原作勢も大満足!?『ドラマ彼女お借りします』 | 恋心、お借りします

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原作勢も大満足!?『ドラマ彼女お借りします』~1-2話の感想とプチ解説~

 

はいどーも!実写ドラマかのかり楽しんでますか!?原作ガチ勢の甲楽わんです。

 

実写ドラマがついに始まりましたね!?原作ガチ勢である僕は、一抹の不安を抱えながら、期待いっぱいで心待ちにしていました。さて、実際どうだったのか…

 

めちゃめちゃ良かった!スゲー良かった!かのかりだよ、かのかりが実写化してるよ涙。

 

正直不安でした。主演を務める大西流星くんがどれくらい演技ができるのか分からなかったからです。でもね、第1話を見たら、めっちゃ『和也』だった。流星くんが木ノ下和也という男の子を丁寧に演じてくれていたので、もう大満足ですよ。全然安心して見てられるw

 

そして、シンシア来たあああああ!!!めっちゃいい。泣ける。あのシーンね、あのシーンがモチーフになってるのね。

 

流星くんのファンのみならず原作ファンからも好評で、Tverのドラマランキングでも上位に食い込み、抜群のスタートを切ったと言っていいんじゃないでしょうか。

 

今回は、原作ガチ勢であり、普段は原作漫画の解説記事を書いている僕が、実写ドラマについて素直な感想と、プチ解説(ネタバレなし)をお送りしたりと思います。

 

 

  感想

 

■想像以上に良かった流星くんの演じる和也

 

ははっ。すごく安心しました。正直、流星くんがここまでちゃんと和也を演じてくれるとは思ってなかったです。流星くんがいろいろな表情を見せてくれるのも面白かったし。当然脚本や監督さんからの指示もあったんでしょうけど、「このシーンでは和也がこう感じていて、だからこういう表情を見せる」ということを丁寧に演じていて、素直にすごいなと思いました。

 

和也の童貞感というか、女の子慣れしていない様子もすごく出ていましたね。水原千鶴が現れて思わずニヤニヤしてしまう和也、デートに緊張してしまう和也、手を握られただけで勘違いしてしまいそうになる和也、「超絶可愛いんですけどー!!!!どうしよう!?どうしよう!?」ってなっちゃう感じが本当に和也でしたね。

 

個人的には、水原千鶴が見せている『理想の彼女』が演技だと分かったとき、それに腹を立てて、一言言ってやろう再びレンタルしたのに、サイド編み込みをした千鶴が現れると、その可愛さにほだされて文句言えなくなってしまう流星くんがツボでした。「どうかな…?」「べ、別に嫌じゃねよ…」の掛け合いが最高でしたねw

 

僕は何度も舞台で演じる経験があるので分かるんですが、演技するって普通に難しいんですよね。セリフを与えられると、セリフを言うことで頭がいっぱいになってしまいがち。でも本当に大事なのは、目の前にある状況や、目の前にいる人が誰なのかを感じることなんですよね。たとえば、和也が千鶴を病院まで連れてきてしまったとき『レンタル彼女をばーちゃんたちの前まで連れてきてしまったけど、この状況どう説明するんだよ!?』みたいに、台本には書かれていないけれど、そういう『シチュエーション』を感じることが大事なんです。流星くん見てると、ちゃんと物語の中に入ってシチュエーションを感じながら、千鶴(ひよりちゃん)と対話できていたので、それだけ見ただけでちゃんと演技できる子だなと思いましたね。

 

細かいところを言えばいろいろ注文付けたいところはあります。でも、トータルで見たら100点満点、十分すぎる。流星くんが和也をやってくれて良かったなと思います。

 

 

■「理想の彼女」水原千鶴と 一ノ瀬ちづる

 

桜田ひよりちゃんの演じる千鶴もとても良かったですね。原作よりは可愛い系というか、儚い雰囲気でしたけど、あんなレンタル彼女がいたら人気ナンバーワン間違いないでしょうw 和也の趣味に楽しそうにリアクションしてくれて、和也が馬鹿なこと言っても許してくれて、いつもニコニコ、んで可愛い…。まさに男の理想。

 

そして、その中身はそんな幻想じみた女の子ではない。あれはレンタル彼女としての演技。和也の暴言に苛立ちを抑えられなくなった千鶴(ひよりちゃん)が、素に戻るシーンがばっちり決まっていましたね(1話)。中身の方の千鶴(一ノ瀬ちづる)は、まじめで芯があり媚びた笑顔なんて見せない子なんですけど、そのあたりの違いはばっちりでした。カッコ可愛い千鶴も素敵でしたね。

 

