージⅣのこともあるし、自覚症状がなかったり、あってもほかの病気と紛らわしいガンもあるんだよ。

 

なので、私が今言いたいのは、検診は大事だが、そこでなんともなかったからと言って、気は抜かずに、自分の直観を信じること。自分の体のことは自分が一番よくわかっているはず。

 

そして、なんでもかんでも「更年期」で片づけないこと。

不正出血とかお腹の痛みなんかは、ついつい、友人に相談したり、ネット検索で納得しがちだけれど、ちゃんと、婦人科医にかかること。

 

めんどくさいし、不快だけれど、「内診」はとっても大切。

 

少しでもおかしいと思ったら婦人科にgo。