火曜日に退院したんだが、退院日の午前中に、眼科を受診した。
以前にもちょっと書いたけれど、白内障を患っているんである。
そもそも、糖尿病なので「糖尿病性網膜症」予防、ていうか早期発見のため、定期的な眼科受診を推奨されているわけだが、幸い網膜症にはならずに、代わりに白内障が発見されてしまった。
かれこれ3年くらい前のことである。
初期であるのでまだ手術の必要がないことと、特に治療法もないので経過観察となったが、ここ一年、明らかに視界が白っぽくなってきた。
そろそろ手術を検討しなくてはならない、となったところへ子宮体癌発覚である。
当然であるが、体癌治療優先、白内障は後回しである。
白内障が進んだところで転移するわけでも失明するわけでもないから。
ただ、体癌の手術も終わり、体調も戻り、手術するなら今じゃない?と思ったわけで、前回、4時間待たされヘロヘロになりつつも、手術をしたい、ということで今回の受診に至ったわけである。
子宮体癌の場合、手術したいも何も、手術時期は私が決めることじゃなかった。
ガン、と確定するや否や、ジェットコースターのように、主治医によって日程が決められていく。
子宮体癌の治療の第一選択は手術。手術適応だったら、一刻も早く手術すべきなんである。
それでも、私の場合、糖尿病があったので、まずは、2週間前倒しで入院したわけだが、健康体であったら、即手術だったと思う。
いずれにしても日程も治療法も決めたのは主治医である。私がしたことといえば、リンパ郭清したくない、と交渉して、撃沈しただけである。
それと比較すると眼科はずいぶん勝手が違う。
手術日一つ決めるんでも、「いつ頃をお考えですか~」とのほほ~んと聞かれる。
前回の受診の際、寒いときの手術は嫌だから、温かくなってからの方がいい、と希望したので、「4月頃で考えましょうか」という話になっていたんだが、その後で気づいたんだが、私の誕生日は4月である。今度の誕生日で免許更新になる。
火曜日の視力検査で、視力が低下しており、医師によると、白内障の影響だ、という。
確かに、コンタクトも眼鏡も最近、度があってないような気がする。
私「視力はは白内障の手術をすれば治りますか」
医者「視力そのものは治りませんが、…」
私「言い方を変えましょう。白内障の手術をすることによって矯正視力は上がりますか」
医者「それは上がります」
私「私が免許の更新をする場合、手術後、手術前、どちらがいいんでしょうか」
医者「それは人によるのでなんとも」
私「手術後視力が安定するのは時間がかかりますか」
医者「ある程度はかかります」
私「手術前の状態で眼鏡等の度数をあげれば免許更新はできますか」
医者「0.9は出るはずなので更新できるでしょう」
私「でしたら先に更新してから手術したいので5月で予定を組んでください」
悪い先生じゃないんだが、なんかイラっとする。
婦人科の主治医と話した後なので余計にそうなのかもしれない。
別に、小豆先生を盲目的に信頼しているわけじゃないし、ちょいちょい抜けが多いのはわかってきた(笑)が、会話は早い。
聞いたことに対する答えが的確に返ってくる。
私はベースが福祉畑なので、対人援助技術のバイスティックの7つの法則とかを思い浮かべるわけだが、そういう意味では、小豆先生はダメダメである。傾聴、とか自己決定の法則なんて全く斟酌していない。
ただ,医療の場合、福祉や介護とはちょっと違う。手術にしても薬にしても、ある意味、人の体に良くないことをするわけである。圧倒的な知識と経験をもって、医者が主体的に行うわけだ。そこはもたもたされても困る。
そう考えると、眼科の先生はアプローチが福祉的なんだなあ。
自分の考えは決して押し付けない。患者の話をまず聞き、それが無理であれば、理由を話して代案を提示する。
でも、福祉の世界でもこのやり方は「時間がかかる」ということで介護保険以降、決まった時間で必要な援助を終わらせる技術も必要になってきている。
実際、眼科の待ち時間は4時間じゃん。
患者に向き合いつつも、時間短縮する技法を取り入れないと。
とにかく、会話は医師がまずは主導権を握るべきでしょう。持っているデータが違うんだから。
バイスティックの7つの原則
1.個別化の原則・・・クライエントが抱える問題は一つひとつ異なるものであり、同じケースは存在しない。過去の似たようなケースと同類と決めつけ、同じ解決方法をとろうとしてはならない。
2.受容の原則・・・クライエントの考えを頭から否定せず、どうしてそういう考え方になるのかを理解すること。ただし道徳や社会のルールに反することまで何もかも受け止めるということではない。
3.意図的な感情表出の原則・・・クライエントの自由な感情表現を認めること。否定的な感情や独善的な感情など、表に出しづらい感情も出すことで、クライエント自身が自分の問題に気付きやすくなる。
4.統制された情緒的関与の原則・・・クライエントの感情に飲み込まれないように、ワーカーが自分の感情をコントロールしていくこと。
5.非審判的態度の原則・・・クライエントに対してワーカーが善悪の判断を下さないこと。クライエントの問題を解決するのはクライエント自身なので、善悪の判断についてもクライエントが自分で行うのが理想。
6.利用者の自己決定の原則・・・クライエントの行動を決定するのはあくまでもクライエント自身。ワーカーがクライエントに命令したり指示したりしないこと。
7.秘密保持の原則・・・クライエントの個人情報を守り、プライバシーに配慮すること。
机上の論理としては7つともごもっともなんだけどね。医療の場合、「6。利用者の自己決定の法則」のあたりが論議の的かも。
最終的には利用者、というか患者本人が決めることなんだけれど、情報は的確に出してほしいし、主治医自身のベストチョイスを常に示してもらいたい。
つまり「僕は(こういう理由で)この治療が一番いいと思う」って。
病気の進行度合いによっては、主治医のベストチョイスが必ずしも患者と合致はしないかもしれないが、まずは示してくれないとどうにもならん。
と、言うことで、イラッとしながらも手術は5月に決まった。これも日帰りに行う手術であるけれど、私は入院することにした。
理由は目は2つあるので。通院で行う場合、まずは片目を手術し、1週間間を開けて、もう片方も手術する。手術の翌日は外来受診しなければならず、通うのが面倒なので病院の近くにホテルを取ろうか、と思っていたが、入院だったら、一週間で済むらしい。
自宅近くでも白内障の日帰り手術をやっているクリニックはあるんだが、糖尿病だけじゃなくてガン患者になってしまったので、すべてのカルテがある大学病院で行った方がいいだろう。
なかなか、病院との縁が切れないなあ。