『社長の器』
高杉良
1992年2月15日第1刷発行
2007年7月2日第39刷発行
株式会社講談社
中小企業社長の父親が作った2つの子会社。
ニチベア(ミネベア)は、名門紡績会社(鐘ヶ淵紡績?)で将来の社長候補と嘱望(?)されていた
兄・高原征一(実:高橋高見氏)、啓発製作所(実:啓愛社製作所)は弟・高原高望(実:高橋高望氏)
が経営することになった。
エリート街道を歩み、陰湿で攻撃的な兄と中小企業の親父らしい叩き上げで、優しく人情派の弟という
性格が正反対の兄弟の兄弟喧嘩がテーマ。主人公は弟だが、規模の拡大に走らず、適正規模で
従業員への還元を重視した経営を行い、従業員・取引先(日産自動車)・同業者組合からの人望高く、
衆議院議員になり、将来の社会党を背負う人材として期待されるまでになる。
一方で、エリート意識の強い兄はそんな弟が気に食わない。
弟の急死に伴い、弟家族への退職金・借金の催促等嫌がらせを行い、個人的な恨みだけで、
健全だった弟の会社も危なくさせるなどの行為を行う。
「社長」の「器」というよりは兄弟喧嘩・人間性の欠如的な恐ろしい話だが、取引先や従業員だけでなく、
今の言葉でいうと「ステークホルダー」全体から信頼の厚い人間というのは、どこに出ても立派な人間
であり、政治家でもなんでもできるのだということであり、そのような高潔な人間を目指していきたい。