【188話】栗林 なんでお前がいるんだ!? | 恋心、お借りします

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(自称)水原千鶴を応援する会の会長。
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【188話】栗林 なんでお前がいるんだ!?

 

 

はいどうも!かのかり楽しんでますか?

 

188話、まさかの男の登場で盛り上がりましたね!

 

 

 

栗林 駿

 

彼は、悪魔かヒーローか…!

 

さっそく栗林駿をおさらいしていきましょうと言いたいところですが、まぁ僕は千鶴オタクなので今週の千鶴について語らないわけには行きません。

 

 

 

  真実を聞けない千鶴

 

◆私もう えっちしましたから! 187話

 

私もう えっちしましたから!

後悔しても遅いですから 私を和也の彼女にしたこと!

 

自分自身で瑠夏を和也の彼女にしてしまい、知らないところでもうえっちをしていた。取り返しのつかない”現実”を突きつけられた千鶴は、玄関でうなだれたまま、立ち上がることができませんでした(【187話】打ち砕かれた千鶴の決意と心)。

 

 

 

千鶴は和也の言葉を疑っているわけではありません。大丈夫。まだ彼の言葉をちゃんと信じられているはずです。

 

…当然でしょ? 男の人なんだから…

 

そう語った通り、ただ瑠夏の勢いに負けて和也がえっちをしてしまったんじゃないかと疑っている感じです。たとえ和也の気持ちが自分に向かっているとしても、知らないところでふたりがそんな関係性を持っていたとしたら、もう二人はほとんど恋人のようなもの。だとしたら、和也と仲良くすることなんてできない、もう和也とは恋人になれない。そう悩んでる感じです。それに、シンプルに心から好きな人が誰かとえっちをしていたという”事実”が辛くて仕方がないでしょう。

 

 

 

それから一晩。今の状況と気持ちを整理するにはあまりに時間が短すぎました。

 

気が滅入る中、和也とばったり会ってしまいます。

 

 

◆和也の隣で立ち尽くす千鶴 187話

 

きっと昨日の瑠夏の言葉を思い出し、胸がきゅうと締め付けられた思います。千鶴はまともに和也の顔を見ることができません。

 

「そっそうだ! 昨日の ごめんな! 急にあんな展開に…!」そういって言って話しかけてくる和也。

 

瑠夏の言葉は本当なの…?

和也と瑠夏の関係は…?

 

こんなことばかり頭の中を駆け巡って和也の言葉なんて全く頭に入ってきません。一生懸命立ち止まって、本当のことを聞かなきゃ聞かなきゃと思ったはずです。和也に、そんなことは絶対ないと言ってほしかったはずです。でも、それと同時に、

 

もし瑠夏の言ったことが本当だったら…


もし瑠夏の言葉が本当なら真実を知る方がもっと辛い。

 

 

◆私 行かなきゃ 187話

 

私 行かなきゃ

 

結局聞くことができずに、この場から逃げだしてしまいます。半年前瑠夏が和也の部屋に泊まったときは、「…嘘 いいよ 嘘つかなくて…」なんて言い方をしてしまったものの、まだ多少は話すことができました(66話)。でも、あの時とは状況が違いすぎます。今の千鶴にとって、和也はたったひとり、絶対に失いたくない存在。もし瑠夏の言葉が本当に真実だったら…千鶴はそれを知るのが怖くて怖くて仕方がありません。

 

 

◆…… 187話

 

私もう えっちしましたから!

後悔しても遅いですから 私を和也の彼女にしたこと!

 

瑠夏の言葉が、投げつけられた”初めて記念”が、何度も何度もリフレインします。この”現実”が瑠夏のはったりだと分るまでは、瑠夏の言葉にずっと苦しめられそうです…

 

 

 

結局和也に聞くことができないまま一か月が経ってしまいました。旅行当日

 

 

◆オホンッ 188話

 

和也の家族と落ち合わせた後、これまでと同じように彼女(というかほとんど嫁)を演じようとしますが、さっそく瑠夏に牽制されてしまいます。オホンッ。

 

私もう えっちしましたから!

後悔しても遅いですから 私を和也の彼女にしたこと!

 

瑠夏の言葉は本当なの…?

和也と瑠夏の関係は…?

