真剣な話だというのにこんな顔にしてしまいたいのだ。

 

今江俊樹君は防衛大学校を受験します。

推薦採用試験というのは、高校の校長先生から推薦があれば出来る。

成績優秀かつ生徒会活動、部活動で顕著な実績を収めた者、という条件で、

俊樹君は水泳部部長としてすっごく有名人なので(鬼部長となるくらいだから)、

成績優秀という面でもアリ、部活動でというこっちがでかい。

 

でも保険として一般採用試験に先に出願しているのは、やはり五馬無動君と同じで確実に進学を果たす為には努力努力というやつです。

手を抜かない。

 

推薦採用試験ですが、受付となるのが9月5日木曜日から9月9日月曜日、とこれまたすげえ短期間です。

しかも推薦採用試験となると、今江俊樹君が出願とするわけではなく、

最寄りの自衛隊地方協力本部が学校から徒歩で5分くらいの場所にあり、

合同庁舎という建物の2階なわけですが、

郷戸先生のことだから絶対に徒歩で行くわ。

必要となる書類は、

志願票、自衛隊受験票、調査書、推薦書(これは防衛大学校の所定の書式)、返信用封筒(長形3号で返信用切手を貼り、宛先も明記)となります。

 

防衛大学校の受験となると方法が3つあります。

1つ目がこの推薦採用試験。

2つ目が総合選抜採用試験といって、自薦というもの。

3つ目が一般採用試験となり、これは文部科学省が設定している入試区分の一般選抜に相当する試験なので、普通の大学とあまり変わらないねという試験ですね。

 

ただ、1つ目と2つ目を併願とするのは不可能です。

1つ目と3つ目を併願とするのは可能です。

 

なので今江俊樹君は、推薦採用試験も受けるけれど、やばいとなったら一般採用試験で頑張らないとという保険のようにとしているわけです。

受験生はいくつも大学を受けるんですが(日程が被らなければ)、

第一志望のみを受験するというのが、今江俊樹君と頼成元就君と五馬無動君となるわけです。他の面々もそうなのですがね。

 

まず、推薦採用試験が先に試験となりますので、9月21日土曜日と9月22日日曜日で受験です。

試験場は受付時の本人の希望により決定されるので、

今江俊樹君は防衛大学校でと受験します。

神奈川県にあります。

なのでオープンキャンパスに行く時も下調べとかはばっちりですよ。

五馬無動君並だね。

 

で、防衛大学校となると2つ、学部のような専攻というものがあり、

今江君は「人文・社会科学専攻」という方を受験します。

 

学力試験と口述試験と身体検査で選抜されます。

 

(学力試験)

50分かけて英語です。

英語コミュニケーションⅠ、Ⅱ、Ⅲ、論理、表現Ⅰ、Ⅱ、Ⅲとなり、

マークセンスとありますが、マークシートと同じかな?

 

続いて60分かけて小論文です。記述式ですね。

 

もしもう1つの理工学専攻としたのなら、ここに数学Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、A、B、Cが加わり、

Bは「数列」が、Cは「ベクトル及び平面上の曲線と複素数平面」のみがでしゃばります。おまけに理科で1科目選択となり、物理基礎・物理(原子を除く)もしくは、

化学基礎・化学の試験が登場します。

 

口述試験というのは、集団討議及び個別面接ということでこれは指定日があるみたいだ。9月21日か22日かという感じ。

 

身体検査というのは身長と体重、視力、色覚、聴力、歯、尿検査と胸部X線、

それと慢性疾患があるかどうか、

開腹手術の既往歴があるかとか、これはヘルニアとか盲腸という感じなら大丈夫、いれずみがありますかねとか、自殺企図既往はありますかとか、精神疾患がどうのというのも判断とされます。

慢性疾患となれば、気管支喘息、アトピー皮膚炎、腰痛、脊椎疾患に関わる手術が2年以内にあったかどうか、てんかん、意識障害の既往歴、過度の肥満症、高血圧症、低血圧症という感じ。

 

ただ、手術歴がどうのというところは例の頭部殴打事件で頭部を8針も縫った事がという被害者状態の手術歴がある、外科的処置、脳外科的処置だけれど、

でもそういうのもちゃんと問診票に記載して、身体検査の時にもちゃんと申し出るとなればオッケーです。

 

身長とかもちゃんとそれなりな基準があります。

合格基準というものがあります。

今江俊樹君は身長がその表でとなると、176センチから~という部分で、

体重も56キロ以上という感じ。86.5キロを超えるとやばいらしいが、

今江君はスリム体型ですよ。

ちなみにあの仁科瑠璃もこの身体検査をしますが、身長が158センチ~というところで体重が44.5キロ以上となればクリア、64.5キロを超えるとやばいらしい。

 

