この4人での場面は本編ではすっごい大変なシーンでしたが、

今回は笑えるversionで行きましょう。後々、シリアスversionでもいきます。

 

(補足説明)

総合進学部(進学に特化した学部でマジで勉強しかしねえなという学部)の首席の座を賭けた戦いです。(首席はそのまんま、その時の最高成績者という称号です)

この時の4人の台詞等で立ち位置を確認しましょう。これは笑える要素なしで。

 

橘「僕こそが首席だ、1年の時からずっと成績が学年で1位だった、放送部でも部長、

  藤堂も天野も一ノ瀬も高瀬も僕を分かっているから生徒会長にとしたんだ、

  神保なんかに負ける筈がない、この場で格差を見せつけてやる」

 

篤麻「首席かあ、うーん、でも部活見学もあるし、副会長でもあるし、兄さんがやって

   みてって言うんだからやってみよう、それに五馬君も一緒だと楽しそう」

 

元就「どうしても解り合えないってこういうことか、なら自覚してもらうしかない、

   自分が今までどういう立ち振る舞いをしてどれだけの人を犠牲にしてきたか、

   その事だけにでも自覚を出来れば、きっと先輩も目が覚める、現実が見える」

 

無動「首席を賭けた戦いね、つーかスト先輩って何?ま、いいか。郷戸先生も約束を

   守ってくれたってことですこーしは担任だと認めてやるわ、それに俺の、郷戸

   先生だけは落書きだと言ってはいても馬鹿にしなかったしな」

 

そして、郷戸道明先生が実はすっごい人だったとばれる場面でもありますね。

五馬無動君は知っていましたが。

 

郷「じゃあ机を並べようかな、入って来た順でとしようかな」

元「郷戸先生、失礼します」

郷「あはは、やっぱり早いね、指定した時間はまだまだなのに」

元「先生、俺、まだ間違ってますか」

郷「んー、俺にはなーんにも間違ってないなあと思ってたけどね、ああそうだ、

  席順なんだけど、1つだけお願い、聞いてくれるかな」

元「はい、どういう感じですか」

郷「一応ね、ここに4人入るから、来た順番でと思っていたんだけど、それで」

元「あの、来た順番でもいいのですが、みんなの希望を優先してくれますか」

郷「あれま、同じことを言おうと思ってたんだよ、あはは、以心伝心」

篤「失礼します、あ、準備俺も手伝います、兄さんは早いなあ、ああそれと五馬君

  が一緒だって聞いたから楽しそう、でもええと、首席?その首席ってのを貰った

  として、それが、」

元「篤麻、首席のことは前に説明したと思うんだ、でもそんなものに篤麻は興味がな

  いんだから、今の、五馬が一緒だから楽しそうっていう方を優先していいよ、

  だから今日は楽しんでくれればいいから」

篤「うん、分かったよ。ああええと郷戸先生、俺、ここに来る前にしつこいなあって

  いう方々に逢いました、確か5度目です、是非ともうちへって、ああいうのって

  どうしたらいいんですか?俺、もう少し別の部活を見て回る時間を持ちたいんで

  すけど、あの方々が来るとそれがなくなっちゃうから、うーん」

郷「あの方々って?」

篤「ええと、背がこう大きくて、それで、他の人は、あああ、皆さん運動部だから、

  俺って文化部管轄だからどうしても頭がごっちゃになっちゃうから、

  うーん、何部なんだろう、せめてジャージとか部活の時のユニフォームとかを

  着ていてくれたら少しは判別可能というか、でも制服だから、うーん」

元「多分その方々って、運動部の部長さん全員だよ」

篤「ぜ、全員!?」

元「何人いた?」

篤「ええと、…28人」

元「なら運動部の部長さん全員だね、すごいすごい、あれ、文化部の方は?」

篤「まずは運動部からと思っていたから、今日から文化部なんだ、頑張るよ」

郷「そうかそうか、引っ張りだこかあ、面白いねえ」

篤「ああそうだ、兄さん、郷戸先生、五馬君が入ってこないんですけど」

郷「ん?」

元「え?」

篤「俺が今ここに入って来た時、そこの廊下の角にいたんですけど、もう先に来て、

  準備が終わってるからなのかと思ったんですけど、あれ、そうか、やっぱりまだ

  入って来てなかったんだ、どうして?」

無「失礼します」

元「あ、五馬、今日はありがとう」

無「ああうん、そんで、ああ準備ですか、なら」

郷「五馬君、好きな席を選んでいいよ、4人でちょっとした試験をやるだけだから、

  少しの時間になるけれど、前に2人、後ろに2人って感じかな、

  ここ狭いからね」

 