 

「あっ お父さん 荷物お手伝いしますよ」と咄嗟に理由を付け、和也と距離を取ってしまいます。瑠夏の言った通りなら、ふたりはもうほとんど恋人のようなもの。千鶴には2人の間に割って入ることはできません。今は、和也と瑠夏が一緒にいるところを見るだけで、瑠夏の言葉を思い出して辛いでしょうね…。

 

 

 

◆とてもじゃねーけど 告白って雰囲気じゃねーな 188話

 

一方、千鶴に避けられたのがショックだった和也は告白する決意をそがれてしまいましたね。勇気がなくなったいうよりは、今じゃないという感じ。和也の告白の後、サラダをシェアしたり一緒に帰ろうと言ったり、千鶴も自分なりのやり方で、好きなんだよって伝えてましたからね。その変化に気づいたことが追い風になっていましたが、まぁ現状では告白しないと言う判断も仕方がないですね。

 

大丈夫。「千鶴を誰かに取られたくない。告白をしないといけない」という気持ちはできていますから、「やれる!やらなきゃ!」と気持ちが突き動かされる状況が与えられれば、和也はやれるはずです。

 

 

 

玄関で立ち上がれなくなってしまった千鶴の顔を見る度、僕は苦しさでいっぱいになってしまいます。でも、この回で少しだけ安心した部分もあります。千鶴は、和也から逃げ出すのではなく、ちゃんと彼の前で立ち止まって話を聞こうとする意志を見せてくれました。結局逃げてしまいましたが、精一杯、辛い現実と戦う意思を見せてくれました。千鶴、頑張って涙。

 

和也が千鶴を好きでいる限り大丈夫。そう信じて、ふたりを見守りたいと思います。

 

では、今回の主役、栗林を見ていきましょう。

 

 

 

  栗林駿の軌跡

 

栗林駿の物語は、1年半前、和也に千鶴さんという超絶美人な

”彼女”ができたこと始まります。

 

 

◆実は俺も彼女で来たんだ 20話

 

モテないもの同士だと思っていた和也に超絶美人の彼女(千鶴さん)ができたことをうらやましく思ったのでしょう。栗林は、”彼女”を作ります。いや、”彼女”をレンタルします。そこで出会ったのが更科るかでした。

 

【レンカノ事務所メイプル】

更科るか 妹系アイドル彼女

 

ショートヘアにトレードマークのリボン。小さなお顔に長い手足。千鶴さん顔負けの美少女。この子なら和也の彼女にも負けないと思ったのかもしれません。でも、それよりも単純に栗林のタイプの女の子だったんでしょうね。一瞬にして恋に落ちてしまいました(たぶん)。

 

実は俺も彼女で来たんだ

そうだ こんどダブルデートしようぜ!

 

可愛い彼女ができたと自慢したい栗林は和也をダブルデートに誘います。

 

 

 

◆栗林とるかの嘘の恋人関係 21話

 

るかちゃんとは仮初の恋人関係、それはお金で払って得た彼女代行サービス。しかし栗林は、自慢げに和也に紹介します。

 

和也に「…どうやって付き合ったんだ?」と聞かれ

 

やっぱ 男らしさ?

るかも俺の男らしいところには ベタ惚れみてーだし

やっぱ 女の子は 男のそういうところに 惹かれるみてーだわ

 

見栄を張って、本当の彼女だと言ってしまいます。

 

 

◆大丈夫かい?るかちゃん 21話

 

るかちゃんはレンタル彼女。それでも、

 

大丈夫かい?るかちゃん

 

好きになってもらいたい、カッコいいところを見せたい。その思いで、栗林はるかに優しくしてあげたくてたまりません。

 

 

 

栗林はかなり本気だったはずですたとえレンタルであっても瑠夏に”彼女”でいて欲しい。それが栗林の願いでした。そしてきっと、嘘から本物が生まれてほしい。そんな淡い期待すら持っていたはずです。栗林も和也と同じく、その恋心は返却不可になっていました。

 

 

 

しかし、別れは突然訪れます。

 

 

◆栗林さん この間は レンタルありがとうございました 25話

 

大学に行くと、どうしてか、るかちゃんが和也と一緒に座り込んでいます。和也についた嘘がバレるのではないかと困惑する栗林。

 

なにしてんの…?2人で?

