一人暮らしの思い出 | 浜の寅をのブログ

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酒場放浪記
アラフィフです
仕事に趣味や株式投資まで

 
生まれて初めて一人暮らしを始めた日
 
 
あの日俺はいったいどんな気持ちだったのであろうか
 
 
当時を遡ってみる事にした
 
 
 
 
1990年代
誰も知らない街で一人暮らしを始めた俺
 
 
まだ携帯電話が普及する前で
四角いポケベルひとつだけ持っていた
 
 
 
ズボンはヨコジマが流行ってたし
男子の髪型は金髪やロン毛が多かった
 
 
 
ベルが鳴ると
部屋を出て公衆電話を探した
 
 
まだ数字しか打てないころだった
 
 
 
 
メールすらまだ世に出てきてないころで
もちろんラインもない
 
 
 
 
携帯電話は一人暮らし始めた翌年くらいから
販売され始めたが学生の身分ではまだ持てないくらい高価だった
 
 
 
 
そんな時代に
誰も知らない街で一人暮らしを始めた俺
 
右も左も分からなくて
きっと不安だったと思う
 
 
 
 
 
部屋の広さは
今思えばまさに1Rの15㎡
 
 
 
ドア開けたら生活空間丸見えな部屋だったが住めば都とは正にその通りであった
 
 
 
 
そんな部屋で
一人暮らし始めて
初めて話したのが新聞勧誘のおじさんだった
 
 
 
ドアを閉められないように
片足を入れてきたのも初めて見た
 
 
 
漫画か吉本で見るような小技を
使うおじさんだ
 
 
俺はまだそんな無礼な態度にも反論出来ないくらいの若造だった
 
 
 
 
この勧誘のおじさんに
5000円くらいの商品券か商品かを持たされて内心そりゃ嬉しくなって無理やり新聞を取ることになった
 
 
 
入居してすぐだった
まんまと騙されたんだな
 
 
 
 
一週間ほどして解約しようと
配達してくる新聞屋に電話して
親に反対されたと伝えたら渡した商品を返せと言われた
 
 
それが嫌なら新聞代金を払えと言われた
 
 
 
俺は知らない街でのトラブルに巻き込まれたと感じた
 
 
 
 
 
次の日、その勧誘のおじさんがまた家に来て
学生さんとは知らなかったと。
 
 
解約はしないで良いので
そのおじさんが新聞代を毎月払ってくれると言った
 
 
 
自分では分からないまま
話が進んでいった
 
 
 
結局俺は
4年間新聞は無料だった
 
 
 
天声人語なる
編集手帳だけは読んでいた記憶がある
 
 
 
そして毎月
おじさんが自腹で支払ってくれた新聞代の領収書がポストに入っていた
 
 
 
それからは
授業とバイトであまり家に帰らなくなっていたので
その後おじさんに一度会ったかどうか
 
 
 
就職が決まって部屋を出る時
新聞屋に連絡しておじさん宛に御礼を伝えた気はするが確かでは無い
 
 
 
 
あの時のおじさんの
顔は忘れたけど
ドアに入れてきたおじさんの片足だけは覚えてる
 
 
 
 
33年前の話しでした
 
 
 
 
 
tora