そろそろ薬がなくなってきたので、眼医者に行かなければ、と重い腰を上げる。一昨日の話である。

 

「(あの先生は)急に休むことがあるから、確認してから行くんだよ~」

とダンナが出社間際に行ったのではあるが、確認、と言っても、ホームページがあるわけでもないので、直接病院に電話で確認するしかないわけであるが、我が家から、歩いて7分、自転車で5分の町医者なので、

 

「実際に行ってみて閉まっていたらそれはそれで仕方ないわ」というスタンスで通院している。

 

午前中に行ってみると、先客、というか前の患者さんか一人診察中で、おお、空いている。

前の患者さんと医師は「震災の備え」の話で盛り上がっていたが、受付のお姉さんが、さりげなく、私のカルテを医師に回したので、雑談はほどなく終了し、私の番になった。

 

一応、白内障手術の経過観察、という形で通院しているのだが、ここの老医師によって「眼圧正常の緑内障」と診断されてしまった結果、緑内障の点眼薬を貰うために通院している。

 

毎回、眼圧を測られているいるのだが、「うん。両眼とも正常」

 

そりゃそうだろう。

白内障の手術の前から、大学病院で術前検査とか、糖尿病なので定期的に眼底検査をしているのだが、眼圧を指摘されたことは一度もない。

 

この先生だけが、「隅角緑内障なので自覚症状がなくても目薬はさしておいた方がいい」とおっしゃるのである。

 

本当か、と思うのだが、この先生、大学教授とか大学病院の部長とかを歴任して今でもなんちゃら委員会とか学会とかで役職がついている偉い先生なのだ。ちょっと権威に負けた感じもあるが、何か質問すると間髪入れずに答えが返ってくるのでそこはすごいと尊敬している。

 

で、緑内障の点眼薬なのだが、私的にちょっと気に入らないところがあるので、

「この目薬ってこれしかないの?もしほかにも種類とかあるなら変えてみたい」

といったところ

 

「それはどうして?」

と聞かれたのだが、まあ、白内障と診断されてから手術を挟んで目薬は数種類出されているのだが、この緑内障の目薬、容器が固いのか、なかなか液が出てこない。

 

別にたっぷり注したいわけでもないが、なんか物足りないのである。

 

と、いうことで、「容器が嫌い」と説明したところ、老先生、頭を振りながら、

 

「普通の目薬は一回点眼すると50(単位は忘れた)くらい出る。

目に行きわたるのに必要なのは、30くらい。

ところが、緑内障の目薬は一回に25しか出ないので、少ない気がするのは確かだが、それで十分なので、2回目を追加でさすとかはしなくてよろしい。」

 

「ちなみに薬剤師によっては、色素が沈着するからしっかり拭いて、という人もいるが、日本人はもともと目の中は茶色かグレー。外人さんの目なんかみると透明だったりするので、日本人はそこまで気にしなくてもよろしい」

 

ほら、ちょっと文句を言うと数倍になって返ってくる(笑)

 

「で、目薬はいくつ欲しいの?」

 

(なぜか)目の炎症を抑える目薬を処方されているので、それを2本。

緑内障の目薬は3本処方をお願いした。

 

2本と3本。お互いに復唱して「無くなった頃またおいで(予約はない)」と診察終了。

 

少し離れたところにある調剤薬局のお姉さんに処方箋を提出して、目薬を受け取ると、

 

あれ?2本ずつじゃん。

 

炎症止めを2本と緑内障を3本って言ったはずなんだが

 

で、ここで思った。

 

「先生、間違えたな。さてはボケたか。」

 

別に予約日が設定されているわけでもないし、まあ、いいか。2本でも1か月くらいは持つはずである。

おかしいな、と思いつつ、お会計をして目薬を受け取り、コンビニでひるごはんを買って自宅でくつろいでいると、

 

「〇〇薬局です。大変申し訳ないのですが、薬を間違えました。3本のところ、2本でお渡ししてしまいました。今からご自宅まで届けに伺ってもよろしいでしょうか」

 

………

 

老医師、ボケてなかったか。

 

まあ、一番悪いのは数を間違えた薬剤師だが、次に悪いのは、知ってて確認しなかった私である。

 

忙しい薬剤師さんにわざわざ届けてもらわなくても、今日か明日、買い物とかのついでに立ち寄るから、わかるようにしておいて、と恐縮する薬剤師さんに伝えて電話を切った。

 

うーん。

 

これは私の医者に対する先入観だな。

 

別に「老医師」だから間違えた、と思っているわけじゃなくて、大学病院なんかに長年通っていると、薬を間違えられるなんてことは珍しくないのだ。

 

例えば、そろそろ花粉が飛び始めているのだが、アレルギーの薬は3か月分くらい備蓄がある。

 

何故かというと、昨年の5月ごろ、「もう、花粉の季節は終わったので、アレグラはいらないです」と内科の先生に申告したのに、しっかり3か月分処方されてしまっていた。

 

あーあ。と思ったが、調剤薬局から大学病院に連絡して処方箋を変更してもらうのは、とってもとっても時間がかかってめんどくさい。

私も面倒だが、薬剤師さんも病院の受付の事務員さんもめんどくさいのだ。

 

さすがに、飲まないと命にかかわりそうな薬はめんどくさいなぞと言ってはいられないのだが、調整できそうだったら、調整することにしている。

 

まあそれやこれやで、診察時に医師と薬の確認をすることはもちろんだが、病院をでる前にも自分で処方箋をチェックする。

 

婦人科の小豆先生なぞは、薬の間違いこそないが(彼から薬を貰うことは基本的にない)、入院とか手術の手続きの抜けが多く、診察室から追っかけられて訂正されたり、サポートセンターの看護師さんが舌打ちしながら修正したりとかはあった。

 

まあ、婦人科に関しては7時間もかけて手術してくれた先生なので、完璧は求めない。

 

と、いう経験から、私の中では医師より、看護師、薬剤師、事務員さんの方が信頼度は高いのであった。

 

しかし、お世話になっているのにボケたか、なんて疑ってすまなかった。