ここまでは同じとしましょう。そして笑えるversionなので方向が違います。

 

無「杵柄はどこなんだ?」

元「ええと、どこがいいんだ?え、決定権というかそういうの、ああでもこれはあくま

  で先輩と篤麻が主役だし」

無「郷戸先生、俺は絶対に杵柄の後ろですよ」

元「え、俺の後ろ?」

郷「うんうん、はいどうぞ。ならどうしても杵柄君が前になっちゃうね、うーん、そう

  だ、神保君はどこがいい?」

篤「え、どこ、…うーん、あ、五馬君の横がいい」

元「つまりは先輩が俺と隣同士、俺の後ろに五馬、五馬の右に篤麻、という感じで」

無「何故例の先輩が右だと先に指定してるんだ?」

元「試験官の郷戸先生が向かって右側に立つから、というだけ」

無「ああ、なるへそ」

篤「でも、指定された時間をもう過ぎるよ、橘先輩来ないよ」

無「ああ、ちょいと遅れて来るわ、今江からの情報が役に立った」

篤「え、今江君?」

無「うちのクラスには掃除当番制がないだろ、他のクラスにはそれがある、そんだけ」

篤「ああうん、そう言えば兄さんっていっつも黒板係だ、五馬君は窓係、俺は廊下を

  今江君とぴっかぴかにする、掃除当番制がないのも楽しいね」

無「それが今江の采配ってやつだな、篤麻が何故今江と同じ廊下担当か、それが分かる

  日が来たら、それはそれは楽しいだろうな」

篤「うーん、あ、でも今日は五馬君が一緒だから楽しそうだと思ったんだ、何だっけ、

  試験を受けるんだよね、先生、その試験の制約とか方法とかの説明とかはあるんで

  すか?」

郷「全員が揃ったら、にしようと思ってたんだけどね」

元「指定時間、過ぎましたね」

郷「じゃあしょうがない、省かないとね」

元「五馬、今日、郷戸先生がすっごく忙しい日なんだ、だからお願い」

無「オッケーでーす」

篤「ええと、どうするんだろう」

無「郷戸先生、終わったら速攻で出せばいい、わけですね」

郷「うんうん、助かる~」

篤「成程、うん、分かった」

 

指定時間を結構過ぎまして、橘が来ました。

 

無「(うっわ、遅れて来たってのにノックも無し、謝罪も無しってか)」

郷「橘君、君の席はここだ、それと何故遅れたかとはもう聞かないから、じゃあ配布

  するよ、4科目。総合進学部四天王と名高い先生方にも負担を掛けたくないので、

  俺が作成、採点も俺がする、すぐに結果を報告するから、では始めて」

橘「あの、どういう」

郷「試験中は私語厳禁」

橘「…くそ、」

無「(ほうほう、こんな感じか、…あーてかすっげえ、神が前に居る…)」

 

あくまで笑えるversionなんです。

 

