東野圭吾
2001年5月10日第1刷
2010年9月10日第47刷
株式会社文藝春秋
なぜか、手に取る本がタイムリーな話題にあたることが多い最近ですが、今回はスキーバス事故。
スキーバスの事故に遭い、妻が亡くなり、生き残った小6の娘。
しかし、娘の体に宿っていたのは、妻の魂、意識だった。
娘の意識が戻ってきた時のことを考えて、「自立できる女性」になれるように、勉強に励み、家事も両立する妻。
しかし、若い体と精神を満喫し、充実した人生をやり直しているかのように、とれる活動は、主人公の嫉妬と猜疑心を増殖し、円満であった夫婦関係も徐々にギクシャクしたものになっていく。
「妻」であった存在が徐々に「娘」の比率が高くなってくることに対する「夫」であり「父」であることの戸惑い。当然、社会的な立ち位置は相手との相対的なものであらざるを得ないので、一つの「体」と「精神」に向かって、「夫」から「父」に切り替えることは、そんなに簡単ではない。
そんな、「家族」論から、事故の補償、運転手の労働条件、等非常に奥深いテーマの小説。