
秘書検定は二級を持っているが秘書をしたことはないし、やろうと思ったこともない。
大学四年生の時に寮で友人となったまっちゃんに勧められて一緒に受験したのである。
就職活動で履歴書に資格を書く欄があるのだが、ここに「秘書検定二級」って入れたらちょっと見栄えがするんじゃないか、という安直な考えである。
でもそれに乗っかった。
結果、スルッと受かった。
やっぱり原付試験に三回落ちているので抜かりなく過去問を徹底的に攻略した。
で、思ったんだが、今の受験問題の内容は知らないが、当時の問題の内容って、それなりの大きさの企業の役付のおっさんにつけられる女性秘書を想定した内容だったな、と。
今も昔も日本の企業の9割以上は中小企業なので、秘書検定の問題は現実的じゃない部分もあった。
ただ、受けた当時は働いた経験がなかったので、完全にバーチャル感覚。
会社ってところではそうするのが常識なんだ、と先入観のない脳味噌で丸暗記したので合格したんだと思う。
それから7年くらい経って、当時の勤務先が教育系だったこともあり、秘書検定も扱っていた。
「秘書検定二級持ってるなら試しにやってみたら?」
と、問題を渡され解いてみる私と、ベテラン社員のUさん。あと、本当の社長秘書のK氏(男の秘書だ)。
三人して解きながらブツブツ突っ込む。
大事な会議中に部長の家族から私用電話が入ったときの取り次ぎ方(当時は全員携帯電話を持ってなかった)
私 用件を聞いて生き死にの話じゃなかったら会議後に(電話があったことだけ)伝える。
K氏 一応、内容を聞いて必要なら部長にメモを入れる
Uさん 「会議中だけど急ぎの用事ですか?」と聞いて急ぎじゃなかったら電話があったことだけ伝える
たしか、これ秘書検定的には全部ダメな応対。
取り敢えず三人とも用件を聞いちゃってる。
おまけに会議中の部長には原則取り次がない。
正解は会議中であることを家族に伝え、どうするかは家族の方の指示に従う、だ。
えー。
だって私たち部長の部下ではあるけれど部長の奥様の部下じゃないし。
何で奥様の判断で動かなきゃならないの?
その会議の重要性とかは社員の私たちの方が知ってるから、なか抜けしたりメモ入れられる会議なのか、よっぽどのことがない限り邪魔しちゃいけない会議なのかは家族より知ってるわけだし。
だから用件を聞いて緊急性判断するのは私たちでしょうよ、と三人でうなずく。
まあ、会議と言っても時間できっちり終わる会議もあれば、いつまで経っても終わらない会議もあるのでその辺りは臨機応変なんだが。
割り込んで用件を伝えるくらいは可能な会議もあるっちゃある。
その部長の性格にもよるしね。
今の秘書検定の内容ってどうなってるのかな。
もう受ける気はないけど。