無「(さいっこーだな、いやまじでさいっこー、神だ神、もはや伝説だ、あ、図鑑と

  かあれば絶対コンプするね俺は。あ、終わっちまった、ああ畜生、もちっと、も

  ちっとだけ眺めさせて…!!)」

元「(んー…郷戸先生ってどうしてあんなにホルマリン漬けを愛せるんだろう…中身

  ってどう見ても臓器だよな、臓器?あれ、臓器じゃなくて、五馬は骨に興味がと

  いう性格だ、も、もしかしてそれでバトルを?臓器しか愛せないんだ!!骨しか

  愛せないんだ!!みたいな、臓器愛VS骨愛という、ああ、なるほど…そうだよな

  あ、人と人って分かり合えないってそういうところでもある、臓器しか愛せない

  郷戸先生、骨しか愛せない五馬、どうしたって宿敵になってしまうよ、…あ、ド

  忘れしてた、やっば、郷戸先生は今日はすっごく多忙なんだった…!!提出!)」

篤「(郷戸先生の手作りの試験かあ、へえ、戸津先生達の誤字脱字が全然ない、あ、

  そう言えばさっきの方々って運動部の部長さん達なのか…どうしよう、文化部を

  回ろうと思っていたのにどう断ればいいんだろう、断るって時は遠まわしに?そ

  れとも直接に?ああそうそう、五馬君って何でさっきあそこにいたんだろう、

  それと、俺と今江君がどうして廊下担当かっていうのは、どういう意味かな、

  うーうー気になる、知りたい、あーあーどうしよう、うーんうーん)」

橘「(な、何だこれ、え、この問題、くそ、どうしても解かないと、神保に勝たないと

  僕こそが首席だと認められない、2つも年下相手に負けられるか、でもこれ、ああ

  もうまずい、どこにあったっけ、くそ、どこの応用、)」

 

元「先生、提出します」

篤「俺も(兄さんが出したし)提出します」

無「じゃあ俺も(致し方なく)提出します」

 

橘「(え、も、もう…!?だってまだ数分しか、)」

 

郷「じゃあ回収するね、次の試験を配布します。では始めて」

橘「ちょ、ちょっと、制限時間とか、普通は全国模試とかでも2時間とか、」

郷「試験中は私語厳禁」

 

元「(うっわ、郷戸先生の目がやばい、だって今日は郷戸先生が愛してしまっている

  ホルマリン教材の納品日だもん…!!あれは相当頭の中でブチ切れてる、…あ、

  ここが血の海になる前にさっさと終わらせないと、郷戸先生が殺人犯になって

  しまうじゃないか、…ん?郷戸先生が逆に被害者になってしまうとばらばら臓器、

  おお、郷戸先生、実はここを自分の死に場所として指定した意味、それ!?

  自ら愛してやまない臓器を自らの臓器で…いやいや、違う違う、先生がばらばら

  臓器にされてしまったらばらばら臓器の先生が愛している臓器を見る事すらでき

  ないじゃないか、そんなのは、駄目!!)」

無「(おわー、神だ神、ああもうなんつう地獄、郷戸先生が多忙じゃなければ俺はこ

  の念願の悲願達成で手に入れた輝かしい座席を永遠にできたのに、ああくっそ、

  どこまでも俺の邪魔をしようってんだな、ああむっしゃくしゃする、ああ駄目、

  でも目の前に神がいる今を糧に俺はこれからを生きていくんだ、うあー最高、

  なんつうかこう、何かのきっかけとかで前傾姿勢とか拝めないかな、あーどうし

  よう、先生は憎たらしいがいいよいいよ、神に免じて今日は許すから!!)」

篤「(やっぱりスペル違いもない、すごいなあ郷戸先生、でもどうしようかな、文化

  部の回り方…文芸部は居場所は分かるんだ、でも文芸部の見学に行ってしまうと、

  必然的に男子柔道部との接触が避けられない、うーん、文芸部は本来読書とかを

  するのかと思ってたんだけど、…あれ、兄さんって文芸部に入りたかったとか、

  前にそう言ってたけど、え、に、兄さんって実は男子柔道部に入りたかったという

  話!?ならどうして放送部に?あ、放送部って言えば瀬下君、元気かなあ、あ、

  瀬下君のクラスにはあの優しい仁科さんがいるんだった、んー、どうしていつも

  仁科さんは俺を守るとか言うんだろう、逆なんだけどなあ、うーんうーん)」

橘「(くそ、さっきのが終わってなかった、なのに3人が出すのが速い、ていうかあの

  元就の後ろの奴、何だ?さっきから何かおかしくないか、)」

 

元「先生、終わったので提出します(先生、どうか、死なないで)」

篤「俺も提出します(うーん、ま、いっか)」

無「じゃあ俺も提出します(ああああああああもちっと時間が欲しいですッ!!)」

 

郷「じゃあ橘君のも回収ね、さて次はこれ、配布完了。では始めて」

橘「ちょ、」

郷「私語厳禁」

 

