ひとまず、誕生日おめでとうと言ってみましょう。
1人目。杵柄元就君、ゴウ。
「あーつま、誕生日おめでとう~」
元就君は篤麻を弟としてめちゃくちゃ可愛がっています。
「あ、兄さん、実はびっくりしたんだよ」
「ん?何に?」
「戸津先生とこの間、本屋さんの前で逢ったんだ。戸津先生を知っているよね」
「うん、数学の先生だよ」
「そうなんだ、でもその時戸津先生が買おうとしてた本が、漢検2級の参考書だったんだよ」
「そ、それは大変だ!」(過激思考、過激対応をする元就君)
「つまり、戸津先生は数学を捨てたんだよ…」
「篤麻、一緒に考えよう、戸津先生を数学教師に戻す為に!!」
「そ、そうだね!やっぱり兄さんは優しいよ!!」
(ツッコミ役がいないので誕生日の話はすっ飛ばされた、戸津先生の参考書話題に)
2人目。五馬無動君、ゴウ。
「あ、そういや7月7日って篤麻の誕生日だろ、杵柄から聞いてたんだよ」
「五馬君、大変な事が起きているんだ」
「え、何が」
「戸津先生が辞めてしまうんだ!!」(元就君の過激台詞を鵜呑みにしたんだね)
「ああ、辞めたければ辞めればいいんだよ、そして次の仕事を探すとか放浪の旅に出る
とかそれは戸津先生の自由、戸津先生の人生を俺達がどうこうすることはない」
「ああそうだね、俺は戸津先生じゃないからね」
「で、今日なんだけど」
「あ、まずい、兄さんが説得しなければって行ってしまったんだ!止めるべきだね!」
「あ、おい…誕生日とかどうでもいいお年頃なんですかー」
元就君のおかしな行動、で誕生日おめでとうの話はすっ飛ばされました。
3人目、今江俊樹君。
「おお、篤麻、今日誕生日だろ、おめでとうな~」
「ん?ああ、そうだ、俺は7月7日が誕生日だったよ今江君」
「これでちょいと俺達と同い年になったな、じゃあな~」
「ありがとう今江君」
え、普通に通じた…!さっすが今江君だ!
4人目、何故かこの3人。
「あ、篤麻!」
「ん?あ、澄さん!」
澄可憐という女子は日頃から篤麻に保健係対応でとてもお世話になっています。
「篤麻!誕生日おめでとう!そして今月も頼む!」
「分かったよ澄さん!次はC表ルートで行くからね、頑張るよ!」
「ありがとう!篤麻!」
「何のこれしきだよ!」
保健係対応の話ですっ飛ばされたぜ…。
5人目、鳥栖創始。
「あ、もしかして五馬のクラスの神保君じゃない!?」
「そうだけど」
「急いでるとこ悪いんだけど、暇、知らない?」
「暇?」
「そう、暇」
「暇、暇が」
「暇がどこにあるのか知らないかなって」
「え、ええと、暇っていうのは、ちょっと何も予定がないような時間帯とか一瞬とか、少しぼけっとしたりする、」
「そうそう、その暇」
「…ごめん、きっと俺は君の役に立てない」
「ああいいんだ、気にしないで!俺が自力で今捜してるところだからさ!じゃあね!」
「あの人…誰なんだろう…」
鳥栖君からはどうしても『暇』という単語しか出てこなかった。
誕生日がどうのという話ですらなかった。
お、おめでとう篤麻!!
ちょっとは自分に興味を持ってくれ!!