特別な着信音。




急いで携帯持って深呼吸。




通話ボタンを押せば




そこにアナタの声がある。





疲れたぁとか、おなか減ったぁとか。





たわいない話の始まり。




その日あったことや、熱中してるものの話。





通行人がどーのとか、バスが親切だとか。




コンビニに行って、「お前のタバコ売ってない」とか。




今日は何食べようとか。





少しの間だけのアナタの生活を覗き見。





これだけでどんなに嬉しいかわかってますか?





電話を切るときにどんなに悲しいかわかってますか?






もっともっと話してたいんだよ。




近くで話せればどれだけいいか。





もっともっと、アナタの楽しいことを





アタシに教えて。






もっともっと。




寂しいよ


声が聞きたいよ



会いたいとは言わないから




せめて声だけでも聞かせて






文字だけでもいいよ





アナタからの言葉を、文字を





欲しいと思うワタシはワガママですか






寂しくて



誰かと話していても





楽しいんだけど





ちょっとむなしいんだ






「おはよう」よりも






「おやすみ」を





聞かせて欲しいと思う






寂しさは





アナタからのほんの少しの言葉で





しばらく強くなれるんだ





ちょっと拗ねたその口調を




好きなことを楽しそうに話すその声を





ほんとはもっと聞きたいんだ











ただ、なんとなく想ったんだ。


選んでなんて言えない。


このままでいいんだけど。


だけど、寂しいんだ。



だけど、なんとなく想ったんだ。


出逢うのが、もう少し早ければ、遅ければ。


今みたいに、たわいない話で笑ったり、


真夜中の着信も、


日常の風景の写真も、


声も、言葉も、


交わすことはなかったんだね。



すべてはタイミング。


今、この瞬間だったから、


想いあえてるかどうかなんてわからないけど、


アナタを想うことができたんだね。



この切なさも、寂しさも、


アナタだけのもの。


ただ、それは伝えてはいけないんだ。



それでもね、


たまには聞いてほしいなって、


おもうこともあるんだよ。



言わないことを後悔した



言えないことを後悔した





あんなに近くにいたのに



知らせることはなかった





アナタはワタシの中で


空想の人物だったんじゃないかって思ってた




でも、アナタが見た景色を



ワタシも見たんだ



同じ場所に立って、アナタが見たものを


ワタシも同じように見たんだ



アナタは本当にココにいるんだと



わかったんだ




ただ、触れないだけ





雨が降ってきました





タバコに火をつけました





眠らなくてはなりません








声が聞きたいと思いました








叶わぬことだとわかっています






ほんの少しの「嘘」をワタシにください









ほんの少しの「アナタの気持ち」を







ワタシにそそいでください








それがワタシの「リアル」になります







それだけで少しだけ







強くいられます