北のはじまりの土地【11】日給7,000円 | 徒然コオロギ庵~旅する似顔絵師~

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一年の半分を旅に過ごす似顔絵師コオロギの日々の雑記。趣味の古墳巡り&地質巡り&車中泊アレコレetc徒然とだらだらと書き尽くします

 

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私が巨大な鳥類の着ぐるみで遊んでいる間にやなさんが教えてもらった情報によると、



知床半島の突端に行くには、本格的なトレッキング装備や慣れたガイドさんが必要らしい。

2泊ぐらいのキャンプ道具とかも。

途中崖っぷちを歩いたり、海のなかを歩いたりするそうな。

カヌーでいくこともできるんだってー。


まぁ、今回のお気楽ドライビング装備では無理ね。

防寒具忘れてUNIQLOで買ってるくらいだから(笑)


『いつか行きたいねー』

と、未開の自然残る知床半島突端、いや、日本の突端を想っていると、


『よかったら昆布食べる?』

ビジターセンターのおじさんが昆布を持ってきてくれました。

味の濃い乾燥させた昆布。

道の駅の珍味屋の昆布も美味しかったけど、こちらの方がなんというか野性味のある味わい。


さすが北海道知床のビジターセンター、出してくれるものが違うなぁ。。

なんて思っていると、

『あー、田中さん、昆布勝手にもらっちゃったよー』

※田中さん(仮名)

と、ロフト状になっているビジターセンターの2階にいるツナギ姿のおじさんに声をかけた。


いつの間に!!

見るからに漁師らしく日に焼けて黒光りする小柄な田中さん。

『あの人、ここで昆布作ってんだ』


日本一の昆布とも言える羅臼の昆布!

黒光りするおっさんが極寒の冬を乗り越えて育てた日本一の昆布を!!

勝手に振る舞うビジターセンターのおじさん!!

いいのか?

たぶん国とかから派遣されて来てる役人とかでしょ?ザイダンホージンとか?

と、ハラハラしてたけど、どうやら相当な仲良しらしい(笑)


『こんな何もないところだからしょっちゅう遊んでるんだよ』

はぁ。確かに。ナニもないですね。。

知床の山と海に挟まれたわずかな土地。

はるか海の彼方には国後島がぼんやり見える。


『天気がいいと、双眼鏡で国後島を発着する飛行機とか走ってる車が見えるんだよ。ここから16キロしか離れてないしねー。』

※たぶん16キロでした。うろ覚え(- -;)


スゴいとこに来ちゃったなー。。

昆布の旨味をかみしめながら、海に浮かぶ巨大な昆布のような国後島を眺める。


『そうだ、田中さん、アレ見せてやってよ。』

『えー、あんなもん見ても面白いかー?』


ビジターセンターのおじさんと田中さんのやり取り。

『すぐ近くに田中さんの番屋があるから、面白いものがあるから行こう。』


・・・番屋??


『番屋っていうのは、夏の間の昆布漁の期間、寝泊まりして作業する小屋のことだよ』


へーー、

道すがら見た漁師の小屋のことか!

トタンでできた掘っ建て小屋。。


ここで寝泊まりかぁ。

なかなかワイルドだな。


『よかったらバイトするか?寝泊まりと3食食事つきで日給7,000円!』

おおお。

ちょっと惹かれるかも( ̄∇ ̄*


『仕事は朝早いけどなー。3時とかから。』


無理っす( ̄▽ ̄;)

朝早いのは、、勘弁!


夏の涼しい(いや寒いか!?)北海道で泊まり込みバイト、ちょっと惹かれるけど早起きは苦手。。


早起きできる性格だったら私の人生違ってたはず!

と、常々悔恨の日々です。


『この田中さんは夏の間だけじゃなく、冬も一人で番屋に泊まり込んでるんだ。』


( ̄▽ ̄;)( ̄▽ ̄;)( ̄▽ ̄;)


え、、??

冬??

え、、??


雪とか、

風とか、、

流氷的な、、

ほら、

人が住んで大丈夫な、、?

え、

冬?


想像を絶すると想像力が追い付かないのね。


海っぺりの小さな掘っ建て小屋にて一人で冬を越す田中さん。


『夏の間に採った昆布を乾燥させる小屋があるんだけど、そこに猫とか入らないように見張りをしてるんだ。』


うおおおお。

過酷な。

そこは現代文明でなんとかならんのか!?


センサーをつけるとか、猫避けの何かをつけるとか。。


田中さん!ああ!田中さん!

越冬田中さんのためならなんだってするよ!

アタシ、なんだってするよ!


無性に興奮しながら、テクテク海沿いを歩いて田中さんの番屋へ。



海岸の砂利の上に建てられた番屋。

冬の風雪にたえられるのか?はなはだ疑問しか浮かばないようなそんな小屋。

番屋の中は、、


確か2部屋あって、1つは作業部屋なのかいろいろな道具が置いてある。


もうひとつの部屋は畳のお部屋。

きっとここで寝泊まりしてるのね。


写真撮ろうかと思ったけど、人の生活風景を記録するのも悪いな、、と妙に気が引けてやめる。

ならば記憶に残そう!

と、くまなく眺めようとするも、



まじで、、ここで冬を越すの。。?


やはりあまりの想像を絶する世界に頭が記憶すらしてくれない。。のね。


人間、、想像の範囲を越えると、脳が思考停止するのかね。


いや、

このあと見たあるモノのあまりのインパクトに番屋の記憶が吹っ飛んじゃったのかもしれない!!!


つづく。下矢印