夫の両親も私の両親も、殆ど介護をした経験がなかった。
それぞれの祖父母たちは、
亡くなる数日前まで仕事をしたり、ひ孫の面倒をみたり、ボランティアをしたりして、長く寝込むこともなかったのだ。
今はあちこちで介護の話を耳にする。
「今は昔と違って医療が発達してるやろ?だから長生きはできるとけどねぇ・・・」
とは数年前に母親を看取ったTさん。
介護とはいっても施設に預けて、通う程度だけだったのだけど、
精神疾患のお姑さんと同居で仕事を持っている彼女にとっては負担だったと思う。
長生きはできるとけどねぇ・・・に続く言葉は、
弱った年寄りに高度な医療を受けさせて長生きしても本人も家族も大変なんよね。
とても優しいお母さんでお母さんっ子だった彼女でさえ、そう思うことがあるのだ。
私の周りでは、父がそんな状態。
うちの夫の月収の3倍ほどの医療費がかかっているそうだ。
良くなる見込みなんてないのに、どこか見つけては治療を続けている。
本人も我侭が通らなくなって苦痛でしかないだろうに、
それでも病院のベッドの上で生かされていることに意味があるんだろうか?
年寄りにだってクオリティ・オブ・ライフは大事じゃない?