元「(や、やば、とうとう郷戸先生の台詞が簡略化されてきてる…!め、目がやばい、

  ほ、ホルマリンがあなたの目を元に戻す…!うああああああ、速攻で終わらせます

  からどうか正気を保ってくださいましー!!先生!!先生が臓器になってしまった

  ら明日から誰があの臓器たちを愛するというんですかー!!俺の後ろに臓器を天敵

  とした骨がいるんですよー!!ぶっ壊されますー!!)」

無「(あ、な、何、今なんかすっごく動揺した!?いやいや、最高だよ、もう神以上

  だな、神以上ってなると何になる?やば、鼻血が出そう、ちょい想像しちった)」

篤「(仁科さんが俺を守るとして何か危険な場合に陥った場合、俺がそれを庇うとする

  となると、仁科さんが今江君を盾にするってあれが来る、つまりは仁科さんに危険

  が及んだ場合、俺は仁科さんと今江君を守り切ればいいんだな、…違うなあ)」

 

元「提出します(先生、あなたを一刻も早くホルマリンに逢わせます…!!)」

篤「俺も提出します(そうそう、もっと簡単な方法があるよ、うん)」

無「じゃあ俺も提出します(やっば、鼻血って自分でどうしようもないじゃん)」

 

郷「じゃあ回収ね、これでラスト。はい始め」

橘「く、」

 

元「(うあああああああああああああああああああああああああああああああああ!

  とうとう先生の怒りゲージが吹っ飛んだ!!やっばやっば!早くあなたにホルマ

  リンを!!ああもう先輩が遅れてこなければ先生のネジが吹っ飛ぶこともなかった

  のにああもうああもうああもうああもう!!郷戸先生が爆発したところ見た事ない

  けど本当に爆発しちゃったら臓器すら残らないだろー!!)」

無「(や、やば、鼻血、何とかもってくれ、俺の鼻!ああ駄目、どうしても見ちゃう、

  そして反射的に俺の鼻血が、ううううううううう)」

篤「(そうだよそうだよ、俺が危険に遭遇しなければ仁科さんも今江君も俺が守ると

  いう必要がなくなるじゃないか、うんうん、となると俺が強くならないといけない

  んだ、となるとやっぱり運動部…うーん、文化部を回ろうと思っていたんだけど、

  仁科さんは優しいんだ、今江君は仁科さんの彼女さん、あ、別だ、違う、逆、

  今江君は仁科さんの彼氏さん、そうそう、ああ俺、どうしても仁科さんと今江君

  を時々立ち位置間違える…気を引き締めていこう、あ、今江君は水泳部…仁科さん

  も水泳部…となると俺は絶対に水泳部は回避だ、2人に接近してしまうと俺の危険

  性が知れてしまった時に同時に2人が来る、それに加えて敵だとすると、俺1人で

  2人を守りながら戦うってどうなるんだろ、…あ、こういう時こそ母さんのあれ、

  ザラキじゃない!?)」

 

元「提出します(先生、臓器愛を深く心に刻んでください、他は切り捨ててでも)」

篤「俺も提出します(そっかそっか、母さんはこういう感じで俺に見せてくれて…)」

無「提出します(やっば限界、ティッシュとか持ってない、しくった)」

 

郷「じゃあ終わりだよ、さて採点結果と行こうか。最後の英語は見なくても分かるから

  採点も不要だしね、

  全科目で満点は2名、杵柄君と神保君。五馬君はちょっとまだ英語がね、でも他は

  満点だ、それと橘君は全科目0点、意味は分かるよね」

橘「え、だから、まず最初に試験の説明をしなかった先生がおかしくないですか、制限

  時間も分からないし、提出順だとすれば僕だって3人より早く提出ができたのに、

  それに0点ってどういうことですか!?そんなはずはない!」

篤「…あ、五馬君、これ」(ティッシュあったんだった)

無「おお、悪い」(あー何とか鼻血が…篤麻にマジで感謝)

