三筋家の子供となった(養子縁組)隆元と元春は、爽子の提案で、猫を飼う事になりました。本編の中でです。
裏庭をうろうろしていた野良猫が居たので、吾郎が拾ってきてお世話をしてます。
面倒だから、家庭内だから、ごろたんとさわこでいこう。
ごろたんが仔猫を綺麗にしている時ですが、さわこ、隆元、元春の3人が名前の点で異次元な会話をしていました。
ごろたんが収拾がつかないと考えて、ドイツ語で猫のことをカッツェと呼ぶんだという話をして、ここでドジ前田さん(ごろたんとさわこの部下となっている中年女性)が実はきほら一族のばるさん(堂上誠志がそう呼んでいた)だと判明しましたが、
隆元は『渇』、元春は『喝』と言い直しているのは、
隆元は義務しか知らなかったのに自由という権利を手にした男子高校生だから。
つまり、喉が渇いたとなれば自由に水分が取れるみたいな感じの、渇。
元春はきほら能力最高峰の持ち主(元就が最高峰だった堂上誠志のきほら能力を更に上げてしまったため)なので、喝としているのは脅迫的な意味合いでもあります。
さわこもさわこで全部がごろたん、としか言わないので、
ごろたんはため息。
「もうねこでいいだろう」
となり、猫の名前はねことなりました。
その後の話です。
これは元春。
どうしても隆元は笑顔を見せるようになっていてもこのまま。
元春が学校から帰って来ました。
「元春、緊急事態発生だ、人生最大の危機の到来だ」
「兄さん、何がどうしたんですか」
「ねこが自由に外へ出掛けたきり既に5分も戻って来ない」
「兄さん、兄さんがねこを外に出したのでは?」
「ああ、実はねこが窓の外を見ていて、自由を求めているように見えたから窓を開けた、そうしてねこは自由を求めて出掛けて行った」
「兄さん、それはただねこを兄さんが外に出してしまったというだけです、ねこは今頃本当に危機を迎えているかも知れません、交通事故とかに遭遇していたらどうするつもりですか」
「!!」
「捜しに行きましょう、5分前に出したとなればそうは遠くへ行っていません」
実はこの日、たまたまなんですが、無動君と元就君と俊樹君が東京に来ています。
「あ、猫だ、うわ~可愛い、よーしよしよし、いい子だね~」
さっすが元就君は猫を育てるにはプロです。
「すげえわ、猫がもう杵柄の虜だわ」
「すごく可愛がられてる子だね、目がすごく優しいもん、あ、きっとご家族が捜している筈だよ、迷子センターに連れて行こう」
「近くに交番があるからそこに預かって貰うしかないな」
という感じで元就君達が交番にと預けていたりします。
すれ違いでとなりますが、
隆元と元春が交番からそのねこをお返し頂くという状態です。
「よかったですね、親切な方がいたんですよ」
「一時は心臓が止まるかと思ってしまった」
「兄さんが一番ねこを可愛がっていますからね、でもねこをもう外に出したら駄目です、今回はたまたま無事でしたが次はどこかで死んでしまうかもしれません」
「了解した」
「それとですね兄さん、1つ大切な事が」
「何だ」
「学校を欠席する理由が『ねこの自由を見届ける為』ではどうにもなりません」
元春が真面目です。
「しかし」
「兄さんがこのまま学校を休み続けると、『学校に通う義務を果たしていない不良生徒、素行不良扱いを受ける生徒の義務を受ける三筋隆元』となってしまいます」
「!!」
隆元は自由ばかりに執着するあまり、そしてねこを可愛がるあまりに学校へ行っていない男子高校生です。
そして義務を嫌悪としている男子高校生です。
元春は説明担当者でもあったので、隆元の欠席理由をちゃんと毎回別にとして欠席だと伝えていたのですが、さすがにもう欠席理由の限界です。
「仕方あるまい、ねこ、共に学校に行こう」
「兄さん、ねこは学校へは連れて行けません」
「しかし」
「ねこに学校へ行かせる義務を背負わせるつもりですか」
「!!」
「致し方ない、ねこ、すぐに戻って来る、無事でいろ」
「早退もし続けるとかなりヤバい生徒としてのいろいろな義務を担うことになります」
「!!」
こうして隆元は学校へ真面目に通う事になりました。
元春も安堵です。
それで学校の中、での2人ですが。
「きゃー!!隆元君久しぶり~!これ、お弁当作って来たんだ、食べて~!!」
「え」
隆元はモテモテです。
堅物男子でもありますが、相手の自由的な要素を見つけると微笑しながら、
「自由奔放で素敵ですね」
と言っているのが常だからです。
