オホホ祭りの夕刻

ころちゃんはご主人と一緒に

熱田さんの森に入った

 

境内にはすでにお祭りを見にきた人たちが

たくさん集まっていて

ちょっとだけ浮ついた空気が

漂っていた

 

夜の19時

 

神職さんたちが

ぞろぞろと宮庁から出て

神楽殿の前の広場に並びだして

お祭りが始まった

 

これから神職さんの行列は

森の中の神社を回って、おーほっほほと笑う

 

提灯をともした神職さんたちの

幻想的な姿

闇夜に浮かぶ

神秘的な境内と笑い声

を楽しむ気満々

 

・・・はずだったんだけど、、、、

 

はじまるちょっと前から

変だった

 

神職さんたちが正面にぞろりと並んだ

神楽殿から、、、、、

黒くて大きくて濃い気配の

なんかが出てこようとしてる。。。

 

あーーー。。

あかんやつ

 

儀式が始まると人が集まってきて

小さいころちゃんは

お祭りの様子が

全然わからなくなってしまった

 

神職さんたちは広場で何かしているらしく

行列は動かない

 

人で何もみえないんだけど・・・

なんか、空気が変わっちゃった

鎮守の森がいつもと違う

何かの気配が充満して

怒ってる?・・・

 

ちょっと怖い

 

やばいよーと思っているうちに

神職さんたちが動き出した

案内の人の指示に従って

観客の塊は

神職さんたちの列を追って

森の中を大移動

 

お客さんたちみんな、非日常で

ワッとなってて熱気がすごい

 

でもそれより

森のピリピリがすごい

周りが濃い「霧」に覆われて

位置がわからなくなりそう

ちょっと息も苦しいくらいに濃い

 

多分、自然の霧じゃない

 

まずいよ

まずいよ

 

幸い、たくさんの人の生気が

バリアになってくれた

 

ころちゃんは人混み苦手なんだけど

これはみんなと動くしかない


でもね、

神職さんたち

びっくりするくらい

足はやいの。。。

 

提灯の灯りで浮かび上がる

装束の行列を

ダンゴムシになって追う観客

 

足元暗いし

集団での早歩きめっちゃ怖い

 

離脱したいけど

森の「霧」が濃すぎて

集団から離れらんない。。。

 

「霧」を見てた人はころちゃんだけではなくて

「土煙すごいんだけど/スマホ汚れちゃう〜」

「えー?そう?」そんな女の子たちの声も聞こえた

 

違う、土煙やない

瘴気や・・・・

 

 

森はめっちゃ広い

 

ようやく

西門を抜けて最初のスポット

 

行列は影向間の前までやってきた

何かをやった後

ピヨよ〜って笛がなり

神職さんのおーほほっていう

笑い声が響いた

 

すると

さっきまでの

「霧」が少しだけ晴れて

空気がやや軽くなった

 

あ、ちょっといいかも

 

行列はその後も

めっちゃ早足で

鎮守の森の中を歩き、

神職さんたちは

神楽殿→八剣宮→清雪門

順番で笑った

 

神楽殿で笑うと

あの黒くて大きいモヤモヤ(開始より大きくなってた)が収まった

封をされた感じ

 

笑うたびに

「霧」が薄くなって

清雪門に向かう道のあたりでは

空気はすっかり軽くなってた

 

ホッとした

アレ?

清雪門がいつもより

大きく立派に見えるよ・・・?

ま、いっか。

 

行列はスタート地点に戻って

お祭りは無事に終わった

観客たちはバラバラと解散

 

次の日も

剣にまつわるお祭りがあると

案内の人が入っていた

神職さんたち大変だなぁ

 

そんなわけで

初めてのオホホ祭りは

濃い体験でした