郷「名前だよ、試験には必ず名前を書かなければという前提が最初の数学から抜けて

  いるんだ、4科目全部に名前を書いてない、だから0点だという仕組みだよ」

橘「でもこんな試験で名前がどうのとか、それにここには4人しかいない、誰が誰の

  解答用紙か分かる、そんなことも分からないって先生としてどういうものか」

郷「杵柄君、今回のこの試験の目的をもう一度教えてあげないといけないようだよ」

元「先輩が総合進学部の首席であるかどうかを確かめて証明する為の場です、現首席

  が神保篤麻だと知ってから、自分が総合進学部の首席だと証明すると宣言したのは

  先輩です、その為に篤麻も五馬も、それに忙しい郷戸先生も時間を割いてくれた

  というこの場でもうお分かりですよね」(郷戸先生が死にそうだって事を)

橘「こんな試験くらいで首席を決めるとかどうかしてる、」

無「先生、講評とかあればどうぞ」(もちっともちっと時間くれー!!)

郷「そうだね、なら最後の英語にしようか。橘君は何とか3人に間に合うような感じ

  で提出をしたんだけれど、それは当たり前だね、先の3教科でああこれは制限時間

  じゃなくて先に提出をした方がいいのかと考えたからだ、

  ただ、席が悪かったというだけだね、君の左には杵柄君がいるという席順」

橘「どういう意味ですか」

郷「試験は私語厳禁というのは当たり前のことだけれど、もっと当たり前にしてはいけ

  ないことがある、それが不正行為、カンニングだよ」

無「(ああやっと鼻血が…ふう、しっかしいいなあ、鳥栖の肩甲骨よりマジでSSS級

  じゃねえか、いやもうマジで頼みたい、うん、時間がある時でいいから、それと

  中学の時の一件が吹っ切れてると確認ができたらマジで土下座して頼もう)」

元「(え、か、カンニング…上智と一緒じゃないのそれ…う、うっわ、上智って、う、

  うう、あの甘味料の権化、あああああああムカムカしてきた、でも郷戸先生の方

  がマジで吹っ切れてしまってるんだ、目がやばい…)」

篤「(カンニング?ああ不正行為の1つだ、不正行為をしてまで橘先輩は何をしようと

  していたんだろう?あれ、俺、ここに何しに来たんだっけ?ああそうだ、楽しもう

  ってことだった、隣の五馬君がいるし、兄さんもいるし、ああでも橘先輩って、

  兄さんから聞いてたけど、あまりなあ)」

橘「証拠はあるんですかね」

郷「あるよ、一字一句、間違えることなく杵柄君と同じ解答だからね、ただ残念なのは

  君には時間がなかったからだ、杵柄君が早く提出してしまったから最後までカンニ

  ングが出来なかった。そして設問半分から下が空欄というわけだよ」

橘「それだけでは証拠とはならない」

郷「なるんだよ。君は知らないんだろうけど、杵柄君は英語だけには癖があるんだ。

  中学で基本をしっかり学んでいればって英語担当の田中先生も嘆いていた程だ、

  模範解答ではあっても基本から学んでいないから少し読解能力が他の人とは別、

  五馬君、最後の英語の試験の長文読解は何についての長文だったかな」

無「走れメロスの一節です(おおお、時間延ばししてくれてる!!)」

郷「そうだね、五馬君は英語が少し苦手だから長文読解となると深く考える暇がない

  から落書きをしないって事もある、それに長文読解の後にしか解けない設問だか

  ら、この長文が五馬君のように端的に表現できないと、完全に読み終えてるとは

  言い切れない、俺は待とうと思ったんだよ、英語は時間が掛かるからね。

  でも橘君は制限時間がないのかと、先に提出をしなければといけないと先入観を

  先の3つの試験で持ってしまったから、解答の途中で終わりにして慌てて提出、

  そして結果がカンニングなわけだから、0点となるんだよ。

  名前もないしね。杵柄君が好きな本の1冊の内容だったからというのもあるかな、

  英語には模範解答というものはあまりなくて、独自の考えを解答とする、

  杵柄君はこの走れメロスのどこが好きなんだろう」

元「友情の為に走るという所です」(先生、自らの手で首を絞めてますよ!!)

郷「五馬君だったらどうこの本を思うかな」

無「走る距離と、それから杵柄と同じですね」(うっはー時間が延びている、神!)

