不意にマジメな話。

 

 

国会では、LGBT関連の法律を急ぎつくるとかつくらないとか、その内容についても「理解増進」に留めるか、あるいは「差別禁止」まで盛り込むか、様々な話が飛び交い、いささか錯綜しております。

 

正直なところ、Daddy さんも考えはまとまってません。というか、LGBT当事者の実状とか心情とか、ほとんど知らないので判断のしようもありません。

 

 

なので、今回記事の方も「不意にマジメな話」から早々に転進しまして「気紛れ図書館」ということで。

 

 

たまたま、書店で目が合ったこちら、浅原ナオト(角川文庫『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』の著者)さんの文庫本です。

 

 

 

高三のバスケ部エース・塚森裕太が突然「ゲイ」だとSNSでカミングアウトした。騒然とするも反応は好意的。しかし同じ学校の隠れゲイの少年、娘をレズビアンだと疑う男性教師、塚森ファンの女子高生、塚森を崇拝する後輩は、彼の告白に苦しみ、葛藤する。それは「本当の自分」になるはずだった塚森も同じだったーー。痛みと希望の青春群像劇。

 

 

 

以下、ネタバレ含み、ご注意願います。

 

 

まずは「ふつう」に青春群像劇として楽しめました。それは間違いありません。

 

男の子、女の子、ゲイ、がいることで、ベクトルが綺麗に一回りする三角関係あり。そこら辺は、ちょっと新鮮だったりして。

 

 

主人公のカミングアウトから、1週間後のインターハイ県予選試合まで、5人の視点でそれぞれ語り直す構成です。

 

 

「本当の自分」を知ってもらいたい。けれど塚森裕太という名前のアカウントにログインして「人に見せている(清らかで正しい)自分」と、ログアウトした時の「自分しか知らない(濁り邪な)自分」との間で生じる葛藤・・・

 

ゲイだから、という部分は確かにあるのだけれども、そうでない人にとっても、思春期にはありがちな悩み、いわゆるアイデンティティのゆらぎと言えなくもない。

 

 

そういう意味でも、ちゃんと面白い物語でした。

 

 

ときに、以下は、それこそ物語展開の根幹に係る(と思います)ので、そのつもりでお願いしたいんですが・・・

 

 

崇拝していた先輩がゲイであることを受け入れられず、ワンオンワンを挑んだ後輩がボコボコにされる、というシーンがありまして。

 

そこで後輩が、まさに吐くようにして繰り出した言葉がこちら。

 

 

「おれ、このままDNAの解析技術とかが進歩すれば、人が同性愛者になる原因が見つかると思うんですよ。そうなれば生まれる前に子どもが同性愛者かどうかも判別できるようになる。今でも出生前診断ってあるじゃないですか。それで、あれで子ども重たい疾患があるって分かったら、堕ろしたりしますよね」

 

「だから塚森先輩も、そういう未来の世界だったら、腹ん中で殺されてましたよ」

 

 

腹ん中で殺される・・・

 

その可能性が実感できるかどうか、その恐怖を想像できるかどうか、その哀しみに共感できるかどうか、が、この物語を読む意味、みたいなところに深く係わってくるような気がします。

 

 

 

さて、もうひとつ。

 

こちらは、もちっと直接「政治的」なもの。

 

 

 

昨今、LGBTに対する差別や権利擁護が社会問題として大きく取り上げられるようになりました。しかし、左翼運動の変形としてのLGBT運動では、社会変革はできません。本書は、ゲイであることを公表した元参議院議員の著者が、急進的LGBT活動家が触れたがらない不都合な真実をあぶりだし、保守の立場からの新しいLGBT論を提唱します。差別と公正、人権と正義、保守とリベラルなど、これまで語られることのなかった、まったく新しいLGBT論です。

 

 

 

何というか、知らなかった、想像もしなかったことがてんこ盛りです。

 

