18切符使ってのんびり電車に揺られながら、
本を読む。
寝台車もいいけど、
ローカル線もいいなぁ。
日常の会話が飛び込んでくる。
単線1車両の列車で通学する学生さんのはじける笑い声とか(笑)
勝手に細胞が活性化する気がする^^;
家にたまってた読みかけの本3冊読み終わった。
そのうち2冊。
どっちも芭蕉関連の本。
左の『おくのほそ道を科学する』。
もう、自分の趣味ドンピシャな本!
芭蕉が旅した土地の地質学的解説(笑)
百人一首にも詠まれている『沖の石』は『三畳系利府層に属する頁岩で…』
とか
芭蕉が涙を流した多賀城碑は『長石質アレナイトといわれる層理のあまり発達しない砂岩で…』
もう、芭蕉の感傷をよそにざっくりと解説してくれてるのね(笑)
地質学ではないけど、
『文月や六日も常の夜には似ず』
私の好きな奥の細道七夕の句では、
彦星と織り姫は光の速度で14年半かかる距離離れている、、って(^_^;
年1回の逢瀬がーー!
とか、
地質学的に見ると、芭蕉が憧れ感動した景観地は凝灰岩が作り出す奇岩が多い、
そんな結論まで!
確かに!
松島も、山寺、那多寺も凝灰岩(笑)
それに比べて古生代の地質には興味を示さなかったとか、、
この本を持ってまた奥の細道巡りたい!
地質によって作り出す地形も風景も異なる、
それによって人の感じ方も違ってくるもんなー。
もっと言えば、
火山性のドッーと出来上がって、波風に浸食されやすい凝灰岩、
はるばるプレートに乗って遠くからやってきた古生層たち、
岩石の由来までに思いを馳せて奥の細道を鑑賞旅したらもっともっとおもしろいだろなー。
奥の深道だな!
芭蕉が現代の地質学の知識を持って旅をしたらどんな俳句が生まれただろ。
松島の月の白さや凝灰岩、、とか(笑)
(T△T)はぁ
そんな想像巡らせたのがもう1冊。
『海の細道』
芭蕉最後の旅。
長崎を目指した芭蕉、途中の大阪で、、
『旅に病んで 夢は枯れ野を かけ廻る』
命果ててしまった。
もし芭蕉が命果てず、長崎を、そしてその先の中国へ旅を続けたらどんな俳句を詠んだだろう、
当時は鎖国してたから中国ヘは行けなかったらしいけども、、。
俳人の長谷川櫂さんが、
淀川、瀬戸内海、東シナ海、長江と繋がる巨大な水路に沿って、
芭蕉が旅したであろう史跡を廻り俳句を詠んでるの。
長谷川さんの俳句が優しくて、、泣ける!
『鶯や主三百年の留守』
だれもいなくなった京都嵐山落柿舎を詠んだもの。
心震える俳句や歌や物語は、
単に情景を詠んだだけでなく、
その情景に深く感じ入り、情景と自分とが一体化して、
そしてその先に生まれてくる言葉なんだと思う、、
うーん、うまく言えない(^_^;
嘘がない!
リアル!
前に、
友達に『なんで空は青いか』とか『流れ星はなんで流れるか』を聞かれて、
科学的に答えたとき、
あ、、なんか夢がないな(^_^;
と自分で答えておきながら寂しい気持ちにもなったのだけど、
なぜそうなるのか知ってるからこそ見えてくる物語があるはず。
この先、14光年離れた七夕伝説が新しく生まれなくもない!?
ただの空想、ファンタジーじゃなく、
リアルの先の物語がおもしろいのだ。だ。だ。
うまくいえないけど、
旅して、
そういうのを伝えていける人になりたいなぁ。
とか。
そんなことを思う駅。