目が覚めて、以前住んでいたところの知人の言葉をふと思い出した。
子供の年はあまり変わらないのだけど、
一回りくらい年上の女性で、私が23の時に知り合った人で、
「どうしてるかなぁ~?」と思ったら、
なんと!数年ぶりに電話がかかってきた。
不思議なことにいつもそうなんだよね。
思い出すと電話がかかってくるのです。
「今朝、起きて、こっぴーさんどうしてるかしら?と思って」
彼女は、ある事情で旦那さんが働けなくなり、 数十年が経つ、
大地主さんだったので、不労所得とやらで賄っていたのかどうか、
我が家などよりずっといい生活をされていて、
とは言え、当時の同年代の家庭と比べると倹しい生活をされていた。
近所の人たちは、彼女が居ないところで、
「二人とも働かないのに生活費はどうしているんだろう?」なんて話を良くしていた。
それって我が家のことも、私が居ないところではなんて言われているかわからないなとも思った。
「どうしてる~?元気にされてるかしら?」と
電話から聞こえるのはいつもの明るい彼女らしい声。
貧乏で食べていくのもやっとで、
周りの同年代の人たちと比べては、悔しい思いや悲しい思いをしていた時に、
私が何を語らずともいつも悟ってくれて、励ましてくれていた彼女。
彼女自身は、とても裕福な家庭の出身で、苦労などとは無縁であったのだけど、
結婚して、我が家ほどではないにしても、お子さんたちに、
周りの子たちのように家族旅行をさせてあげることも出来ず、
辛い思いをさせたのだろうとの思いはあるようで、
当時はバブル経済の真っただ中だったからね、
小さい子供たちまで、贅沢を自慢したり、
貧乏人には今より当たりが厳しい時代だったと思う。
今の私に、
「こっぴーさん、若い時から工夫して生活していらしたもの、
それが実を結んだのよね」
と言ってくれる当時を知る人なのだ。
爪に火を灯すようなと言うけれど、
当時は、背中を丸めて嗚咽を堪えながら爪に火を灯していたようなもんだもんなぁ。
息子も貧乏人だといじめられたことも良くあった、
それって、それぞれの家庭でその子たちの親が、我が家のことを貧乏人だと噂してなきゃ
子供がそんなこと言うわけないもんね。
本当に、あの頃はなんて時代だったんだろう?
小学生の頃、みんなが揃って近くに出来た塾に通いだし、
通わせる余裕のなかった我が家の息子は友人たちに、
「塾に行かんとバカになるよ、バカのままでいいと?」
と、言われているところを目撃してしまった。
「あぁ、貧乏だからかぁ」
と、勝手に納得せんでくれ!
そんなこともあったなぁ。
いっぱい周りの人と比べて苦しんで、
いつの間にか周りの人の生活レベルなんて全く気にならなくなって、
やっと今。
貧乏で苦しんだ分だけ、
私には生活の知恵がいっぱい詰まってる。
当時、貧乏だと陰口叩いていた人よりきっとたくさんね(笑)