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こらあのブログ

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『秘密』
東野圭吾
2001年5月10日第1刷
2010年9月10日第47刷
株式会社文藝春秋


なぜか、手に取る本がタイムリーな話題にあたることが多い最近ですが、今回はスキーバス事故。

スキーバスの事故に遭い、妻が亡くなり、生き残った小6の娘。
しかし、娘の体に宿っていたのは、妻の魂、意識だった。

娘の意識が戻ってきた時のことを考えて、「自立できる女性」になれるように、勉強に励み、家事も両立する妻。
しかし、若い体と精神を満喫し、充実した人生をやり直しているかのように、とれる活動は、主人公の嫉妬と猜疑心を増殖し、円満であった夫婦関係も徐々にギクシャクしたものになっていく。

「妻」であった存在が徐々に「娘」の比率が高くなってくることに対する「夫」であり「父」であることの戸惑い。当然、社会的な立ち位置は相手との相対的なものであらざるを得ないので、一つの「体」と「精神」に向かって、「夫」から「父」に切り替えることは、そんなに簡単ではない。

そんな、「家族」論から、事故の補償、運転手の労働条件、等非常に奥深いテーマの小説。
『ジウⅢ ー新世界秩序』
誉田哲也
2009年2月25日初版発行
2011年7月15日15刷発行
中央公論新社


ジウシリーズの3作目、フィナーレ、完結編。

伊崎基子と門倉美咲。そしてジウ、東。




覚せい剤の元締め、ミヤジ。
歌舞伎町治外法権・独立作戦。

ジウⅡで明らかになったミヤジと覚せい剤の関係。
今更ながら覚せい剤の魔力には思い知らされる。ちょうど清原和博逮捕とタイムリー出会ったこともあるが、一度足を入れてしまうと虜にされてしまうのだろうと改めて思う。


『資源の循環利用とはなにか  ーバッズをグッズに変える新しい経済システム』
細田衛士
2015年2月13日第1刷発行
株式会社岩波書店

廃棄物政策に関する本。
筆者の言では、グッズ(一般の財、サービス、「動脈ビジネス」)とバッズ(廃棄物、「静脈ビジネス」)の特性比較をベースに、「出口」の環境問題(処分場枯渇)と「入口」の環境問題(資源枯渇)に対する政策提言の内容。静脈ビジネスの特性として挙げられているのは、①情報の非対称性、②価格のグッズ化/バッズ化の変動、③「インフォーマル」(悪徳業者)の参加、④(潜在的な)資源性と汚染性の両面具備、⑤疎→密の物流整備、等がある。
その中で、市場に任せる部分(効率性確保)と政府がコントロールする部分(確実性確保)のバランスが必要。アイテムや状況に合わせて個別に考える必要がある。
将来的には、グッズメーカーによる「資源効率性」管理の方向に向かうだろうとのこと。

また、ちょうどタイムリーに、愛知県稲沢市の産廃業者によるCoCo壱番屋からの廃棄受託品の横流し転売問題。まさに「インフォーマル」業者による情報の非対称性を悪用した不正。「食品」というデリケートなアイテムでこのような問題が起こると、影響が大きい。また、このような問題が起こると確実性確保の方向で、効率性を若干でも犠牲とした規制強化の方向に進む可能性が高くなってしまう。本文中には「ソフトロー」(弱い法律、「自然法」として理解)として記述されているが、まさに倫理観の問題。

「グッズ」とは異なる「バッズ」の世界は対応が非常に難しいことを再認識。ただ、市場、法律、その他を含めて未整備、洗練化されていないということが大きいのだろうが。