が、ここで「おー」と思ったところを引き出すとキリがないので、とりあえず「あー、そう言われれば、そうだよなー」と思ったところだけ。

 

「あとがき」からです。

 

 

 実はカミングアウトの定義は明確に決まっていないのです。24時間365日、すべての人にカミングアウトしているLGBTは少ない。カミングアウトしている友達もいれば、していない友達もいる。家庭の中でも同じで、お母さんやお姉ちゃんにはカミングアウトしているがお父さんにはしていないというケースもある。一貫したアイデンティティを求めることの暴力性についての議論もある中で、カミングアウトの概念についてはもう一度整理し直したほうがよいかもしれません。

 

 

確かに、誰だって、誰に向けても何でもかんでも「カミングアウト」しているということは、あり得ないわけで。

 

自分自身、普通だと思えることも特殊だと考えていることも「隠すことではないけれど、言い触らすことでもない」というのが、たぶん自然。

 

 

実のところ、報道されているほどの勢いでLGBTへの理解増進・差別禁止を求めている人は、LGBT全体の中では少数派なのかもしれません。

 

むしろ、そっとしておいてほしい、ということもありえるでしょう。

 

関係ない人は関係ないままだって良いのです。

 

 

ただ、彼ら、彼女ら、どちらでもない人ら、の多くが本当に困っていることだけ(「家族」でないゆえに、お見舞いや介護ができない、相続を認められない、など)をちゃんと聴いて、政治的に答えを見つけるだけでも良いのでは、と思ったりもします。

 

 

と、そういうような気付きをくれる本でした。

 

 

 

 

 

 

 

ついで、と言っては何ですが、ここからは地元関連で。

 

いつの間にやら、もう5巻です。

 

 

超局地的ご当地コメディ第5巻!!

 

だもんで豊橋が好きって言っとるじゃん!(5)

https://www.takeshobo.co.jp/book_d/shohin/2064905

 

 

 

さらに、こんなのも。

 

びっくりなことに、こちらももう5巻ですよ。

 

 

ちょっぴりビターな、バレンタイン狂想曲
 

迫るバレンタインデー。佳樹が手作りチョコを贈るのはーーまさかの兄以外!?

そんな、佳樹にかぎって……。動揺する俺に、文芸部の連中は冷たい。

「妹ちゃん、好きな人でもできたんでしょ」「お、男だな」

……こいつら、コトの重大さが分かっていないな。佳樹はまだ中二なのだ。本命チョコなんて早すぎる。

焼塩の案で、桃園中学に潜入調査することになるがーーえ、俺、中学生に変装するの? こんなところ佳樹に見つかったら……いや、普通に喜びそうだな……。

大人気負け確ラブコメ第5弾。ブラコン妹×シスコン兄の明日はどっちだ!? 

 

 

 

「マケイン」については、こんな悪ノリ企画(?)まであるそうで。

 

 

 

 

さて、これは本ではなく新聞記事ですが。(特に何もしてないけど、一応高校の後輩ちゃんだったりするし)どさくさ紛れということで。

 

(中日新聞'23-3/14東三河版)

 

 

 初出場の名古屋ウィメンズマラソンを終えた鈴木選手は記者会見で「地元愛知でずっと走りたかった」と明かし、「苦しいとき、声援が力になった。応援してくれる皆さんへの感謝の気持ちをエネルギーに変えて走りきった」と感謝した。

 

 

 

 

 

 

V3 からも「エール」、なのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

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ダウン症当事者、家族の方々にしてみれば、出生前診断は、ただただ、ひたすら切実な話だろうと思います。答えは、決してひとつではないでしょうけれども。

 

 

私たちのために、ではなく、私たちとともに

 

 

 

 

ウイリアムズ症候群にしても、そう遠い未来の話ではないかもしれません。

 

 

7月9日はウィリアムズ症候群の日

7月9日と11〜23日はウイリアムズ症候群の14日間

 

(↑Daddy さん他、44人くらいで言ってるだけです)