再掲 「いつ夕」解説 38

三日目 Ⅴ

 

 

 

 チャリは、多くを語らず、

 

 悩めるヨシ君の肩をぽんっと叩いて去ってゆきます。

 

 彼なりの親愛の表現なんですね。

 

 〆のカクテルで、「XYZ」

 

 ここから、「何でしょう?」となり、城山で出会った勝山さんの話になります。

 

 勝山夫妻の「夫婦というより師弟」という関係。

 

 ある分野では師であり、ある分野では弟子ある。

 

 どちらもが、師であり、弟子でもある関係。

 

 これは将来の一矢と友子にも通ずることになります。

 

 お互いに、何か一つでも、尊敬される、尊敬できるものがあると

 

 いーんじゃないかなあ。これは夫婦に限らず友人でもそうでしょう。

 

 教えることもあれば、教わることもある。

 

 そこに年齢や性別、立場などは関係ないですね。

 

 「学問がSEX」とゆーのも面白いですね。

 

 共に学び、共に調べ、研究、探求し、議論、対話することが夫婦交歓なのです。

 

 男女の関係というと、すぐにSEXへ結び付けられることが多いようですが、

 

 知的交流、共同作業 (まあ、SEXもそーでしょうが)、

 

親友と遊ぶ感覚ってゆーんですかねえ、性的な部分だけではなく、

 

 もっと、たくさん一緒に楽しめられるものがあるのではないかと思います。

 

 もっと、お互いに深く理解し合えることができると思います。

 

 そんな両親に育てられたら子供も楽しいでしょうね。

 

 きっと、両親を手本とすることでしょう。

 

 もうそろそろ、女性を、妻を、家政婦、産ませる道具として扱うのではなく、

 

 パートナーとして尊重しても好いのではないでしょうか。

 

 男性は女性についつい母親を求め甘えてしまいがちですが、

 

 「その傾向がある」と戒めるだけでも随分と違ってくるのではないかと思います。

 

 勝山夫妻は「性幻想」にとらわれ過ぎていないのでしょうね。

 

 男性は特に「ヤラねばならぬ」と刷り込まれていますから大変です。

 

 勿論、そのとばっちりをくらう女性も大変ですが。申し訳ないです。

 

 勝山夫妻は私塾「松風舎」も運営しています。

 

 年輩の方には、その人生経験からの知恵、工夫と長年にわたる研究成果を

 

 次世代に伝えて戴きたい。手本を示して戴きたいのです。

 

 

 有難いことに、ヨシ君は、勝山さんからの〝和〟についての問いかけを

 

 気に掛けてくれたようで、一矢にアドバイスを求めてくれます。

 

 勝山さんは「自らが考えること」を示し、

 

 一矢は「自らが考えた答」を一例として挙げます。見事な連携です。

 

 一矢は「自ら考えることの大切さ」を説きながらも、

 

 〝和〟を、オーケストラ、カクテルに喩えて説明します。

 

 老子の言葉を挙てみせるのは、大抵、いーことは先人達が述べている、

 

 我々は、それを焼き直しているだけに過ぎない。

 

 何千年も前から云われていることなのに、未だに出来ていない、

 

 人類の愚かしさ、または、人類が調和を理解、体現することの難しさ。

 

 先人達の言葉に耳を傾けてみよう、という〝きっかけ〟でもあります。

 

 そして、先人達の言葉から触発されて、自らが考え会得する。

 

 自らの思想は自らで構築する。

 

自らの人生は自らが生きるのですから当然ですね。

 

 いくら先人達がいーことを述べていても、それは先人達の、他者の思想です。

 

 先人達、他者の思想を参考にして、自らの思想を築き、

 

 自らの人生を拓いて戴きたいのです。勿論、自己責任でお願いします。

 

 先人達の、他者の所為に (責任転嫁) しないでくださいね。

 

 

 また、一矢は、安定、調和を、「狭い小さな足場で固定化、硬直化での安定」

 

 ではなく、「広い大きな足場(宇宙、全存在)で、やじろべえや独楽のように

 

揺らぎながら、動きながらの安定」ではないか、との解釈を述べています。

 

 

 一度に沢山のことを伝えても、伝わりにくいだろうと、

 

 一矢は、一旦、ここで説明を止めますが、この続きは七日目のお楽しみですね。

 

 より深く理解するためには、ヨシ君自らが考えてみなければなりませんね。

 

 読者の皆さんも、自らが考えてくだされば幸いです。

 

 「いつ夕」は、物語を追ってゆくだけではなく、時に立ち (読み) 止まり、

 

 投げかけられた問い掛けを、自らが考えてみる、

 

 そーゆー小説でもあります。オカシな小説ですね。(*^_^*)

 

 

 

日日好日

 

 

 

カクテル「XYZ」については、こちら↓

 

 

 

 

そうなんですよねー。

 

小説や映画、漫画、アニメ……、まあ何でも好いのですが、

 

他者の考え、想い、表現を〝きっかけ〟にして、

 

自らが考えてゆく、想い描いてゆく、

 

自らが氣づいて築いてゆく。

 

その〝きっかけ〟に、この記事たちや、

 

「いつ夕」がなってくれたなら幸いです。

 

 

 

 

 暁をまちながら