【五等分の花嫁】五月のモヤモヤの正体は? 風太郎のことが好き? | 恋心、お借りします

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五月のモヤモヤの正体は? 風太郎のことが好き?

 

はいどーも。甲楽わんです。ごとよめ、楽しんでますか!?

 

普段は『彼女、お借りします』(かのかり)の解説をしている僕ですが、最近また五等分の花嫁を読み返し、ごとよめ熱が高まったので気持ちの熱いうちに記事を書きたいと思います。

 

 

 

推しは五月です(あと三玖も好きです。3・5推し)。不器用で、意地っ張りで、融通が利かなくて、ポンコツを極めてるところが可愛いですね。勉強を教えたくなります笑。

 

ということで今回は、五月のモヤモヤの正体について解説していこうと思います。風太郎に四葉が選ばれた後(117話)、どうしてかその結果を素直に受け入れることができず、五月の胸に立ち込めたモヤモヤっとした気持ち。それは、風太郎への恋心だったのでしょうか。それとも、別の何かだったのでしょうか。

 

 

 

  五月のモヤモヤ 嫉妬心?それとも…

 

風太郎に選ばれたのが四葉だと分かった後、五月はその結果を素直に受け入れられずにいました。胸の中にモヤモヤと立ち込めたスッキリしない気持ち。五月は、その正体が分からず悩みます。

 

そこで、バイト先の下田さんに相談すると、

 

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◆そりゃ 男を好きだから 嫉妬してんだろ (117話)

 

そりゃ 男を好きだから 嫉妬してんだろ

 

五月も実は他の姉妹と同じように風太郎に恋をしていて、好きな人と恋人関係になることができた四葉に嫉妬しているんだと言われてしまいます。

 

五月はすぐに『違います』と言い返しその可能性を否定しますが、もしかしたら下田さんの言う通りなのかもしれないと悩んでしまうのです。

 

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◆下田さんの言う通り このモヤモヤの正体が嫉妬だとしたら 私は何と悪い子なんでしょう (117話)

 

下田さんの言う通り このモヤモヤの正体が嫉妬だとしたら

私は何と悪い子なんでしょう 

 

原作ファンの間でも、五月の言わんとしていることが理解し辛いらしく、風太郎に恋をしていると五月が自覚したんだと言う人もいれば、そうではないという人もいて、意見が分かれているようです。

 

結論から言えば、ここで五月は風太郎への恋心を自覚したわけではありません。そもそも恋はしていなかった。風太郎への想いは、先生としての尊敬や姉妹を導いてくれた感謝であって、恋心と呼ぶものではなかったのです。モヤモヤの正体は、四葉だけ特別な幸せを得てしまったせいで、これまで通り姉妹5人一緒に居られないかもしれない、という不安です。もしくは、姉妹5人が平等でないことに対する違和感や不安感と言った方が正確かもしれません。

 

それでは、何をどう読み解けば、五月の気持ちを理解できるのか話していこうと思います。セリフやコマを物語から切り取って考えても答えはできません。推理のように仮説を上げて検証する必要もありません。物語の中で五月が姉妹にどんな思いを持っていて、何に悩んで来たのか、そしてモヤモヤの正体に気づいたとき目の前で何が起こったのか、それをしっかりと整理する必要があります。

 

 

 

  私が姉妹の秩序を守って見せます!

 

五つ子姉妹のうち、五月だけは、風太郎争奪戦に参加しません。外野からずっと姉妹の行く末を見守っています。五月は風太郎を信頼するようになりますが、スクランブルエッグ、シスターズウォーの後も、彼を手に入れようというつもりは全くなく、むしろ気にしているのは姉妹の仲です

 

修学旅行の後、五月は姉妹がギクシャクしていることに不安を感じます。修学旅行では、最終的には仲直りすることができたものの、一花が嘘をついて三玖を陥れるなど姉妹の仲は空中分解寸前でした。そしておそらくそれが原因で一花は家を出ることを考えていたのです。

 

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◆ああ 私はどうしたらいいのでしょう! (91話)

 

なぜ こんなことに…

どれもこれも上杉さんのせいです

ああ 私はどうしたらいいのでしょう!

