【雑談】男性には掴みにくい? 千鶴の気持ち | 恋心、お借りします

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(自称)水原千鶴を応援する会の会長。
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男声には掴みにくい? 千鶴の気持ち

 

はいどーも。かのかり楽しんでますか?

 

今日は、”男性には掴みにくい、千鶴の気持ち”ということテーマに雑談です。

 

最近、女性の友達にかのかりを激推ししまして、読んでもらったんです。そこで気づいたのが

 

この人 理解力がヤバい

 

僕が一生懸命読み解いた、水原千鶴の恋物語を初見で掴んでるんですね。まぁ僕も情報処理スピードが高い方ではないので、初見は苦手です。でも、この差は何なんだ!?と思いました。

 

極めつけは、僕が「千鶴は和也が自分のことを好きだとは考えていなくて、それで好きとは言えないんだよ」と説明すると。

 

そんなの 千鶴の和也への接し方を見たら 分かる

 

だそうです。マジっすかw

 

水原千鶴の視点で振り返る「彼女、お借りします」レビュー&解説「水原千鶴の恋物語」を是非!

 

 

 

おそらく男性読者が大半のかのかり。ツイッターなどで出会ったガチ読み込み勢の方は千鶴の気持ちもちゃんと分かってます。感心させられる。っていうかレビューを書くために相談してます。ありがたい。

 

でもそんな一部を除いて、水原千鶴の恋模様、彼女の気持ちを掴んでいる男性読者ってほとんどいないんじゃないかなと思います。きっと和也のこと好きなんだろうなくらいの認識。すくなくとも、千鶴の気持ちをきちんと捉えているレビュー記事を僕は見たことありません。

 

僕の読解力がないだけかもしれませんが、男性読者には千鶴の気持ちは掴みにくいと思っています。

 

男性読者には千鶴の気持ちがつかみにくい

 

これを仮定して、じゃぁ、なんで掴みにくいのかちょと考えてみようと。

 

ま、僕の言い訳です。

 

それは共感しやすいキャラクターとシーンの印象に、男女差がかなりあるからだと考えています。ちょっとこれを意識して読めば、千鶴の気持ちも、もっと言えば他のヒロインの気持ちも楽しむことができるかもしれません。

 

 

 

  無意識に共感してしまうキャラクターの違い

 

男性読者が共感しやすいのはやっぱり和也なんですね。彼が、千鶴のことであれこれ悩んだり、千鶴のかわいさレビューだったり、そのあたりは、うんうん良く分かるわって読んでると思います。時には、分かりすぎてこっちが恥ずかしくなるくらい。

 

コイツ馬鹿だなー わかる わかる

なかなか和也やるじゃねぇか 成長したなぁ

千鶴ちゃんかわいい 瑠夏ちゃんかわいい

墨ちゃんかわいい 麻美ちゃん怖えぇ

 

だいたい和也の気持ちに共感して、和也の目線で物語を読みます。もちろん千鶴の様子も見ますが、それもあくまで外側から見た千鶴ですよね。

 

この子 すげーお人好しだ

千鶴ちゃん ドキドキしてる? かわいい

なんで 和也みたいな男の 面倒見てるんだろう

 

まぁこんな感じ。僕もそうでしたし。

 

男声読者が、千鶴の立場に立って、千鶴に共感して読むってことは、意識しないと難しい。意識しても難しい。

 

意識して視点を変えない限り、理解しているのは和也目線の物語、千鶴を外側から見た物語だと思うんです。かのかりはレンタル彼女と客のすれ違いの物語ですから、和也と同様に読者もすれ違い続けてしまいます。

 

千鶴は、漫画史に残るといって良いほど、”好き”を表現するのが下手なキャラクターです。ツンデレと言いますが、好きな子にもほとんどデレません。ツンケンするか、ドライか、理屈を並べます。これまで一度も和也が「好き」と言ったことないんですよ。直接的な心理描写もほとんどありません。「ばかっ」だけで気持ちを表現しちゃうような子です。

 

そうなると、男声目線で彼女の”好き”を捉えるのは、せいぜい、赤面してるとか、ドキドキって描写が入ってるとか、それくらいしかなくなってしまいます。これでは彼女の本心を捉えるのは不可能。これが実際なんだと思います。

 

 

  シーンの印象における男女差

 

共感しやすいキャラクターが違うと、シーンの印象も全然変わってくるはずです。

 

 

◆安心してっ 私が”彼女”でいる間は 放っておいたりしないから 20話

 

例えばこのシーン

 

安心してっ 私が”彼女”でいる間は 放っておいたりしないから

 

千鶴は、おばあちゃん同盟の企てで和也と旅館に宿泊したとき、「借りたいんだ」という和也に「いいよ」と答えます。そして、レンタル彼女の役割はお客さんのケアだと説明し、”本物の彼女を作る”約束をしちゃうんですね。もちろん、和也に彼女ができるまで、嘘の恋人関係を続ける気でいます。

 

この子 天使か!

超絶 お人好しか!