 

なにやら一生懸命理由を取り繕う和也。るかとの恋人関係が嘘だとバレたら、見栄を張るためにレンタル彼女を借りたバカだと笑われてしまうのは必至。

 

栗林は、”彼氏”である自分のために、るかが本当のことを黙っていてくれると願います。しかし

 

栗林さん この間は レンタルありがとうございました

 

るかも状況は分かっているはずなのに、和也の前でバラされてしまいます。

 

2人の秘密のはずだった嘘をバラされてしまった。栗林には、瑠夏からの”もうレンタルしないでください”という明確なサインに映ってしまったはずです。

 

クリスマスには、るかちゃんをレンタルして、あそこに言って、素敵な時間を過ごして、プレゼントを送って。きっと栗林なら、最高のデートの計画をしていたに違いありません。でも、こうなってしまっては、これからるかをレンタルすることなんてできません。

 

 るかちゃんはただのレンタル彼女

それでも 本気だった

手を繋いで 笑いかけてくれたら 最高に嬉しくて

大切にしたいと思ってた

カッコいいって言ってもらいたかった

でも そんな思いは1ミリも届いてなかった

るかちゃんは 俺の事何とも思っていなかった

あたりまえだよな おれモテないもん

彼女をレンタルして 見栄を張って

なに虚しいことやってたんだろう

 

自分は瑠夏にとってただのお客、いいや、お客だとさえ思われてないどうでもいい奴だった。このとき栗林は、ルカに嘘をバラされたことがショックで仕方がなかったはずです。あんなに大切にしたいと願っていたのに、彼女に拒絶されたという現実を受け入れることが辛くてたまらなかったでしょう。レンタルから始まった恋でしたが、栗林にとっては本気の失恋でした。

 

栗林は、レンタル彼女にフラれたなんて誰にも言えず、ひとり悲しみを抱えてクリスマスを過ごしたのかもしれません。男友達で集まってバカ騒ぎをして、寂しさをごまかしたのかもしれません。しかし、本当はるかと過ごすはずの時間を失った彼の心は、決して癒えることはありませんでした(妄想)。

 

 

 ◆もう恋なんてしない 37話

 

見栄張ってバカなことをして、きっと和也にも呆れられてる。なんておれダッセーんだろう。いくら願っても、思いは届かない、傷つくだけ。

 

もう恋なんてしない

 

栗林は自分が惨めで仕方がありません。行き場のない苦しみをツイッターに吐き出します。

 

 

 

和也から連絡があり街に出てみると、目の前には彼女に振られてダサい男が。まさに、あの日るかにフラれた自分自身。

 

恋なんて もう懲り懲りだ 37話

 

これ以上 恥晒すくらいなら

恋なんて もう懲り懲りだ

 

栗林は、こんな俺が誰かを好きになっても、どうせフラれるだけ、また恥をさらして、辛いだけ、そう思ってしまうほど自分に自信を無くしていました。

 

 

 

しかし、そこに1人の天使が現れます。

 

 

◆こんにちは レンタル彼女の 水原千鶴です 37話

 

こんにちは レンタル彼女の 水原千鶴です

 

和也が来るはずの待ち合わせ場所には、千鶴さんが!栗林は状況を飲み込めません。検索すると見つかった千鶴さんの画像。和也の彼女じゃなかったのか?と言う質問になにも答えない千鶴さん。それを見て、やっと状況を理解します。和也が彼女だと紹介していた千鶴さんは、レンタル彼女だったということを!

 

 

突如始まったデート、栗林は一度帰ろうとしますが

 

◆じゃぁ ひとりで行こっかな…

 

じゃぁ ひとりで行こっかな…

 

さすがプロ彼女。寂しそうな顔でそう言われて女の子をひとりにできる栗林ではありませんでした。

 

和也が何のために千鶴さんがレンタル彼女だとバラしたのか、彼はなにがしたかったのか、全く分からず栗林は戸惑いますが…

 

 

◆駿くんって面白いんだね

 

ごめん 私 怖いの苦手で

駿くんって面白いんだね

 

こんな複雑な状況で、全力で彼女を演じてくれる千鶴さん。千鶴さんとのデートは本当に楽しくて、いつのまにか、あの日るかに感じていた気持ちを思い起こさせます。

 

 

◆男って 馬鹿だよな…

 

…でも 君みたいな可愛い子みると思っちゃうんだ

一丁前に 好きだとか 抱きしめたいだとか

 

ほんと自分ってガキだよなぁ、俺みたいにダセー奴が誰かを好きなっても、フラれるだけ、また傷つくだけなのに。そう思いかけたとき…

 

 

 

◆傷口に塗る 絆創膏くらいにはなりたいなって 38話

 

私は”男の人”好きですよっ

男好きとかそう言う意味じゃなくて!

確かに子供っぽいなって思うことはあるけど

それって裏を返せばロマンチストってことですよ!