イケメンが微笑しながら、素敵ですねとか素晴らしいですねとかいいと思います、
と言い続ければ自ずとファンが出来ます。
「元春君も食べて~」
「おい、元春には俺の弁当を今日こそは食ってもらうんだぞ」
「いやよ、私の方が先!」
「昨日は私のだったんだけど今日もほら!!」
元春もまたモテモテです。
常に笑顔で、
「皆さんて愛の化身ですね、毎日」
とか言っているからです。
とにかく愛、愛、愛、という元春なので、
優しい対応をするようになっていて、特に男子の恋愛事情の相談とかにも興味津々、
女子の恋愛事情の相談にも勿論興味津々、
つまりは男子からも女子からも愛されてしまっているので、
学校=愛ばかり、となっていますね。
授業中。
「(今頃ねこはきっと自由を求めて窓の外をまた見ているだろう、そして自由気ままにと昼寝をする時刻になり自由満喫として昼寝をする)」
隆元は自由、自由、自由、そしてねこ、ねこ、ねこ、という頭です。
「(すごいなあ、ここにいる皆さんは全員親からの愛があって生きて居るんだ、いいなあまさに愛の化身じゃないか)」
元春は愛のことばかりを考えているのでこんな感じです。
でも、元々が元就とステイタスが同じなので、勉強は出来ます。
絶対に試験となれば模範解答で解答する2人は同点、満点での同点で怒涛の1位を獲得するのも当たり前です。
しかし2人は頭が勉強を優先していないので、
その謙虚さ、鼻高々~とか威張るとかえっへんとかというのは皆無なので、
ますますファンが増えていくという感じです。
それで家庭内となりますが。
「お父様はお母様をいつから愛していたんですか」
元春が恐怖というごろたん。
「父上は母上と自由気ままに逃亡とかを計画しなかったわけですか」
隆元もおかしなことを言ってごろたんがくたくた。
「父上、実はあの前田さんにお逢いしたいのですが」
「前田に?何か用事でも?」
「はい、前田さんはまさに自由奔放として素敵だと思ったので、その自由というもので共に語らってみたいと思ったのです」
「いや、前田は、今、フランスにいるから、無理だ」
「ならば俺がねこと共にフランスまで行きます」
「いや、学校に行っていてくれないだろうか、たまに前田が日本に来る用事がある、その時に逢わせる、だからねこも連れてとかは、諦めてくれないか」
「致し方ない、ねこ、残念だな」
「お父様、教室の中も学校の中ももう世界が愛の化身です、どうしたらいいでしょうか」
「…どうしたらいいんだろう」
「仕方ないです、お母様に尋ねます」
「え」
元春がさわこに尋ねます。
「お母様、教室の中も学校の中ももう世界が愛の化身です、どうしたらいいでしょうか」
「全員ごろたんだと思えばいい」
「そうですね、そうします」
「ちょっと待ってくれないか、僕はここにいるたった1人なんだが」
「僕はごろたんだ」
さわこは自分はごろたんと同じと考える感じです。
「いやだから、君は僕ではない」
「僕だけがごろたんだ」
「なら僕が存在していないことにならないだろうか」
「!!」
さわこはごろたんが大好きです。
「…」(がっくしというさわこ)
「ああ実はこれ、録画しておいた朝のあのドラマだ、皆で見よう」
「おお、」
さわこは今、ごろたんの影響もあっていろいろな映画とかを見ています。
韓流ドラマとかも見ています。
この時見ていたのが、『恋心は玉の如き』という華流ドラマです。
なので、ごろたんとさわこのイメソンが、
三筋吾郎『片尾曲(落墨)』で、三筋爽子『錦心似玉』となるわけです。
三筋隆元が『風になりたい』、三筋元春が『さよならエレジー』ですがね。
でも、きほら一族だったという時の三筋吾郎のイメソンは、
『桜が咲く頃、交わした約束。』という歌で、
堂上誠志のイメソンが、『ワタリドリ』という感じでもあります。
ごろたんは真面目なので普通にこういう感じ。
堂上誠志はめちゃくちゃかっこいいぜという状態の時はまさにこれだろ、
という歌として選抜という理由もありますが、
渡り鳥という意味でも選抜していました。
そうして三筋家はドラマや映画を見ていたりします。
勿論、隆元はねこを抱いて寝ます。
「ねこ、俺は明日学校に行かないでねこといるからな」
というのも朝になれば、義務に関する事で元春に説得され?隆元は渋々学校に行きます。
「しかし何故あの2人には昼食不要なのだろうか」
「知らない、きっと僕のごはんがまずいんだ」
「いや、それはない」
「ああそうか、ごろたんはごはんが上手だ、だから僕もごはんが上手だ」
「そう」