 

そう思いません?迷惑な客にここまでするとは。

 

でもこの印象、千鶴の目線では全く読めてないんですね。

 

千鶴がなぜここまで協力的になったのか、嘘の恋人関係を続けるのか、それは海で和也に命を助けられたからです。

 

 

◆海でおぼれたところを助けられた千鶴 15話

 

あいつ悪いヤツじゃねーんだ

きっと あんたのこと 最後は幸せにしてくれると思う

 

このとき千鶴は、木部くんに言われたことが胸に刺さるんですね。この人、ちゃんと誰かを幸せにできる人なのかもしれないって。

 

 

◆和也に命を助けられたうえ キス?までしてしまった千鶴 15話

 

そう言った木部くんに気を使ったのかもしれませんが。少女漫画的に言うと、命を助けられてトキめいちゃったわけです。んで

 

当然でしょ 彼女なんだから

 

「別れた」って早く言うはずだったのに、そう周りに宣言して、嘘の恋人関係を続けちゃったんですね。

 

もう少し 嘘の恋人関係を 続けてみよう

 

そう思ってしまったんです。こう丁寧に説明されれば、なるほどそうかって感じですけど。初見で理解できましたか?

 

和也が海でおぼれた千鶴を助けたシーンの印象って

 

和也 割と勇気があるところあるな 見直したわ

千鶴ちゃん 顔真っ赤にしてかわいい

ドキドキしてるw

 

こんなもんスよ。和也が千鶴を助けるために勇気を出したシーンであって、かわいい千鶴が見られたシーンであって、千鶴が和也のことを見直したシーンという印象は薄いんですね。

 

でも、たぶん女の子からしたら

 

和也くん 結構いい子じゃない

こんなことされたら 運命感じちゃうかも

千鶴ちゃんも きっと彼のこと見直しちゃうよね

 

間違いなく千鶴が和也のことを見直したシーンなんです。

無意識に共感してしまうのが千鶴なんで、そういうシーンとして脳に刻まれてると思います。

 

安心してっ 私が”彼女”でいる間は 放っておいたりしないから

 

そう言った千鶴も、別にお人好しではなくて、和也のことが気に入ったんだよねって分かるんですよ。彼女の”気持ちの流れ”を簡単に掴めるんですね。

 

「彼女、お借りします」はレンタル彼女の水原千鶴と客の木ノ下和也の距離感をテーマにしています。千鶴から見た和也の印象が、千鶴にとって彼がどんな存在なのかが変われば、当然和也への接し方も変わってくるんですよね。ちゃんと千鶴の気持ちの流れが描かれているんです。

 

 

◆これからは対等 フェアなお隣さんで居ましょっ 57話

 

フェアなお隣さん宣言をしたのだって、和也に女優として応援されて嬉しかったからなんです。

 

水原に才能が無いわけねーだろ!

だから諦めるなんて言うな!

 

毎週レンタルするって言ってくれた和也の言葉が、涙が出るほど嬉しかったんですよね。

 

極端な話、男声目線で読んだら、なに和也は馬鹿みたいなこと言ってんの?ってシーンです。でも千鶴に共感しながら読んだら、ホント嬉しくて嬉しくて仕方がないっていうシーンなんです。

 

それが掴めていたら、バッティングセンターでハイタッチを求めた千鶴の気持ちだって簡単に分かるはず。応援してくれるから、ちゃんと付き合いたし、もっと言えば仲良くしたいんですよね。

 

◆なんだか 人前で泣いたら すっきりしちゃった 166話

 

俺の理想の彼女はさ

 

この言葉を聞いて、和也の傍で泣き続けたシーン。

 

和也が千鶴を泣かすことができた、ではなく、千鶴が和也を頼ることができたシーンに映りましたか?

 

本当は 和也くんを 頼りたかったんだよね

悲しみを受け止めてもらえてよかったね

きっと 傍にいて欲しいって思うよね

 

千鶴の気持ちに共感できましたか?

 

僕は、初見では無理でした。

 

本気で千鶴目線で読み込まないと、作者が表現したかったものを正確に捉えるのって、千鶴の気持ちの流れを、千鶴にとって和也がどんな人なのかを捉えるのって、難しいと思うんですよね。

 

 

 

  千鶴の恋物語は明確に描かれている

 

漫画「彼女、お借りします」では、千鶴の気持ちを表現したシーンが印象的に描かれてます。めちゃめちゃはっきり描かれています。そして、それらのシーンが数珠繋がりとなって、彼女の恋物語が展開されています。

 

自分の恋心に気づけないままレンタル彼女として和也と接していた千鶴が、彼に応援されることで少しずつ恋心を膨らませ、嘘の恋人関係を失いかけて”彼が好きだ”と気づく。おばあちゃんに「彼ほど相応しい人はいないわ」と言ってもらい、嘘を本物にしたいと願うけれど、和也が自分を好きだなんて信じられず、悩んでしまう。映画製作とおばあちゃんとの別れを通して、男の子として好きと言うだけでなく、自分を支えてくれる存在として和也を認識していく。そういうストーリーが明確に描かれているんです。

 

でも、千鶴にとって和也がどう映ったのかっていう、千鶴目線のシーンとして理解しないと彼女の恋物語は全然理解できないんです。ひとつ、ふたつ掛け違えると、着いていけなくなってしまう。

 

なにも乙女ごころが分からなくても大丈夫です。ただ、自分が見ている物語は和也の視点になりがちだと自覚して、意識して千鶴の目線でシーンの意味を捉えるってことができたら、まったく違う物語が見えてくるんですね。ちなみに、麻美ちゃんの物語も展開されていて、あの子のやっていることも理解できるって分かるはずです。

 

という感じで、男女で共感しやすいキャラクターが違うせいで、千鶴目線でのシーンとして理解できない、それゆえ彼女の恋物語を理解するのは難しいという、僕の言い訳でした。

 

ぜひ一度、千鶴目線で、かのかりを楽しんでみてください。

 

では、次の記事で!