『男たちの好日』
城山三郎
昭和電工創業者 森矗昶(のぶてる) 氏がモデル。
千葉県外房出身で、カジメという海藻からヨードを取り出す事業を、小学校卒業と同時に
父親と共に行ってきた。カジメ焼きは漁師の副業であったが、徐々に資本家による集約が図られると、
持ち前の統率力を発揮し、森は房総一帯の元締めとなった。
その後、海外資本の参入等により競争激化すると、「味の素」創業者の鈴木三郎助からヨード事業を
譲り受ける。ヨード事業は失敗するものの、鈴木三郎助の会社で役員待遇で遇されると、統率力を
持って、苦難の水力発電事業を長野、東北と続けて成功させる。その後、「日本の柱たらん」とする
信念に基づき、政治家にもなる。
一方で、電力需給が供給過剰気味になると、電力消費事業として国際技術による「化学肥料」事業を
開始し、続けて「アルミニウム製錬」事業・・・と、現在の「昭和電工」の事業内容に通じる事業を開始。
「硫安」、明礬石を使用した「アルミニウム」共に日本で独自の技術で事業化したのは森が初めてである。
戦中に入ると、国家による経済統制が進められ、本人の意思とはかけ離れながらも、「統制会社」の
社長等を歴任することになる。
学歴は小学校卒でありながらも、「物おじしない」「積極的」な性格、「気前の良さ」、「日本の柱たらん
とする信念」により、現在も大企業として名を連ねる会社を創設した人物。