2話で和也にお礼を言われた千鶴が、「レンタルさせてあげる」っているシーンは、最高過ぎて震えましたね。『めんどくさいことには巻き込まれたくない、でも、おばあちゃんを悲しませたくないし別に彼も悪い人じゃなさそうだから、レンタル彼女として協力してあげたい』。ツンな顔しながらも、ひとつひとつ状況を確認して、「レンタルさせてあげる」と伝える千鶴の様子から、そんな葛藤が見えてきました。

 

 

 

■和也の気持ちに心動かされる千鶴

 

原作勢の一部やアニメ勢の人たちには、クズだクズだと言われがちな木ノ下和也ですが、実際はそうではありません。家族思いで、大切な人を大切にできる優しい男の子です(テーマソングになっている『シンシア』とはそういう意味ですね)。ドラマではそういう和也の良さに気づきやすい作りになっているかなと思いました。

 

1話で病院からの帰り際、和也は千鶴に感謝を伝えます。和也は、彼女に振られた寂しさからレンタル彼女を利用してしまいました。さらには、おばーちゃん子である和也にとって、和おばあさんはとても大切な存在で、その期待(和也に素敵な彼女ができる)に答えてあげたくて、つい本物の彼女だと嘘をついてしまったわけです。結果、千鶴に迷惑をかけてしまったわけです。

 

それを聞いた千鶴が、和也の隣まで行き寄り添います。

 

寂しくない人なんていないのよ

隠せる人が多いだけ

みんな心に空いた穴を

仕事とか恋人とかで埋めてるのよ

 

そう言って千鶴はレンタル彼女を利用した和也を庇います。確かに和也は千鶴にめちゃめちゃ迷惑をかけてしまったんですが、彼にも素敵なところがあるんですよね。千鶴も彼の良さに心を動かさているわけです。「家族を喜ばせたいっていう気持ちは分るわ」「自分ウサギかよって思ったらまた呼んで(またレンタルして)」。千鶴はリップサービスで言っているのではなく、『レンタルして良かった』と和也が伝えてくれて嬉しかったからそう言っているわけですね。

 

物語が和也の視点で描かれているので、どうしても『千鶴ちゃん優しい!すごく良い子!お人好し過ぎる!』という印象になりそうなんですが、実際千鶴は誰にでも優しいとか、頼まれたら断れない女の子ではありません。ダメなことはダメだとはっきり言う芯のある子です。実際、和也に暴言を吐かれたときはめちゃめちゃ叱ってたし、無理なレンタルをお願いされたときも蹴り飛ばしてましたよね?それでも和也に協力するのは、彼の気持ちを知って共感するからであり、千鶴本人が協力してあげたいと思うからです。実写ドラマでは千鶴が和也に寄り添うってことをしたんですが、その構造(二人の対話、キャッチボールみたなもの)が割と分かりやすい作りになっているなと思いました。和也大好きな、和也推しの僕としては、彼の良さに気づく視聴者が多いと良いなと思いますね。

 

 

 

  プチ解説

 

ではでは、原作ガチ勢の僕が、これからドラマを楽しく見るためにちょっとした解説をしておこうと思います。もちろんネタバレは無しです。

 

 

■『シンシア』の意味は?

 

 

主演を務める流星くんも歌っている『シンシア』(なにわ男子)ですが、原作ガチ勢の僕から見ても、本当に素敵でかのかりにぴったりの曲になっていると思います。カラオケで歌いたいっす!

 

実はこの曲は、あるシーンでの和也の千鶴への気持ちを歌った曲になっています。原作を読んでいる人たちからしたら、すぐに分かるくらい人気のあるシーンですね。

 

シンシア(=正直な、誠実な)は、まさに和也そのもの。最初は千鶴に迷惑をかけてしまう和也ですが、それは彼が平気で迷惑をかけてしまうようなクズだからではありません。おばあちゃんのことが大切で、思わず嘘をついてしまい、どうしても悲しむ姿を見たくないわけですよ。情けないし、とりえもないし、馬鹿だけど、大切な人を心から大切にできる誠実さは本当に素敵なんですよね。該当するシーンはおそらくドラマの最終回になると思います。楽しみにしておいてください。

 

 

 

■レンタル彼女とは?利用規約とは?

