危険な暑さですね。
我が家には毛皮の生き物がいるけれどやっぱり暑いらしく動かずじっとしてます。
脱げないのは気の毒
4年前に私の父親が亡くなったとき、斎場の方が小さな封筒を持ってきて
「お父様への最後の言葉を書いていれてください」
と渡してくれた。
その場にいた母親と私、ダンナに渡してくれたのでそれぞれ思うことを書いて最後のお別れの時お棺に入れた。後は、参列してくれた親族と一緒に祭壇に飾ってあったお花を入れたのだがのだが、母親が分厚いノートと私が子供の頃着ていたジャンバースカートをいれようとして係りの方に止められていた。
父親は晩年施設で生活していて、母親は週に一回面会に行っていたのだが、必要なものとか覚書にノートを使っていたらしい。
別に感動的なやり取りがあったわけでもなく、施設の方が「洗い替えのパジャマを追加してください」とか、父親が読みたい本を書いておくとかの連絡帳だったのだが、これをどうしてもお棺にいれたい、と主張する。
係の方に依れば、火葬の際に紙類は一枚、二枚ならいいんだが、本とかノートとかはどうしても焼け残ってしまうので入れられない、という。
理由を聞けばもっともな話なので
「解りました」と私が言うものの、母親はどうしても入れたい、という。何故だ。
係の方も根負けしたのか、
「燃えやすいように冊子をばらして一枚一枚折ってくれれば入れてもいい」と妥協してきた。
母親はお棺の脇でノートをばらして一枚一枚膨らますようにページを折っていたが案の定というかノートの後半は白紙であった。
ほしいものを書いていたメモだからそんなに長々と書くこともない。
次に入れたいと持ってきたのは私が幼い頃着ていた服なのだが、これも何で入れたいのかよくわからん。
父親が娘のために手作りした服、とかだったらまだわかるが、私の父親はそんな特技はない。
私にたいしても接し方はドライだったので子供服を入れられても困るだろう。
それより私の父親はことなかれ主義というか、人間関係や行事に波風を立てることを嫌う「ザ 日本人」だったので棺を閉じる間際にゴタゴタするのは嫌だろうなー、と思って見てた。
まあ、自分で選んだ嫁がすることなのであきらめてもらいたい。
服はよく燃えるらしいのであっさり許可が出たのは幸いだった。
ダンナのお祖母ちゃんが亡くなったとき、お棺にいれる前に、脇の下とか足の間に親族で小銭を入れた。
その土地の習慣であの世にいってからのへそくり的なお金にするそうで、なので隠して持たせるそうだ。
お札はダメ(法律で決まってる)で小銭だそうだが、(小銭だって燃やしては良くない)親戚みんなで粛々と小銭を入れた。
と、言う話を昔、母親にしたところ、
「そんな習慣聞いたことがない。変だ」
「笑われるから人に話してはいけない」
と騒いでいたが、ダンナの親戚一同当たり前のようにやっていたので別に変ではないだろう。
お金を隠す、というのが庶民の知恵らしく面白い。
ダンナがいうには
「死んだ時にお棺にいれて欲しいのはメガネだけだ」だそうである。
私もメガネだけで良いかな。
