川柳 木馬 138号古谷恭一)が届いた。


 旗 巻頭言   一塵窓  畑山 弘

     オノマトペの魅力

       感触、感覚、情景を直感的に伝えられる利点

       表現の画一化という欠点。ボキャブラリーの貧困で

       文章がみすぼらしくなる。


 旗 作家群像    山崎 夫美子

       托鉢の椀の深さを知るさくら

       合わせ鏡に蝶閉じ込めている輪廻

       観覧車ゆっくり地上を眠らせる

       ふるさとを広げてみれば星の村

       蝉しぐれ敬語遣いの夫婦ゆく

       冬のうろこは微熱のようにつきまとう


 旗 天平の風    杉山 夕祈

       夫美子作品から

       無意識に過ごすその産土が人格の形成や情感を育む。


 旗  近詠 木馬座

        議事堂の上にキリンが首を出す    一葉

       死は不意に卵とじなら午後0時     富恵

       散り際の花はエロスの匂いする     良子

       疑問符へいただく冷感タオル      万貴

       葉桜になって痛みを訴える        久子

       さるすべりの花が不真面目に咲いている 善江

       一さじの粥そろそろと血に染めよ     美恵


 旗 木馬座鑑賞     堺 利彦

       「この句は、解るけどつまらない。しかしこちらの句は

        解らないけど面白い。」

      全日本川柳大会の文部科学大臣賞

        人間の森に絆という根っこ     与志魚

      倫理臭がぷんぷんして解るけどつまらない。



   川柳 木馬 は解らないけどじつに面白い柳誌だ! 紋章