【解説】千鶴が和也と恋人になろうと決めた瞬間 | 恋心、お借りします

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【解説】千鶴が和也と恋人になろうと決めた瞬間

 

はい、どーも。かのかり楽しんでますか?

 

こちらの記事では、水原千鶴の恋を語るうえで、とても大事なシーン、千鶴が和也と恋人になろうと決めた瞬間のお話です。そして、すこしだけ僕のかのかりの読み方についても話していこうと思います。

 

え?千鶴は恋人になると決めてるの?と思ったあなた。

なれなかっただけで、千鶴はずっと和也と恋人になりたいと思っていますよ。

 

 

  少しずつ”好き”を積み上げる千鶴の恋

 

「彼女、お借りします」のヒロイン、水原千鶴は、ある日突然恋を始めるヒロインではありません。この作品がレンタル彼女と客の距離感をテーマにしていることもあり、少しずつ和也を好きになっていきます。ですので、千鶴は和也が好きなのかという問いについては、0か1かで答えられるものではありません。作中で千鶴の気持ち(和也をどう思っているのか)が明確に描かれています。

 

千鶴の気持ちを捉えてシーンをつなげていくと、ひとつながりの恋物語が見えてきます。ざっくりですが、見てみましょう。

 

 

  恋愛する気はさらさらない 32話

 

◆レンタル彼女と客の協定(詳細 「水原千鶴の恋物語 1-6巻 理解度①」)

 

 

  一瞬恋愛対象として見る 50話 

 

◆なによ さっきの ばーかっ

 

 

  仲良くしたい 走り出した無自覚の恋 57話

 

◆フェアなお隣さん宣言

 

 

  自分の恋人として意識する 66話

 

◆はじめての嫉妬

 

 

   好きな男の子になる 80話

 

◆前ハグにドキッ

 

 

  好きだと自覚する 誕生日 86話

◆和也の誕生日(詳細 「水原千鶴の恋物語 7-12巻 理解度②」)

 

 

  恋人になろうと思う 112話

◆おあばちゃんへの相談と祝福 (詳細 「水原千鶴の恋物語 13-18巻・前編 理解度③」)

 

 

  恋人になれないことに苦しむ

◆あーもうッ (【解説】ずっと深刻だった水原千鶴の葛藤

 

詳しくは、水原千鶴の恋物語をご覧ください。

 

 

ものすごく雑な説明になってしまいましたが、千鶴の恋は少しずつ発展してきたんですね。

 

では、千鶴が和也と恋人になろうと決めた瞬間(112話)を細かく解説していきますね。

 

 

  和也と恋人になろうと決めた瞬間

 

13巻112話 千鶴がおばあちゃんに「私がカレシつくった時おばあちゃんどう思った?」と聞いたシーン。このとき、(なれるなれないかは別にして)千鶴は和也と恋人になろうと決めた、といって間違いではないでしょう。

 

◆私が…カレシ作った時…おばあちゃん…どう思った? 112話

 

僕は初見ではそこまで掴めなかったんですが、恋に悩んだことのある女性なら、このシーンの意味が簡単に分かると思います。

 

頼りにしている人に恋の相談をしているんですね

 

良く分からないという方のために少し解説しますね。

 

千鶴は今、和也に恋をしています(八重森のからかいに赤面したり、瑠夏のカレーに嫉妬したり)。和也に恋をしていることに気づいたのは最近です(86話)。これまで彼氏を作ったことはなく、おそらく初恋。千鶴はクラウドファンディング成功に尽力する和也に感謝し、彼を頼りにしています。でも、和也が自分に振り向いてくれるとは思っていません。和也には、「付き合ってないだろ…?俺たち…」と言われてしまいました。

 

おばあちゃんという存在は、千鶴にとって世界で一番信頼できる人です。唯一、本当は弱さを持つ自分を見せられる人です。甘えられる人です。

 

そんな人に、恋を始めたばかりの千鶴が「私がカレシつくった時おばあちゃんどう思った?」と聞いて、何をしたかったのか。

 

和也への恋について聞いてほしかったんです。相談したかったんです。

 

もう少し細かく見てみますね。

  1. はじめての恋に進むことに、また和也が振り向いてくれないこと不安を感じ、相談してその不安を解消したい。応援してもらいたい。
  2. 嘘から始まった恋に進んでいいのか分からなくて、おばあちゃんに意見を(和也の印象を)聞きたい。
  3. おばあちゃんの死期が近づいるため、好きな人(未来の恋人/夫)を認めてもらいたい。
 
十分考えられそうな目的(何をしたかったか)を挙げてみました。1の不安を解消したいが一番しっくりきますが、1-3全てが混ざっていてもおかしくありません。いずれにしろ全てにしろ和也との恋について聞いてもらいたかったんです。
 

そしておばあちゃんの返事が「でも彼ほどあなたに相応しい人はいないわ」

 

あなたには和也君が必要だわ 和也君もあなたを必要としてくれる 

 

千鶴が世界で一番信頼している人がそう言ってくれたんです。なら、この恋に進もうと千鶴は思ったと理解するのが最も自然です。

 

このときには、すぐに和也と恋人になろうとは思っていません。和也に好きだといえる関係性でもありませんし、決意もありません。和也はレンタル彼女の私なんて何とも思っていないだろうと、不安ばかりです。でも、このとき千鶴の気持ちは決まったといって良いでしょう。

 

和也の恋人になりたい 2人の未来を願いたい

 

 

 

こうやって千鶴の今置かれている状況や、他のキャラクターとの関係性をちゃんと理解すれば、その言葉を言って何をしたかったか(目的)が見えてきます。これがキャラクターの気持ちなんですね。

 

こういった”状況”や”関係性”はきちんと作中で描かれています。千鶴は一言も「和也が好き」とも「恋人になりたい」とは言いません。しかし、言葉にならない気持ちがちゃんと掴めるように描かれているんですね。

 

◆あなたって いい人ね! 112話

そしておばあちゃんに祝福してもらった後の帰り際。和也との恋に進もうと決めた千鶴が、和也に「あなたって いい人ね」と言います。このとき千鶴は何がしたかったのか。

 

あなたが好きです

 

そう伝えたかったんです。私の夢のために頑張ってくれてありがとう。味方でいてくれてありがとう。おばあちゃんも認めてくれた。そんなあなたが大好きです。そう伝えたかった。レンタル彼女の立場では「好き」だなんて言えません。でも、恋愛感情だけ隠して、できるだけの言葉をつくしたのが「あなたって いい人ね」なんです。めっちゃめちゃ可愛い。だからブログのアイコンにしてます。

 

という感じで、このシーンの解説をしてみました。