手術自体は麻酔を使ってくれたので痛くなかったんだけれど、この病気になって以来、「内診」は必須であり、結構痛いことも多かった。
内診が恥ずかしいから女性医師を選択する人もいるだろうし、恥ずかしさとかじゃなくても、しょせん男とはこの辛さは分かち合えないから、女性医師の方がいいのでは、と考える方もいるだろう。
歯医者とか糖尿病で医師を探す際に、性別をきにする人は少ないだろうから、婦人科ならではの迷いではあるけれど、こと「がん」となったら迷うだけ無駄である。
少なくとも私がお世話になっている大学病院では主治医の性別は選べない。
特別なつてでもあって紹介されての受診だったら、指名可能なのかも知れないが、私に関しては初診で担当してくれた先生が手術もしてくれ、ずっと主治医である。
逆に言えば、更年期の不調とか生理不順程度だったら、開業医で十分なので、女医さんをお願いすることは十分可能だ。
実際、私が最初にかかった先生も、町の小さなクリニックの高齢の女医さんだった。
さて、現在の主治医に大きな不満はないのであるが、やはり、股とか腹とかは「生き物として」本能的に守る個所ではあるので、内診台、というのはいかにも無防備で本能的に避けたい場所ではある。

私の主治医は、「今日の内診は痛い」「今日は痛いことはない」と事前申告はしてくれるのであるが、必要時間においての宣言は全く信用できない。
つまり、「もうちょっとで終わるから」とか「これが最後だから」といいつつ、長かったり、いったん抜いた器具をもう一度入れ直したりするので、こちらとしても騙された感が湧いてくる。
もちろん終わった後には「今日は痛かったが組織も撮れたし、エコーもできた」と説明してくれるわけだが、「事前にしろ」といいたい。
ただ、事前に「今日はこれとこれをやるから長いし痛い」といわれたら、ごねる自信はある。
まあ、それても、本当に痛くて長いときは麻酔を使ってくれたり、事前に痛み止めを入れたりしてくれているので、最善は尽くしてくれているのだろうけれど。
しょせん男にはこの痛みはわからん、と思いつつも、女だってわからん人はわからんからなあ。
私は過多月経で生理がものすごく重かった、と書いたことがあるが、重くなったのは中年すぎてからで、若いときは生理はつらいものではなかった。
なので生理が重い人のつらさは今一つ理解できなかったし、学生時代の体育教師で、生理で見学の女子にきつかったのは女性教諭であったわけだし。
女医さんだって、看護師さんだって、女性器のガンとか病もちでなければ、内診の痛さとか辛さはわからんだろう。
そういう意味では男性医師だって同じことだ。
ただ、主治医からおりものの話、とか、下関連の分泌物の話とか聞かされると、
「お前は女性器を持ってないのに何で自信たっぷりに言えるのか」
「教科書で見ただけと違うか」
と思うことはある。
無防備な格好で、痛いことをされる体験を主治医にもやり返すとしたら、どうだろう。膣はないわけだから、肛門?
でもダンナがいうには、肛門、というか大腸の内視鏡は、上手な医師だったら麻酔なしでもそれほど苦痛じゃないそうで、ダンナは毎年、決まった医師に大腸検査をしてもらっている。
そうなるとやっぱり尿道か。
全身麻酔の手術は二回したが、二回とも尿道にカテーテルを入れられた。
麻酔がかかった後に入れられるので痛いかどうかはさっぱりわからないが、抜くときも大して痛くはなかった(私の場合)
ただ、話によると男の人は入れるときかなり痛いらしいんである。
女性より尿道が長いので入れるのに手間がかかることもあるらしい。
素人の私が主治医に尿道カテーテルを入れたらさぞ痛かろう。
なんていうことを昨日、行田八幡神社に行く車の中でダンナに話していたら、
「どうやって固定するの?」
ん?
「あの大きな先生をどうやって押さえつけるの?」
麻酔でも打ては……。それじゃ痛くないか。
「夏に手術して貰って、今度はできものも取ってもらって、これからもお世話になるんでしょ。なんで痛めつけなきゃならないの」
そりゃ、痛かったからだよ。
ただ、医者の性別にはこだわらないけれど、私の主治医はまた30代だ。
これはちょっとうれしい。
友人の父上は、自分より5歳くらい年下のかかりつけ医を持っていて、病気のことはなんでも相談していたのだが、その先生が先に亡くなってしまった。それから、父上は医療不信とまではいかないまでも、どの医師と信頼関係を作ることができなかった。
私の主治医は若いので、異動とか、退職がない限りは診察してくれるだろう。
次の外来は2月7日。なんか痛いような気がする。ごねてみようかなあ。
↓昔は1500円だったのに。
でも、見た目よりぎっしり入っててお得。
ばらまき用
