ちょっと前のことになりますが、こんな記事がありました。

 

 

(中日新聞5/19-2面)

 

 

 全国の障害者向けグループホーム(GH)のうち、結婚や出産、子育てに関する相談支援や自立支援を実施しているのは1割り程度にとどまることが、厚生労働省の委託調査で分かった。過去約2年間で実際に出産や育児を支援した事例があったのは3%だけだった。

 

 

グループホームの現状について、かなり批判的なトーンの導入部ですが、いや、そうは言っても、そりゃそうでしょう、って感じです。

 

結びは、下のとおり。

 

 

 課題を聞くと「障害者の子育てを支える体制が乏しい」「性教育を行う機会や人材の不足」「支援のノウハウが乏しく、どのような対応をすべきか分からない」といった意見が多かった。

 

 厚労省はこれを踏まえ、24年度に知的障害者や支援者向けの情報提供に乗り出す考えだ。

 

 

これまた、そりゃそうでしょう、です。

 

 

もう一つ、知的障害絡みの記事。

 

 

(中日新聞5/30-23面)

 

 

 臓器移植のあっせん機関である日本臓器移植ネットワークが、知的障害の療育手帳を持つ人の臓器提供の意思表示を一律に無効とする運用をしていたことが分かった。報告を受けた厚生労働省は、有効な意思表示が困難な障害があるかどうかは主治医らが確認することであり、手帳を持つことのみを理由に一律に判断しないよう徹底を求める通知を移植ネットなどに出した。通知は27日付。

 

 また移植ネットは29日「15歳以上の療育手帳を持つ人は知的障害者に該当するため、臓器摘出は見合わせる」と3月に周知していたとして、経緯と再発防止策を第三者組織で調査、検討するよう武見敬三厚労相から5月27日付で指示を受けたと明らかにした。

 

 知的障害の程度は個人差が大きい。臓器移植法では「提供に関する意思は尊重されなければならない」と想定されているが、こうした運用によって一部の人の意思が反映されない状態になっていた恐れがある。

 

 

こちらの記事は、臓器移植自体をどう捉えているかによって、感じ方が違ってくるかもしれません。

 

Daddy さん自身は、脳死判定技術をそれなりに信頼しているし、本人の意思表示が大前提ではありますが臓器移植に抵抗はありません。

 

 

ただ、その意思表示というもの、実は曖昧なところがあって・・・

 

記事では、知的障害者のそれが問題になっているわけですが、本当は、誰であれ、時に揺れ、時に惑い、するのではないでしょうか。

 

だからこそ「一律に無効とする」は、それはダメだよね、という話。

 

本来、臓器移植を「あっせん」する役割の臓器移植ネットワークが、移植しない方向で一律の判断をするというのは、それはもう「何かあった時の責任逃れ」⎯⎯真に自分の意思かどうか分からない知的障害者の臓器を移植させたという批判を避けるため⎯⎯だと言われてもしかたないですよね、と思います。

 

 

記事にもありますが、臓器移植ネットーワークは、こんなコメントを出しています。

 

令和6年3月1日付で全国都道府県コーディネーター向けに行った周知事項について、この度臓器の移植に関する法律(平成9年法律第104号)第15条及び第16条の規定に基づき、厚生労働大臣より指示書を、移植医療対策推進室長より通知文を受領しました。

 

当社団は死後の臓器提供のあっせん手続きを担う唯一の団体として、当該指示書並びに通知を大変重く受け止めております。
 

指示書に従い、第三者による調査組織を設置し、調査及び検討を進めて参ります。
 

今後も引き続き、臓器提供に関する意思の尊重に努め、日本の移植医療の発展に尽力して参ります。

 

 

 

ちなみに、その「指示書」と「通知文」というのがこちらです。

 

 

 

 

厚生労働大臣、移植医療対策推進室長としては、当然の「指示」と「通知」なのでしょうけれども。

 

前者は、けっこう厄介。後者は、比較的分かりやすい、といった感じでしょうか。

 

具体的な「これはダメ」は分かるとして、抽象的な「こうしてね」は、正直、誰にとっても、何に対しても「言うは易し行うは難し」です。

 

 

関連する話として。

 

日本の臓器移植件数が「アメリカやヨーロッパの諸外国等と比べて格段に少ない」ことは、それなりに知られていると思いますが、その理由について、臓器移植ネットーワークはこう言ってます。

 

 

その理由として日本では、法改正後も脳死後に臓器を提供する場合に限定して脳死は人の死とされますが、世界のほとんどの国では、臓器提供とは無関係に、脳死は人の死として認められていることや臓器移植に関するガイドラインの厳しさが大きく影響しているものと考えられています。

 

そして制度も異なります。日本、アメリカ、ドイツ、韓国などでは、本人の生前の意思表示または、家族の同意のどちらかがあれば、脳死後の臓器提供が行われます。また、フランスやスペイン、イギリス(2020年より)などでは、本人が生前、臓器提供しない意思を示しておかない限り、臓器提供するものとみなされます。

 

 

 

う〜む・・・

 

「いいよ」でないなら「いや」と取るか、「いや」でないなら「いいよ」と捉えるか、ここを突き詰めていくと「100年の恋も冷める」の理由にだってなりそう。

 

 

とりあえず、ほんのちょっぴりでも引っ掛かる部分のある人は「臓器提供しない」意思表示をするものだと考えて、フランス、スペイン、イギリス方式にした方が、臓器移植は進みますし、臓器提供を待っている人にはその方が良いのでしょうけれども。

 

一般的相対的な話として、日本人は「いや」をはっきり言えない人のほうが多いですからね。

 

これもまた「言うは易し、行うは難し」かもしれません。

 

 

 

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V3 の作品「ぞう」。

 

 

 

こちらの記事、後半で触れた「大道芸 in とよはし2024」の思い出、ですね。

 

 

 

こちらの話です。

 

 

⑭Dctpeppers Theatre(ドクトペッパズ シアター)[巨大操り人形]
3mを超す巨大な象が練り歩く!?国内外で活躍し高い評価を得ている
人形劇団が、巨大なパペット作品でフェスティバルに初登場!
糸操り人形師の眞野トウヨウとの合作により産み出された、
圧倒的な存在感と、心を感じる繊細な動き、これは絶対見るしかないっ!!

 

 

興味のある方はこちらを。

 

 

 

ドクトペッパズとは

 

2012年 座・高円寺劇場創造アカデミー修了一期生にて結成。
オブジェクトや人形を使った演劇・大道芸の活動を続ける。
一つの表現方法にこだわらず、作品ごとに方法やオブジェクトを変えながらジャンルを越えた独自性を模索している。

 

2024年 糸操り人形師・眞野トウヨウ氏とともに巨大な糸操り人形の白象・白糸恩(はくしょん)を製作。日本のストリートアートの新たな可能性を切り開く挑戦を始めている。