再掲 「いつ夕」解説 45
四日目 Ⅱ
ヨシ君は、友子が働く店「アランチア」を目指して、
「渡来町」へと向かいます。
現、「総合公園」(大峰が台、所謂、西山です) の麓の一画という設定です。
「渡来町」の入り口には、凱旋門に似た「平和の門」が建っています。
それを、「ほーー」っと眺めていると、
散髪屋の力也さんに声を掛けられます。
力也さんも本人が出演しているようなものです。
俺が中学生の頃から通っていた散髪屋さんで、
俺が描いた「設計図」と呼ぶ、髪型のイラストを見ながら、
面白がって刈ってくれていました。
いずれ、ハゲることはわかっていましたから、
髪があるうちに色々やっておこうという作戦です。
髪を刈られながら、様々なことを話しました。
中学、高校の多感な年頃の話、BARやバーテンダー、旅の話、
さあ、いよいよ、Kool を出店させよう、ということ……。
勿論、「いつ夕」のことも。
多分、冗談だったのでしょうが、
「いつ夕」に出演させてくれと言われていたので、
[完全版]執筆を機に登場してもらいました。
「いつ夕」には、勝山さんや好美さん、「心の師匠」など、
逝ってしまった人達が登場しています。
未練がましいことですが、
俺は、自身の作品に、逝った人達を刻み込みたかった。
心の中では、いつでも会えますが、
文章というカタチで、彼らを留めておきたかったのです。
力也さんは、Kool に訪れることも、
自分の登場シーンを読まれることもありませんでしたが、
きっと、あの人懐っこい笑顔で喜んでくれているように思います。
日日好日
そうですねー。
小説 「いつか見た夕焼け」には、力也さんのみならず、
多数の「ご本人」が登場しています。
名前は変えてありますが、
俺の身近な人ならば、この登場人物は、彼、彼女がモデルだろう、
と、気がつくのではないでしょうか。
俺の身近でない人も、こんな人がいる、いたんだなあ、
と、想いを巡らせてくだされば幸いです。
暁をまちながら