現実的に生きることは 難しいけど

そんな中夢を持つことは きっともっと難しい

 

そう言って千鶴さんは、こんなにガキっぽくてダサい自分を素敵だと言ってくれます。本気でそう言ってくれるんです。

 

レンタル彼女にできることは “本当の彼女”より少ないけれど

傷口に貼る絆創膏くらいにはなりたいなって

 

レンタル彼女、それは仮初の恋人。お客が新しい恋へと進めるまで寂しさを満たし、ときには相談に乗る、恋の応援役。千鶴さんは本当にプロでした。

 

千鶴に励まされ、栗林はまた少しだけ新しい恋へと向き合う勇気が湧いてきます。

 

 

◆…欲しい 彼女欲しい 38話

 

千鶴さんみたいな彼女がいたら きっと人生薔薇色なんだろうな

…欲しい 彼女欲しい

 

 

 

そこに現れたのは和也。やっぱり和也と千鶴さんが自分を励ますためにやってくれたことでした。和也もまた自分と同じように、見栄を張って千鶴さんをレンタルしていたようです。

 

 

◆レンカノで恥かいたのなんて忘れて すっかり楽しんじまったよ! 39話

 

でも お前がモテねぇ童貞で 安心したわ

 

そう言って、バカをやった自分たちを笑い飛ばします。

 

そうか あいつは一言謝りに

黙ってりゃ 気づかなかったのに

全く恥ずかしいやつだぜ 自分からバラしてくるなんてよ

 

栗林は、もう恋なんてしないと思いこんでしまうほど、深く傷ついていました。自分に自信を無くしていました。もしこの日、レンタル彼女の千鶴さんが励ましてくれなかったら、恋する幸せを思い出させてくれなかったら、和也が気遣ってくれなかったら、本当に一生恋ができなかったかもしれません。バカにされる覚悟で千鶴さんとの本当の関係を明かし、一生懸命に励まそうとしてくれた和也に栗林は本当に救われたはずです。

 

 

 

こんな無理なお願いを聞いてしまう、半年以上嘘の彼女を演じてあげる。その事実からして、千鶴さんと和也の関係は、単なるレンタル彼女と客のそれだとは思えません。栗林は千鶴さんに聞きます。

 

そうは言っても 無いだろ?

客に本気になるなんて…

 

 

◆ …うん “好き”…か …そうだね… どうかな? 39話

 

 …うん “好き”…か …そうだね…

どうかな?

 

 その返答に、栗林はまさかまさかと思いながら、ほんの少しだけその可能性を考えてしまうのでした。

 

(完)

 

 

さて、「栗林駿の恋物語」に需要はあったんだろうか…萌えの欠片もないですが…。

 

栗林の視点で振り返ってみると、この話めちゃめちゃ泣けますね笑。栗林から見て和也は一緒にバカをやった心の友みたいな感じだし、すごく気の使えるいい奴に映ってるはずです。プロ彼女としての千鶴さんを心から尊敬してるでしょうし、とても素敵な人に見えてるでしょうね。

 

栗林は、千鶴があの日、客に本気になることについて「どうかな?」と答えたのを聞いていますし、彼から見れば、ふたりは1年半もの間嘘の恋人関係を続けているんだから、レンタル彼女とお客以上の関係だと多少疑っていてもおかしくないですよね。この旅行で、ふたりの本当の関係になんとなく気づくかもしれません。

 

彼にとって瑠夏は、まだ忘れられない人でしょう。きっと彼女の前では、振られたときの言葉を思い出して、まだ胸が痛みそうです。普通に気まずいですよね。栗林は、いま瑠夏が和也の彼女であることどころか、二人に交流があることさえ知らないので、「なんでこの旅行にるかちゃんがいるの?」って感じでしょうね。とりあえず、和也に瑠夏がこの場にいるワケを聞きに行くんじゃないでしょうか。和也は、「とりあえず何も聞かずにいてくれ」って答えそう。瑠夏に恋をしていた栗林に、自分の彼女だなんて言えるはずないですから。

 

 

◆個人的に会って好きにでもなられちゃったら それこそやぶ蛇ですよ 37話

 

一方瑠夏にとって栗林は過去の人。彼を傷つけたことは、和也くんの彼女になるために必要な過程。完全に割り切っています。栗林がかわいそうですね…。とはいっても、レンタル彼女だったことを知っていている栗林に、「るかちゃん なんでここにいるの?」なんて目で見られたら、瑠夏は千鶴の友達でいるしかありませんね。瑠夏のアプローチに対する抑止力としては十分機能しそうです。