郷「神保君だったらどう思う?」

篤「あ、ええと、ちょっと別なんですけど、」

郷「ん?」

篤「郷戸先生がどこにもスペル間違いがないから楽でした、田中先生っていつもどこか

  でスペルを間違えたりするから、それをどう指摘すべきだろうって悩むことがなく

  て、だから楽しかったです。楽しんでいいって言ってくれたから、本当にそうなっ

  たから、楽しかったです」

郷「あはは、そうかそうか、後で田中先生に言っておくね。というわけだよ、橘君」

橘「何がですか」

郷「どこの誰が、不正行為をする不誠実な相手の成績を本物であるかと評価するかと

  いうことだ、君はここに何しに来たかも忘れていたようだし、指定した時間にも

  遅れてきて、そのことについても何もない、部屋に入る時にも何もない、

  そういう態度が通用するのはここだけだという話だよ、

  君は全国模試を受ける場でも同じような態度をとっているんだろうか、

  これから先大学に行って、君の志望とする医師免許を取得したとして、

  その先は社会人となるんだ、

  そういう年代になった頃には今日のような態度は不敬だ不誠実だとされ、

  君の事を誰も認める事をしないというだけだよ。

  高校は義務教育という場ではないからいつでも中退ができる、

  中学までなら見過ごされていても当たり前というどうでもいいことでも、

  もうこの場から違うんだと自覚をすることだ。

  さて終わろうか、杵柄君、五馬君、神保君、片付けは俺がやるからもう帰って

  いいよ、橘君も自分の生活態度の面を考慮してこの先の事を反省するといい」

元「先生、俺がやりますからどうぞ」

無「俺も手伝いますから、どうぞ」

篤「俺も片付けします、だって郷戸先生、今日、生物教材の納品日だったじゃないです

  か、早く行かないと」

火が付いた。

 

郷「い、いいのかい!?」

篤「はい、どうぞ」

郷「じゃあ頼んだよ!!ありがとねー!!!!!!!!」

 

元「…お、俺、いろいろ、考えたよ…」

無「俺もすっげえいろいろ考えたよ」

篤「俺もいろいろ考えられたよ、でも楽しかったよ」

無「同感だ、そして篤麻、ありがとう」

篤「ああうん、楽しかったよね」

元「お、俺は、こ、怖かった、よ…」

 

3人で片づけ、としている中、

橘「…いい気になるなよ、これで終わったとか勘違いするなよ」

と捨て台詞を吐いて出ていく橘。

 

元「あの、今の誰に言ってたの?」

無「自分自身にじゃねえの」

元「最近意思疎通が難しいんだよね、というか見た!?郷戸先生の目!!」

無「目?」

篤「あ、ごめん、俺は見ていなかったよ」

元「こ、こ、怖かったよ、ここが血の海になるのかとか、でもその血の海が郷戸先生

  の血で出来てしまったら臓器だ、バラバラ臓器となっては愛する臓器を見る事が

  できなくなる、だんだんと台詞が短くなっていく…あー怒ってる、あーキレてる、

  あー爆発する、とか考えてしまうともうやばいよ!?爆発してしまったらそれこ

  そ郷戸先生がばらばら臓器になってしまうから!!だからどうしても早くにホル

  マリンたちに逢わせてあげないとと俺はすっごくすっごく焦っていたんだよ!!」

無「すげえなその想像力の逞しさ」

篤「兄さん、郷戸先生が爆発するためには体内にダイナマイトでも仕掛けて吹っ飛ばさ

  ないと、そうしないとばらばら臓器にならないと思うんだ。その為にはまず郷戸先

  生の体内にダイナマイトを仕掛ける準備が必要だから、結構大変だよ」

無「やめてその危険思想」

篤「ああそうだ、ずっと気になっていたんだけれど、五馬君はどうしてここにすぐに入

  ってこなかったの?てっきり先に入っていたんだと思ったんだけど」

無「あああれか、気にすることじゃない。あ、何故あのスト先輩が遅刻してきたか、

  知ってるか」

元「え、ド忘れしてたんじゃないの」

無「ああいや、理由とかは今江が知ってるから、今江に聞くといいわ。でも俺も、今

  の時間は楽しかったから、ありがとう」

元「う、うん」

 

笑えるversionは終わりでーす。