 

レンタル彼女とは『彼女代行サービス』のことで、お客さんにデート気分を楽しんでもらうための娯楽です。「理想の彼女」を演じる桜田ひよりちゃんを見て、デートしたいと思った視聴者もいたんじゃないでしょうか(僕もデートしたいw)。

 

しかし、レンタル彼女の仕事は理想の彼女を演じることだけではありません。レンタル彼女にはカウンセラーとしての役割もあります(実在するレンタル彼女サービスもそういう側面があり、それをモデルにしている)。たとえば、お客さんのデートの練習台になったり、本物の彼女のように話を聞いてあげたり、ときには恋の相談役になったりします。つまりレンタル彼女はお客さんが本当の恋へ向かうための力になってあげる仕事でもあるわけです。だから、失恋して落ち込んでいる和也を見た千鶴は、「自分ウサギかよって思ったら、また呼んで」と言うわけですね。

 

また、お客がレンタル彼女サービスを利用するためには「利用規約」に同意しなくてはいけません。「レンタル彼女を連れて密室には入ってはいけない」や「プライベートに干渉してはいけない」など、悪質な客からキャスト(レンタル彼女)を守るための規約です。だから千鶴は和也にレンタルさせてあげるというとき、「一切の詮索はしない」「大学では他人のフリ」と強く忠告するわけです。レンタル彼女と客の間ではプライベートな関係はNGなんですね。

 

 

■和也の好きな人は麻美ちゃんである

 

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『彼女、お借りします』公式HPより相関図

 

物語は和也が麻美に振られるところから始まります。和也にとって初めてできた彼女である麻美。『未練タラタラ童貞ライフ』なんて言われているように、和也は麻美を忘れることができません。でも、それは単に初めてできた彼女だからではなく、本当に麻美のことが好きで、彼にとって大切な人だからなんですよね。視聴者から見たら、性格の悪い元カノに見えたかもしれませんが、和也からしたら本当に素敵な女の子で大切に思っている子なんですよ。

 

ドラマではいろいろセリフが削られてしまったせいで、和也にとって麻美がどれほど大切な人なのか分かりづらくなっていますが、和也は麻美を諦めるなんてできていません。2話の飲み会では、麻美に新しい彼氏ができたと聞いて、めちゃめちゃ凹んでしまっています。

 

 

■元カノVS今カノ(レンタル)

 

第2話の飲み会のシーンが分かりづらいなと思ったので解説しておきますね。あのシーンは、元カノVS今カノ対決で、麻美ちゃんが大勝利&ご満悦というシーンでした。

 

飲み会で和也に新しい彼女ができたと知った麻美は、その彼女(千鶴)に嫉妬して、元カノマウントを取ろうとします。『私は和くんのことをこんなに知っているんだよ』『和くんみたいな冴えない男と付き合うなんて馬鹿なんじゃないの』『こんなに酷いこと言っても和くんは私の味方なんだよ』。そう主張するように、麻美は付き合っていたころの和也を馬鹿にするわけです。

 

お客である和也の悪口を言われた千鶴は、和也を守るために麻美に反論します。勃発した元カノVS今カノ(レンタル)対決。

 

和也はここで迷うわけです。元カノの麻美の味方になるのか、レンタル彼女の千鶴の味方になるのか。

 

そりぁ、普通に考えたら麻美の方が絶対悪いことしているので、千鶴の味方になるべきなんです。しかし、和也にとって麻美は本気の恋をしている大切な人なんですよ。カッコいいところを見せたいし、振り向いて欲しいし、味方になってあげたいんです。それに比べれば、水原千鶴はただのレンタル彼女サービスの女なんです。

 

千鶴 何言ってんだよ

俺 こんなんだからさ

 

和也が味方になったのは麻美でした。千鶴の言い分を否定します。

 

これに麻美は大満足。ご満悦な顔のカットが入らなかったので、ドラマでは分かりにくかったんですが、和也が味方になってくれて麻美は嬉しかったわけです。千鶴がその場から逃げてしまった後、麻美は和也のジョッキを掴んで勝手に生ビールのおかわりを注文してしまいます。今カノがいなくなったから、やり放題、和くんは自分のものって感じですね。

 

何も言い返せない和也に気を使って千鶴が反論してくれたのに、結局和也は麻美の味方になってしまいました。帰り際、和也はその罪悪感に苛まれます。「これでよかったんだよ。紙切れ(利用規約)一枚の関係なんだから」。水原千鶴はただのレンタル彼女なんだよ、麻美ちゃんの方がよっぽど大切じゃないか、これでよかったんだよ、そう自分に言い聞かせないと抑えられないほど、千鶴を裏切ってしまった罪悪感を強く感じているわけですね。

 

そして、和也に近づく元カノの誘惑…。視聴者から見たらウザい元カノだったとしても、和也にとっては本気の恋をしている人。さて、和也はどうするんでしょうか。

 

 

 

という感じで、実写ドラマの1話と2話を振り返りつつプチ解説をしてみました。原作が気になった方は、ぜひチェックしてみてください。ドラマでは今のところドタバタしたラブコメディーという雰囲気ですが、その先にはとんでもない感動ストーリーが待っています。