 

皆が風太郎に恋をして彼を奪い合った結果、これまで通り5人一緒に居られなくなるのではないか。そう不安を感じた五月は、風太郎が姉妹に近づかないように工作します。

 

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◆私が姉妹の秩序を守って見せます! (92話)

 

今は私がしっかりしないと!

見ていてください お母さん!

私が姉妹の秩序を守って見せます!

 

だから、プールでは風太郎が他の姉妹に近づくことがないように、水着の感想を求めて足止めしたり隠れるように言ったりしたわけです。

 

その他、なかなか自分の正体を明かさず風太郎を他の姉妹に譲ろうとする四葉を見て、本当のこと(6年前風太郎と出会ったのは四葉であること)を明かすように促すなど(86話、90話)、五月は不器用なりに姉妹を気遣い、5人の平和を望んできたわけですね。それが憧れているお母さんの教えだったということも、動機になっていたでしょう。

 

しかし、姉妹5人の関係が壊れてしまいそうな事態がやってきます。風太郎が四葉を選んだのです。小さい頃は、みんな平等でした。しかしもう、姉妹全員が同じように幸せを手にすることはできません。風太郎に好きになってもらうことも、デートをすることも、結婚することも、四葉だけに特別に与えられた幸せです。

 

 

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◆ですが 皆のことを考えると… 素直におめでとうと言うことができません (115話)

 

ですが 皆のことを考えると…

素直におめでとうと言うことができません

 

五月は風太郎をとても尊敬しているし、四葉を大切に思っています。だから二人を祝福したいし、すべきだとは思っている。でも、幸せを掴めなかった皆の痛みを考えると、四葉と風太郎との関係を素直に祝福することができません。それを欲しいと強く願っていた一花や二乃、三玖が妬んでしまってもおかしくないし、そのせいで、これまで通りの仲の良い5人でいらないかもしれないのです。五月は二人を素直に祝福できないことに悩んでしまいます。

 

 

 

  二乃と四葉の仲直り

 

そこで五月は、下田さんに相談します。そこで返ってきたのが、まさかの返答。

 

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◆そりゃ 男を好きだから 嫉妬してんだろ (117話)

 

そりゃ 男を好きだから 嫉妬してんだろ

 

五月も実は他の姉妹と同じように風太郎に恋をしていて、好きな人と恋人関係になることができた四葉に嫉妬しているんだと言われてしまいます。素直に祝福できないのは、姉妹を思ってのことではなく、自分に原因があった(自分が四葉を妬んでしまっているせい)のかもしれない。五月は困惑します。

 

しかし、その悩みはある事件をきっかけに解決してしまいます。それが、二乃と四葉の仲直りですね

 

 

 

文化祭で風太郎に選ばれた四葉と、選ばれなかった二乃は、ケンカしているような状況でした。

 

文化祭の後、四葉はすぐに風太郎と付き合うことはできませんでした。好きだと言ったものの、付き合うか否かの答えを保留したのです。姉妹に迷惑をかけてしまってきたのに、自分だけ幸せになると考えると罪悪感を感じてしまう。だから四葉は皆に謝って風太郎との関係を認めてもらわなければ、風太郎とは付き合えないと思ってしまったのです(115-117話)。

 

四葉はニ乃に謝りに行きます(115話)。姉妹に罪悪感を感じていたからとはいえ、ずっと本心を隠してきた。それなのに、選ばれたから付き合いますなんて、きっと許してもらえない。今自分がこうして高校に居られるのも、二乃のおかげなのに、自分だけが幸せになるなんて、あまりに申し訳ない。だから、謝りたい。具体的には描かれていませんが、四葉は二乃にそんなことを話したのではないでしょうか。

 

しかし、四葉は二乃に突き返されてしまいます。

 

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◆今 あんたに心配なんてされたくないわ! (115話)

 

私が ずっとフー君のこと好きだって知ってたはずよ

それが分かってて 昨日を迎えたはずでしょ

今 あんたに心配なんてされたくないわ!

