今日のお客さん、お二人は広島県の方で、馬籠から歩いてこられた。
娘さんにインターネットで調べてもらったら、「囲炉裏のある民宿が良いでしょう」と言って我が家を勧めてくれたらしい。
それで、ご自分で予約の電話を入れたのだが、我が家が妻籠宿内にあるとばかり思われていたので、少しがっかりされたようだ。
お一人は建築業をしてみえたとかで、非常に木や建物に詳しい知識をもっている方だった。
我が家の料理でお出ししている小皿の一つは漆塗りで、我が家では木でできているから〔きでしょ〕と呼んでいる。
これは百七年前我が家ができた時、漆塗りの器やお椀を買って揃えたのだが、値段的に高いので揃えきれなかった時、没落した家の調度品が売りに出され、これを競売で買ってきたらしい。
従って、〔きでしょ〕は我が家より古いといわれているが、二百年経っているのか、三百年経っているものか、いつの時代のものか解らない。
地方によっては〔おてしょ〕と言うところもあるらしいが、
そんな話をしていたら「〔てしょ〕の語源は知っていますか?」と質問を受けた。
「いいえ私は知りません」と言うと・・。
“手塩にかける”という言葉もあるが、昔、食卓で各自塩気を自分で調整できるように置いた塩を〔手塩〕といったらしい。
そこから〔手塩〕の塩を入れた小皿のことを〔てしょ〕と言ったらしい。
とのこと・・・
お陰さんでお客さんから教えていただくことも多い。