 

あと、麻美ですが、かなり高い確率でこの旅行についてきてると思っています。和おばあさんに電話をしたときに、麻美がこの旅行を提案したのかもしれませんね。この後合流するのかもしれませんが、それよりも、遅れてくると理由をつけて隠れているような気がします笑(期待大)。そちらの方が周りの目に行動を制約されず、タイミングを見計らってなすべきことをなせますからね。実は裏でとんでもない画策をしてるのかも。麻美がこのカオスに何をぶち込んでくるのか、楽しみですね。


 

 

 

  栗林と木部の役割

 

わざわざ登場させたのだから、栗林も木部も、この旅行で何かしらの役割が与えられているのは間違いありません。しかし、彼らが旅行について来たのは、和おばあさんに呼ばれたからであって、何かしら目的があってやってきたわけではありありません。いまのところふたりが何をするのか、見当もつきません。

 

木部が和也や千鶴に何か助言めいたものをするのかもしれませんし、栗林は、瑠夏の行動を制限して彼女の嘘をバラすためにがいるのかもしれません。でも、そんな簡単に予想できそうな話を宮島さんが描いてくるはずはないだろうなと思っています。

 

僕が栗林の登場で思い出したのは、海くんでした。かのかりはキャラクターの気持ちを描く作品です。何よりも見せたいのが気持ち。気持ちには、ものすごくシビアに物語が展開されてきました。

 

宮島さんが、キャラクターに何か言わせり、何か行動させたいと思っても、キャラクターにそれができる意思がなければさせられません。なので、特定の状況を与えることで、キャラクターの気持ちに火をつけ、彼らの気持ちを前へ前へと動かしてきました。

 

言い方を変えれば、特定の状況をあたえることで、キャラクターの気持ちをあぶり出し、それを読者に見せてきたわけですね。

 

もっとも分かりやすい例が、クラファン最終日に海くんが千鶴を観劇に誘ったときです。

 

好きじゃない でも 好きじゃなくもない (127話)

 

 

◆好きなの?その彼のこと 

 

クラウドファンディングの最終日でどうしてもビラ配りに行きたい、和也の想いを裏切りたくない、けど海にアプローチされてしまって本心を話さなければ離してもらえそうにない。千鶴はこういう状況に追い込まれてやっと本心を語る決断をしました(【解説】好きじゃない でも 好きじゃなくもない)。

 

千鶴は超ド級のツンデレですから、単純に聞いたところで本心を話すはずもありません。「好き」と言わせるために、わざわざこの状況を千鶴に与えたわけですね。

 

 

 

◆いえ… 何でも… 187話

 

和也の彼女は私

 

千鶴にレンタル彼女ではなく”私”として旅行について行くという決断をさせたのも、まさに状況の力です。絶対にレンタルしてもらうことができないと言う状況を千鶴に与えることで、「和也の彼女は私であって欲しい」「レンタル彼女よりも和也の彼女でいる方が大事」という今の千鶴の気持ちを描いたわけです。これが、宮島さんが「状況」と「行動」で描く気持ちの表現ですね(【解説】好きとは言わない水原千鶴の 状況と行動の間にある「好き!」)。

 

この旅行でも、宮島さんはキャラクターの気持ちを動かすための”状況”を用意しているはずです。そこに、栗林というキャラが必要だったんじゃないでしょうかね。

 

和おばあさんに千鶴との関係が嘘だと明かさなければいけない

瑠夏とのお試しの恋人関係を解消したい

千鶴に告白したい

瑠夏との関係が何なのか知りたい

 

状況次第で、動いてしまいそうな気持はたくさんありそうです。

 

栗林も木部も、決してヒーローのように一人の力で問題を解決したりしないと思いますが、他のキャラクターと話し行動することで、とんでもない状況をもたらしてくれるんじゃないかなと期待してます。もしかしたら、和也と千鶴がその”状況”に追い込まれた末、大きな決断を見せるかもしれませんね!

 

 

 

凄く抽象的な予想になってしまった気がしますが、具体的にどんなことが起るのかたっぷり妄想して、今後の展開に期待しましょう。間違いなく、宮島さんは僕らの上を行くはずです。

 

では、次の記事で!

 

水原千鶴の視点で振り返る「彼女、お借りします」レビュー&解説「水原千鶴の恋物語」もどうぞよろしくお願いします。