本日、2024年9月3日付けの日本経済新聞に「技能実習生の失踪最多」という記事が掲載されていた。
2023年の技能実習生の失踪者数は9753人。
2022年の失踪者数は9006人であるから、昨年より747人も増えたことになる。
ただ、ここに少し数字のトリックがある。
技能実習者総数が増えているのだ。
技能実習生総数からの割合でいうと、2023年の失踪者の割合は1.9%。
2022年の割合は2.0%。ほぼ同じといっていい。
しかし、看過していい状態ともいえない。
特定技能の失踪者の割合は0.14%なのだから(2021年)。
さらに2019年~2023年の失踪者は合計4万607人。
そのうち、3万631人は出国あるいは摘発されて所在が判明しているが、それ以外の9976人は行方不明。
記事は技能実習生の失踪が多いことの理由として転職が禁止されていることを指摘している。
ただし、「やむをえない事情」があれば例外的に転職が許される。
従来「やむをえない事情」」が明確化されていなかった。
入管は秋にも「技能実習運用要領」を改定し、転職を認めるケースを明確化する(例:暴行、暴言、脅迫・強要、セクハラ、マタハラ等)。
転職手続き中のアルバイトも可能となる。
たしかに、転職が容易になれば失踪防止にある程度の効果はあるだろう。
しかし、失踪の理由は7割は「低賃金」。
これが改善されないかぎり失踪者は減らないだろう。
逆に言えば、日本人労働者と同等の賃金が保証されるという規定が遵守されるようになるだけで、技能実習制度への不満は相当減るだろう。