命なりけり | 徒然コオロギ庵~旅する似顔絵師~

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一年の半分を旅に過ごす似顔絵師コオロギの日々の雑記。趣味の古墳巡り&地質巡り&車中泊アレコレetc徒然とだらだらと書き尽くします


年たけてまた越ゆべしと思ひきや
命なりけり小夜の中山 


約3週間ぶり、

もっとかな

大阪へ帰ってきました。


今回は特に長旅で

軽く2,000Km以上は走ったかな。

愛車の軽キャンパーテントむし君にホント感謝です。


いつも

出張など旅を終えて家に帰ると


命なりけり

っていう言葉が頭をよぎります。


上の歌は

静岡を通る昔の街道、

東海道の小夜の中山という難所にて

平安~鎌倉の歌人、

西行さんが詠んだ歌です。


西行さんが26歳のときに

初めて東北への旅をする際通った小夜の中山、

それから約40年後

69歳にして再び通った小夜の中山にて詠んだ歌。


あのときはもう一度この峠を越えると思っただろうか、いや、思わなかった。

命があってこそだなぁ。

みたいな内容。


今から15年くらい前、

東京から大阪まで

東海道を自転車で走ったことがあるのです。

その際通った小夜の中山。

その日は雨で

しかも道を間違えて

自転車では到底走れないボコボコの石畳の峠越え。

雨のなか足元滑りつつ自転車を押しながら

出会ったこの歌の歌碑。


命なりけり


なんだかすごく心に沁みました。

命があっての旅だなと。


もともとビビリ症だし

石橋叩きまくっても渡らないくらいの怖がりなので

あまり無茶はしないけど

旅は何があるかわからない。


いつも長い出張や旅に出るときは

もう帰ってこれないかもしれない。

大袈裟ですがいつも頭をよぎります。


むしろ

それくらいの覚悟をしつつ。。


なので

無事に帰ってこれたときは

命なりけり。

安堵感がね、ものすごいです。



そしてもひとつ

こうして自由に旅ができてるのも

家族が今のところみんな健康だからだなぁって。

この先、

親もいつまでも健康ではないだろうし

大阪を離れられなくなるときも来るだろうなと。

年齢的なことだけでなく

いつ何があるかわからないしね。

まして

今回のように

地元で地震なんかあったら

その思いはひとしおです。


命なりけり。

命があってのこと。



昨日帰って来る前は

家具を固定するタンス突っ張り棒のおかげで

飾ってたジブリの指人形が倒れたくらいで

ほとんど何も倒れず無事だよー

ってね

母から聞いてたんですが

いざ帰ってみたら

『あんたの部屋、スゴいでニヤリ(笑)』

なぜかいたずらそうに笑う母。


なんと

突っ張り棒が緩んでたみたいで

効果を発揮してなかった私の本棚が

なかなか大変なことに。

本を詰め込みすぎて容量オーバーだったのかもですが。


うちのマンションでも

突っ張り棒してない家は食器などかなりの被害があったそうです。

みなさん、

突っ張り棒を!

ほんとに

全然違いますから!


食器や物が落ちて壊れる

って

単に片付けが大変っていうんじゃなくて

ひとつひとつの物に

それぞれ思い出があって

それが壊れてしまうってね

すごい喪失感なのです。


マンションの方も

そうとう落ち込まれてだそうです。



今回の震源地が

淀川向こうのホントに目と鼻の先で

被害があった場所も

よく知ってる場所だったりで

なかなか動揺がおさまりません。



命なりけり。

どうぞ

皆様お気を付けて

ご無事で過ごされますように。