 

二乃と四葉と対話が具体的に描かれていないのもあり、どうして二乃が四葉に不満を感じるのか、僕も正確に掴めているわけではありません。ただ、二乃は姉妹をライバルだと認め、本気で戦ってきました。たとえ辛い結果になったとしても、それを受け止める覚悟で文化祭最終日に臨んだ。そんな彼女からすれば、勝ちを掴んだ四葉に、「選ばれてごめんなさい」と謝られても、ただみじめになるだけだったのかもしれません。また、このとき四葉は風太郎への返事を保留しています。その後三玖が四葉に打ち明けたように(116話)、四葉が答えを保留するような中途半端な気持ちでいるとしたら、自分が選ばれなかったことに納得できないと感じたのかもしれません。

 

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◆でも怒ってはいる 私なら 風太郎を困らせるようなことはしない (116話)

 

もし四葉もそうだったら

私たちのこの感情も受け止めて欲しい

 

その後、三玖と話した四葉は気づかされます。風太郎のことを本気で好きだった姉妹の気持ちをちゃんと受け止めなくてはいけないということに。

 

選ばれたからではなく、謝ったからでもなく、風太郎のことが誰よりも大好きだと証明しなきゃ、姉妹は納得しない。四葉は二乃に会うと、自分の覚悟を言葉にします。

 

 

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◆見ててほしい きっと負けてないから (118話)

 

数か月 数年 どれだけ時間がかかるか わからないけど…

私が上杉さんをどれだけ好きなのか この思いの強さを

見ててほしい きっと負けてないから

 

これまで四葉は、風太郎の恋人になりたいと姉妹に話したことはありませんでした。二乃たち姉妹を優先し、本心を隠してきた。でもここで初めて、風太郎のことが大好きで、その思いの強さは他の姉妹にも負けていないと宣言するわけです。

 

四葉がそう宣言するのは、風太郎と同じくらい姉妹のことが大好きだからです。

 

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◆私は上杉さんを好きなのと同じくらい 姉妹の皆が好きだから (118話)

 

私は上杉さんを好きなのと同じくらい 姉妹の皆が好きだから

 

風太郎を大好きでい続けること。姉妹の誰よりも風太郎を思い大切にすること。それが、姉妹の気持ちを受け止める、と言うことだった。

 

四葉が謝りに来たことに不満を募らせていた二乃ですが、これを聞いて態度を変えます。恋愛で私たちは敵でも仲間でもない(115話)。奪い合い、その結果勝つ者もいれば負ける者いる。だけど、嫌い合う必要なんてない。そんなライバルのような関係であるべき。それが二乃の願いでした。

 

 

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◆ここで勝負は終わってない (118話)

 

ここで勝負は終わってない

少し後ろで あんたたちの行く末を見ててあげる

ほんの少しでも 隙なんて見せたら

私が彼を奪ってやるんだからね


もし気を抜くようなら私がフーくんを奪っちゃうんだから、しっかりしなさいよ。二乃らしく煽るような言い方で、四葉の背中を押します。

 

 

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◆推薦のこと つい言い返しちゃったけど… (118話)

 

ここに来る前のランチで、二乃は推薦が決まった四葉に対して『何もしなくて向こうから来てくれるなんて気楽だわ』と皮肉を言ってしまったのですが(117話)、それを謝ります。

 

風太郎に対する思いを、彼と恋人になる覚悟を四葉が言葉にすることで、二人は仲直りすることができたのでした

 

 

 

  やっと言えそうです 上杉君 おめでとう

 

