MATSUYAMA 六時まえ 187

 

アレクサンドラ                  ALEXANDRA

 

今回からは、ブランデー・ベースのショートカクテルの頁を

 

御紹介させて戴きます。

 

このカクテル、本名は「アレクサンダー」なのですが、

 

女性名の「アレクサンドラ」の方が、このカクテルに合っているよーに思うので

 

Kool のメニューでは、「アレクサンドラ」と表記しています。

 

(因みに、ギリシャ語の「アレクサンドロス」が語源だそーで、

 

「男を、人を、守る者」といった意味だそう。

 

戦場における戦士の庇護者である女神、ヘラ (ゼウスの奥さん)

 

の称号の一つだったそーです)

 

と、云っても、俺が勝手に女性名にしたのではなく、

 

それなりの説があって、

 

1863年にデンマークから、イギリスのエドワード王太子に嫁いだ

 

アレクサンドラ王妃の結婚を祝してつくられた、

 

または、1901年、ヴィクトリア女王の崩御により、

 

夫であるエドワード七世が国王に即位、アレクサンドラも皇后に即位したことを

 

祝ってつくられた、と、ゆー説があったからです。

 

捧げられたカクテルとしては、「プリンセス・メアリー」

 

(ジン、カカオ、クリームのショートカクテル) が有名ですが、

 

こちらは、1922年、メアリー王女の結婚式を祝して、

 

ハリー・マッケルホーン氏がつくったとのことなので、

 

「アレクサンドラ」の方が先輩、と、ゆーことになります。

 

しかーし、こーゆーことを調べるのが好きな人によると、

 

カクテル 「アレクサンドラ」の誕生説は、後年、フランスの人が言い出した説だそーで、

 

アレクサンドラ王妃(皇后)に捧げられたとする確かな記録も無いそうです。

 

まあ、そー云われてみれば、男性名の「アレクサンダー」になったことも不思議ですし、

 

そもそも、「アレクサンダー」には二つレシピがあって、

 

サヴォイのハリー・クラドック氏 (二人のハリー、まぎらわしいですね) のカクテルブックには、

 

No.1は、ジン、カカオ、クリーム

 

No.2は、ブランデー、カカオ、クリーム、

 

と、配分は違うものの、内容は「プリンセス・メアリー」と同じものが、

 

しかも、No.1として紹介されているのです。

 

「メアリー」と「アレクサンダー」、どちらが先に誕生したのか、

 

同時期に、例えば「アレクサンダー」はアメリカなどの他国で誕生していて、

 

後に「メアリー」へ譲って、No.2であるブランデー・ベースの方を主とするようになったのか、

 

(「ジョン・コリンズ」と「トム・コリンズ」のように)

 

どちらかが真似したのか、

 

よく分かりませんが、アレコレ想像するのは楽しいものです。

 

と、まあ、アレクサンドラ王妃に捧げられたカクテルではないよーなのですが、

 

俺は、まだその説を信じていた頃、

 

ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリー (国立肖像画美術館) で、

 

偶然、アレクサンドラ王妃の肖像画を観て、

 

「おおーっ、この女性(ひと)が「アレクサンドラ・カクテル」のモチーフか」

 

と、ひとり感動した経験がありますので、

 

眉唾な説でも、このカクテルを「アレクサンドラ」と呼びたいワケです。

 

アレクサンドラは、夫の浮気(チャーチルのおっ母さんとか)に悩まされたそーですし、

 

長男を28歳の若さで亡くし、

 

美しく、王家に生まれたとしても、順風満帆とはいかぬもんなんだなあ、

 

と、思わされます。

 

ま、それを云えば、人それぞれ何かしら問題はあるワケで、

 

王家とかカタガキが無い分、まだ気楽で好いのかもしれません。

 

実力があり人望もあり、人々に推されて、支持されて、

 

王になったのなら実感も伴い自負するトコロもあるのでしょうが、

 

たまたま、その家に生まれただけで、王子だ王女だの云われても、

 

ピンと来ないでしょうし、窮屈なだけなんじゃあないでしょうかねえ。

 

そろそろ、こーゆーアホクサイコトも止めてもいー頃合いなんじゃないでしょうか。

 

人に「象徴」の役を押し付けるのは、気の毒です。

 

その人は神でも超人でもなく、ただの人なのですから。

 

自らが、その役を押し付けられたことを想像してみれば、分かることでしょう。

 

崇拝するのであれば、太陽とか海、山、自然で充分なんじゃないですかね。

 

『存在』、宇宙、地球に感謝し敬うのが自然なのだと俺は思います。

 

 

「アレクサンドラ」

 

ブランデー、カカオリキュール、フレッシュクリーム

 

 

いやあ、美味しいですねー♪

 

飲むチョコレートアイスクリームって感じですなあ。

 

何ともまろやかで上品な味わいです。(*^_^*)

 

このカクテル、好きなものの一つです。

 

この包容力?ある味わい、女神の称号の名に相応しいでしょう。

 

(あれ? じゃあ、女神ヘラをイメージしたのかな?

 

まー、それなら、「アレクサンドロス」にするでしょうから。

 

やっぱ、アレクサンダー大王なんですかねえ……

 

アレクサンダーさんも沢山いらっしゃるよーですが、

 

大王に因んで名付けられた人も多いことでしょう。

 

ベースがジン、と、ゆーことは、何かイギリスにまつわる由来があるのでしょうか。

 

因みに、ゴードン・ジンの創始者は、アレクサンダー・ゴードン氏だそうです。

 

誰に捧げられた、誰かに因んだにせよ、アレクサンダー大王、

 

更には、アレクサンドロスへと繋がるのですから、それでヨシとしますか。

 

女神ヘラの称号ならば、女性名の「アレクサンドラ」でも好いのかな?(^o^) )

 

 

「いつ夕」でも、ヨシ君が「夜空に冴え冴えと光る三日月だ」と表現した

 

謎の女性が飲んでいますね。

 

洋画 「酒とバラの日々」でも印象的に遣われていました。

 

今回、この記事を記すにあたり、アレクサンドラ王妃のことを調べました。

 

長男を亡くされたとのことで、どれほど苦しまれたことでしょう。

 

「いつ夕」の好美さんの場面は、

 

「もしも、母より先に俺が逝ったら、母はどう思っただろうか、

 

そのことをどう受け止めただろうか」 との想いから記しました。

 

と、ゆーより、そーであってもらいたい、と、ゆー願望ですね。

 

母を亡くすことも悲しいのに、

 

我が子を亡くす悲しさ辛さ苦しさは想像し難いです。

 

そーゆー経緯もあって、

 

母が逝った49歳を越えて、どーしても50歳になりたかったのですが、

 

今年6月、無事に50歳を迎えられて有難いです。

 

7月には、50歳記念で友と富士登頂を果たせたし、

 

母の誕生日である8月8日に、Kool も無事四周年を迎えられたし、

 

俺にとっては、「元気で楽しくやってるよー」とゆー

 

母へのアピールみたいなトコもありますね。

 

まあ、母子関係も様々でしょうから、

 

我が子を支配、イジメ、虐待、殺す母親がいてもオカシクはないのでしょうが、

 

ゼウスやエドワード七世じゃないですが、浮気者の父に見切りをつけて、

 

当時、風当たりも強かったであろう、母子家庭という状況で、(だからこそ?)

 

好い母子 (おやこ) 関係を築いてくれた母に、俺は感謝しています。

 

そー云えば、母に「アレクサンドラ」をつくったこと無かったなあ。

 

 

 

日日好日