ネタバレだぜ☆無動君!! | 天明今生・鈴音詠唱

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オタクという名の崇拝者です、
そして愚痴などを呟き、叫び、
日々を生きる糧としたいです。

元就君からの電話、の件です。

さすがに策士という無動君でもこればっかはどうにもならなかったんですね。

じゃあ、ネタバレだぜ!オタク無動君!!

 

無動君、ぷんすこぷんすことしながら『打倒クソ今江』としながら荷物回収にと向かっています。その道ででの話です。

 

「…ん?ああこれ、今江の」

元就君が無動君の横で、

「ああええと今江?今江だよねこれ」

と元就君が喋ってます。

無動君、ん?と隣を見て、ぎょっとなりました。

「ああうん、分かった、ああ五馬は大丈夫だった、うん、そう、死んでなかった」

ふっつーに元就君がスマホで電話してました。

 

「…おいおい、今の一連の流れの説明をしてくれないか」

「ん?一連の流れ?」

「あーその、スマホ使って電話してるように見えたんだけど俺の目が腐ったのか」

「ああ今の今江からだよ、今江と話が出来る数字だったから、それで今江と話してたんだけど」

「ん!?」

「だからその、五馬と話が出来るって数字はこれ、あと今江と話が出来るっていう数字がこれ、さすがの俺でも数字の違いくらいは分かるんだよ」

「話が出来る数字」

「そうそう、さっき五馬と話が出来るっていう数字を使った、だから五馬と話をした、それでああまだ死んでないなあって確認出来たんだよね」

「…あ、あのさ、電話ってやつが、分からない」

「分からないよ」

「で、スマホってのが、分からない」

「分からないね、すまほはきかいだから」

「じゃあ、さっき俺と話が出来る数字を使って俺と話をした、というのは現実か」

「うん、だからこその生存確認が出来たんだよ」

ぐったり、と無動君がなりました。

 

「そういや前にインスタやってたとか言ってたよな」

「あああれはね、猪瀬先輩がすまほに何かしてくれて、それで保護猫の紹介とかしてたんだよね、それでふと、ある時だよ、コメントってやつに気が付いて、しかもそれに返事が出来るって分かったことがあったんだよ」

「ああうん」

「すごかったんだよね、数が。もうめっちゃくちゃだよ、ああこれヘブライ語だよなとか、ギリシャ語とか、ああでも返事が出来るって分かったから、それで皆さんと会話が出来たんだよ、確かすごい長い文章でって人がいた、あの人が使ってたのは古代文字だったよ」

もはやおかしいぜ元就君。

「それ、どうやってその返事ってのをしてたんだ」

「ぱそこんでだよ、ぱそこんでほら、アルファベットがずらってあるやつ、あれをぱちぱちって打って、それで返事」

「でも結構な数だったんだろ、全員に返してたんか」

「そうだよ、だからああ世界は広いかもなあと思えたよ、だからこそ、早く返事しないとって必死になったよ」

「どれくらいの数」

「ええと、1日に10万くらいあった」

「それ全部にパソコンで返事か」

「そう」

「毎日」

「そう」

「どれくらいでその返事ってやつを出来てたんだ」

「早くしないと相手に失礼かなって思って、1時間で」

「…」

無動君、考える。

「試しにさ、俺と話が出来る数字、使ってみてくれよ」

「ああうん」

無動君、驚愕。

「(ふ、普通に使えてねえか…!?)」

勿論、無動君のスマホがマナーモードですけど震えますね。

「…あーもしもーし」

「あ、五馬?俺なんだけど」

「ああうんすっごーく聞こえてるしすっごーく分かるよ」

「ならよかった、でさ、さっき今江がね、五馬がとんずらこいたから引き摺ってでも回収してこいって言ってて、それで俺が五馬を回収しに行きました」

「ああそう、それはどうも御苦労様でした。じゃあ話、終わったので大丈夫です」

「分かった、じゃあね」

隣同士で喋ってますからね。

「でさ五馬」

「あのさ、俺、お前の目の前に居ます?」

「居るよ?見えてるし、ほらほら、こうやって触れるし」

べたべた、となってますね。

「そんで、俺と話が出来る数字、今江と話が出来る数字、はどこから」

「あれ?郷戸先生から、何かあった時はねって渡された紙に書いてあったよね、数字。クラスメイト全員の数字」

「…ああ、(緊急時連絡網か)確かに前にもらったかも」

「実は俺、生徒会長やってるから、全校生徒の数字、分かっちゃってるんだけど、でも郷戸先生がクラスメイトだけでいいって言ったから、それで覚えたんだよ」

「俺もそれで今江とかの数字ってやつを覚えたんだよ、杵柄の数字も」

「ああそうか、なら五馬は俺と俺の数字で話が出来るね、このすまほで」

「ちなみにさ、お父さんがってやつも、お父さんの数字かって感じか」

「そう、父さんってたくさん数字があるから時々迷うんだ、1個目の数字が内線、2個目の数字が外線3番、3個目の数字が父さん専用のすまほの電話番号だって」

「あー…そういう感じ(そういやお父さんって社長だったよな)」

無動君がげっそりとなりながら、あははと笑いました。

「な、何で笑ってるんだよ」

「あはは、決まってるじゃん、杵柄と喋ってると楽しすぎるからだよ」

「あ、そう?」

「そんでーできるならーもう1回ーぐぐっと俺の生存確認してくませーん?」

「生存確認?」

「見えてるかどうか確かめたいんだよ、俺はここにいるんかなって、そんでがばっと全身全霊で俺が今生きてますって確認してくれ」

「ああうん」

どがばあっ

 

この時の生存確認、ハグというのは、無動君にとってはちょっと別の意味でもありました。

「…ありがとう」