五月は、四葉だけ幸せを掴んでしまったことで、これまで通り5人一緒に居られなくなるのではないかと不安でした。風太郎とランチをしたときも、二乃と四葉は険悪な雰囲気のまま。二乃が四葉に皮肉を言ったのを聞いて、五月は事態が悪化しないようにふたりを引き離します(117話)。姉妹の仲は、再び空中分解寸前。

 

しかし、その後五月は、四葉と二乃が仲直りするのを見ます。

 

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◆四葉と二乃が仲直りするのを見て安心する五月 (118話)

 

皮肉を言ってしまったことを四葉に謝る二乃。そこには、これまでと変わらない姉妹の姿がありました。

 

五月は、幸せを掴めなかった皆の痛みを考えると、四葉と風太郎との関係を素直に祝福することができませんでした。皆が風太郎に恋をして彼を奪い合った結果、これまで通り5人一緒に居られなくなるのではないか、と不安だった。しかし、それは五月が勝手に不安になっていただけだったんです。これからも、姉妹5人一緒居られることは変わらない

 

それが分かった瞬間、五月のモヤモヤは消えます。

 

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◆下田さんの予想はハズレみたいですよ (118話)

 

下田さんの予想はハズレみたいですよ

 

モヤモヤの正体は、下田さんの話していたような『嫉妬』ではなく、やっぱり姉妹5人一緒にいられなくなることへの不安だったわけです。

 

 

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◆やっと言えそうです 上杉君おめでとう (118話)

 

やっと言えそうです 上杉君おめでとう

 

お母さんの願い通り、これからも変わらず姉妹5人一緒に居られる。抱えていた不安が消えて、やっと五月は素直に四葉と風太郎の関係を祝福することができたのでした。

 

 

 

その後五月は、失恋のショックから「好きにならなければ良かった」と言う生徒を、こう言って励まします。

 

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◆だからあなたも手放さないで この恋の記憶を (118話)

 

たとえ実らなかった 恋であったとしても 

彼を好きだった思い出 そんな自分が輝いていた記憶は

何事にも代えがたい 宝となるでしょう

この恋は これからのあなたを より輝かせてくれるはずです

だからあなたも手放さないで この恋の記憶を

 

風太郎と出会い、

一花は、女優になる夢に進むことができた。

二乃は、過去と決別しそれぞれ変わっていく姉妹を受け入れることができた。

三玖は、好きなものを好きだと言い、なりたい自分を見つけることができた。

 

たとえ実らなかった恋であっても、姉妹が上杉君に恋したことが無駄なはずがない。それは何事にも代えがたい宝物だ。風太郎に出会って変わっていった姉妹を見守ってきた五月だからこそ、実感している言葉ですね。

 

 

という感じで、五月のモヤモヤについて解説してみました。五月の気持ちよりも、四葉と二乃の気持ちを読み解く方がよっぽど難しいんですが汗。春場さんも、まぁまぁめんどくさい漫画書くなぁ。まだ僕の中では消化不良です。

 

ちなみに、姉妹のうち五月だけ風太郎にキスしなかったのは、恋心を自覚していなかったからではなく、恋をしていなかったからですね。もちろん、五月が風太郎を男の子として見ていなかったとは思いません。身体が近づけばドキドキしてましたしね。ただそれは他の姉妹の恋心と比べればとても小さく、恋と呼べるほどの気持ちではなかったということです。

 

私たちは漫画を読むとき、せいぜい書かれたセリフを読むとか表情を見るとか、それくらいの読み方しか知らないでしょう。しかし、キャラクターは物語の中で生きています。過去の上に今が積み重なっている。その瞬間だけでなく、誰にどういう思いをもって、何に悩んで生きて来たかを整理しなくてはいけません。それさえできれば、キャラクターの気持ちもはっきり見えてきます。

 

では、またどこかで!かのかり読者の皆様は、今後ともよろしくお願いします。