曼殊沙華。
盆花とも彼岸花とも言うが、花が終わると葉が出てくる。
寒い時期に葉を出して、夏に花を咲かせる力を球根に蓄える。
いつも思うのだが、人の生き様にも似ている気がする。
特に今年はこのコロナ禍の影響の厳しい中で、生き方であったり経済的なものであったり、花を咲かせるために堪えて養分を蓄えるしかない。
常連が帰宅。
「お帰り!」
「ただいま!」
地元の梨や、途中で買ってきたお菓子、それに「友人がくれたけど、持って帰れないから食べて!」と言って、お菓子を。
堺のお土産
泉大津市のお菓子。
写真を撮ろうと思ったら、一つ食べられていた。
常連さんは今の時代、こうしたSNSで留守だと分かると悪いことを考える輩が居ないとは限らないので、分からないようにしたい・・という意向で、詳しくは書かないが、今日は他の宿に泊まりに行った。
我が家は今日は栃木県の女性三人と、埼玉の男性一人のお客さん。
一組限定で、三人で満室にしてあったが、限定を解除したため、昨日予約の有った男性を受けた。
四人とも私より少し年上なので、話しやすい。
お一人のОさんは夕食を食べだしてから「実は・・。四十八年前に撮った、お祖父さんの写真があります。」と言って、写真パネルを車まで取りに行き、店先で檜傘に字を書く祖父の写真を持ってきて見せてくれた。
パネルの縁が変色して染みもあり、五十年近い年月を感じる。
我が家に泊まったわけではなく、話を聞くとその時は叔母さんの民宿に泊まったようだ。
久し振りの妻籠宿の印象を、「空家ですか?閉まっている家が増えてますねぇ・・。」「街並みも昔と随分変わりましたねぇ・・。」
好くなった!益々好い所になった!という言葉は聞かれず、残念そうな口ぶりが気になる。
四十八年ぶりに来るにあたって、どこの家か調べて我が家に来られたとのこと。
四十八年経ってもご縁が続いていることに驚くと共に、わざわざ持ってきて見せてくれたことに感謝している。