視力となれば、両側裸眼で0.6以上あればよし、矯正として眼鏡とかをしていても0.8以上あればよしというのは、車の免許に似ている。

 

色覚というのも色盲とか強度の色弱でなければいい。

聴力も正常ならばよし。

歯も治療してあればオッケー。

 

この身体検査の時にはTシャツと短パンを用意してねとあるので、着替えるわね。

 

それと、陸、海、空という各自衛官要員決定となる2年生に進級時、飛行要員、パイロットとなると適性判断のための航空身体検査というものが別個にある。多分これ、今江君はちゃんと確認するはずだね。

 

合格発表となると10月25日金曜日。地本(地方協力本部の略称)HPに掲載、

勿論、防衛大学校正門前にも掲示とされる合格発表なのだが、

合格通知書も入校確約書というものが入って届くのだが、

何にも連絡がないんだよね、とか、ホームページはちゃんと見てねっていうのは、

連絡が無ければあんた不合格だから、というちょいと冷たい対応だ…。

そういう面接をするっていう会社は今、すげえ多いんだぜ。

 

で、今江君はこの推薦採用試験で合格してしまうので、勿論、一般採用試験を受験するという事がなくなります。

入校確約書も11月15日金曜日までに送付となっているので、

きちんと出してしまいますね。

 

で、その後となるわけですが。

 

着校という時期が4月1日です。ここで再度、身体検査が行われます。

そして入校です。

 

学生身分として、『特別職国家公務員』となります。

勉強しながらお金を貰えるという学校なわけですよここ。

 

手当というのはお給料のようなもので、今のところ、13万1300円貰えるそうだ、

多分これは月に1回。

期末手当というのもあって、6月と12月にある、ボーナスだね。

週休二日制で、年次休暇もあり、特別休暇などもある。

被服や食事は貸与または支給となり、実はこれ、すごいんだけど、

入学金と授業料も納入無しというすっごい学校だ。

 

学校生活となるとまさに分刻みです。8名で1部屋という学生寮生活です。

 

午前6時起床

6時35分に朝食

8時10分に国旗掲揚、課業行進、課業開始

8時30分、午前中の授業

正午の12時に昼食

午後13時から午後の授業

16時15分から校友会活動

17時に課業終了で国旗降下

その後入浴

18時15分から夕食

19時30分から自習

22時30分消灯

 

外出と外泊にも決まりがあります

平日は原則、外出不可

外泊は1年次は不可だが、

2年次には週末に年11回

3年次には週末に年16回

4年次には週末に年21回

と外泊が可能になってくるが、今江君は帰省しないだろ。

 

一応、第73期防衛大学校本科受験、としました。

推薦採用試験とかにも応募資格があり、

今江君の場合として調べたので、高卒見込み、21歳未満かつ推薦要

一般採用試験も、高卒見込み、21歳未満とか

 

募集人員ですが、

推薦採用試験で、「人文・社会科学専攻」となると、

男子約25名、女子約20名です。

「理工学専攻」となると、

男子約115名、女子約30名となり、合計で約190名となります。

 

一般採用試験となると、

「人文・社会科学専攻」では男子約35名、女子約10名、

「理工学専攻」では男子約165名、女子約30名、合計で約240名となります。

 

ただ、今江俊樹君が何故「人文・社会科学専攻」を選択しているか、は人数ですね。

それに推薦採用試験でも理工学専攻としていても、

数学が追加とか理科が追加とかとなっても、勉強ができる今江君には痛くも痒くもないのだが、やはり人数制限というところですわ。

明らかに募集人員が少ないところにってわけなのでかなりの競争率ですが、

安全な道を行かないという理由はまだ隠れてますね。

 

ちなみに仁科瑠璃は一般採用試験です。

しかも仁科瑠璃は「理工学専攻」なわけなので、女子約30名という大所帯を選択していますが、逃げているわけではない。

一般採用試験となると1次で学力試験、2次が口述試験(個別面接)と身体検査。

理工学専攻だから、受験する科目も今江君より多い。

1次試験は各都道府県所在の担当地域ごとに最寄りの地本が受験票で通知してくる。

2次試験も、札幌、仙台、守山、伊丹、海田市、善通寺、福岡、健軍及び那覇とか各駐屯地で実施予定。

仁科瑠璃も水泳部でエースだったんだからさ、となるけれど、

ほらあの…将棋部をぶっ潰したとかというあれ…

あれがちょい効いていたりする。部活がまだ強制的に加入という時代だったから、

ダブルブッキングというか、将棋部にもいて水泳部にもいたというあれは、

ちょい、校則的にやばかった。

仁科瑠璃はそんなに成績優秀ではない。

情報科学部の女子でもあるし、今江君は総合進学部でまさに進学組だけれども、

じゃあ何で難関っぽい受験してんのというのは、

ふふふ、

今江君に教わりたかったんだろ?るりこ…

 

