昼前、私が畑仕事をしていたら、蔵の前にいた田んぼ仕事に来た長男に、二人のアジア系の男女が話しかけてきて、長男が私にお客さんだと言って呼ぶ。
今日はシンガポール人五人と、スロバキア人のカップルの七人なので、二人のお客は居ないはず。
予約を落としていたかと心配したら、他の三人は家の前に居て、五人のうちの二人が訊きに来ただけだったので安堵した。
車を置いて妻籠に行くと言うので、地図を渡してら歩いて行かれた。
3時半頃戻ってきてチェックイン。
六十代半ばのご夫婦と、六十歳前後のご夫婦とその娘さん。
五時頃には、スロバキア人のカップルもチェックイン。
昼間に畑仕事をしていると、多くの人が私にスマホを向けて写真を撮るので、後姿ならまだしも眼の前で撮る人には、「ノーピクチャー!」と言って拒否。
少し人通りが少なくなってからの方が作業がはかどるので、五時半頃までやってから民宿仕事にとりかかる。
六時半からの夕食だが、焼き魚と五平餅とおひたしや酢の物くらいで食べ始めてもらい、煮物やソバサラダ、蒸し物、天婦羅などは順次お出ししている。
最初に、ニジマスの塩焼きの骨の抜き方から教えるのだが、上手く抜けた時の歓声が面白い。
青皆敷の使い方も納得してやってくれる。
スロバキア人の女性が、スマホの邦訳文を私に見せてきた。
そこには「私が日本に期待して来たものが、ここには全てある。」といったことが書いてあり、やはり喜んでくれている言葉は素直に嬉しい。
シンガポール人達も「私の友達がここに泊まっている。」と言って、囲炉裏端で撮った写真を見せてくれた。
中国系もみんな同じ顔に見えるので、スマホの写真を見ても思い出せない。
友人から聞いて来たようで、私の唄を聴くことを期待してきたようだが、スロバキア人達は知らずに来たようだった。
木曽節を唄い終わったら、スロバキア人女性が大きな声で賛辞を叫んでいて、これもいつもの冗談で「ユア―、シンガー?」と訊いたら「イエス!」。
隣の男性も女性を示して「プロフェッショナル!」といったことを言うので、お願いして歌ってもらった。
奇麗な優しい声で歌ってくれて、もう一曲リクエストすればよかった。
私が夕食のため居なくなった囲炉裏端で、落書き帳を書きながら七人で談笑する声が聞こえてきて、仲良くして欲しいと言う私の目的が達成されて嬉しい。