仁科瑠璃は着校という時もだけれど、身体検査で、女子ならではという、妊娠反応検査というものがある。

大丈夫だ!今江俊樹が恋愛スキル皆無、いや、底辺から少し上になった、くらいの感じだからさ!!

 

で、あれよあれ、

「帽子投げで有名な卒業式」

 

あと、今江君からの情報となってしまうんだが、

 

「瑠璃ちゃんが楽しみにしてるってのが1年次の共通訓練だね、

各個戦闘訓練、武器取り扱い、射撃、野外勤務、救急法、教育法、部隊研修業。

2年次以降となると専門訓練が来て、瑠璃ちゃんは陸上要員訓練としてね、

戦闘訓練、小銃及び拳銃射撃、野外勤務、通信、野外衛生、部隊指揮運用、部隊実習、

もうそれしか頭にないんだよきっと」

 

で、ちなみに今江君は航空自衛隊希望なので、

共通訓練は同じ、

でも専門訓練というのが、航空要員訓練となるので、

滑空機訓練、部隊実習(航空機運用部隊、高射運用部隊、警戒管制部隊とか)、

体験搭乗とか、をこなす。

 

多分、今江君は8月25日に元就君と無動君と行く、航空自衛隊百里基地でのイベント、オープンベースというところで衝撃を受けると思うんだ。

 

百里基地っていうのは、首都圏に所在すえる唯一の戦闘航空団で、戦闘機運用の編成部隊を擁する基地。1千数百名の隊員が24時間365日、不断警戒態勢にあたり、日夜練成訓練に励む、災害発生時には人命救助や航空輸送も行うという基地なのです。

 

あとですね、この自衛隊関係のホームページとかを見てしまうと、あああああとなる。

かっこいいんですよ。

 

「持っている価値観は違う、だからこそ多様性が生まれる、守りたいものは人それぞれ、違うのは当たり前だ。

だって持っている価値観が違うんだから、大切にしている価値観が違うんだから」

 

「わたしは私の価値をまもる、わたしは私の道を行く」

 

か、かっこええ…

 

でも実は、ハーバードを調べていた時の方がマジで感動したんだよね…

 

でもさ、今江俊樹が航空自衛隊で人命救助というか、ちょいと五馬無動が医者になるけど似たようなことしてないか?と思った。

まじで医者は人命救助なんだけど、災害時派遣というのもそう。

でも航空自衛隊ってすごいんだよ。

 

例えば仁科瑠璃が陸上自衛隊希望っていうのは、

14万人を超える隊員が日本の平和と独立を維持するために日夜任務に取り組んでいる部隊で、万一、国土への侵略行為があった場合には防衛の中心的な役割をこなす。

つまり、陸上自衛隊こそが自衛隊の中で最大の組織となるんだ。

陸上自衛隊はGSDFという名称でもある。

海上自衛隊はMSDF。

それで航空自衛隊はASDFとなっていて、

現代戦において航空作戦は戦いの勝敗を左右する重要な要素、航空優勢を獲得して国民と国土の被害を防ぎ、平時においても日本領空を侵略する航空機や弾道ミサイル等の脅威に対し警戒態勢をとり、侵略を未然に防止する。

 

海上自衛隊もすごいんだけど、まさに要という陸上自衛隊に仁科瑠璃が、

それで予防的じゃないけど未然に危機を防止するという航空自衛隊に今江俊樹が、

というのはすっごいことだ。

 

自衛隊にも陸上自衛隊なら16の職種と活躍の場が多い、となっていて、

航空自衛隊も約30の職域と活躍の場がある、

海上自衛隊も約50の職域と活躍の場があるんだけど、

国防というのが使命という仕事だから、命懸けで国民を守るっていう2人はすごい。

 

それと今江君は言うのを忘れるかもだけど、

防衛大学校を4年で卒業する、

その後約1年、39週となっているんだが、

幹部候補生学校に行って卒業となると、曹長任命。

その後、3尉、2尉と昇任していって、まじで幹部になっちまう。

 

奥が深いんだよ、自衛隊…。