忘れたころに…名古屋遠征の備忘録その3

(忘れたころに書くのは記憶違いもご容赦くださいと言う意味です)

いよいよ最後です、続けて読んで下さった方ありがとうございます

 

2024年2月25日(日)14:00START

沢田蒼梧リサイタル@宗次ホール

 

リサイタル後半のこのブログまで読み進めて下さった方は

沢田蒼梧さんのことをご存じだと思いますが

沢田さんの人柄や目指すものについて書かれた記事があって

とても腑に落ちる内容なのでご紹介したいと思います

 

 

リサイタルの続きはこちらから

さて後半はシューマン:幻想曲ハ長調Op17

 

沢田さんはマイクを持って出てこられました。後半は一曲なので今お話ししますねって断りがあって、曲についての解説がありました。この曲は、ベートーヴェン没後10年の記念碑を建てるためにシューマンが作って発起人のリストに謹呈された曲とのこと。リストは素晴らしさに感動してそのお返しに「ロ短調ソナタ」をシューマンに謹呈したとのこと。ロ短調ソナタは前回のリサイタルで弾いた曲ですと。

 

 

今回シューマン幻想曲と、リストのロ短調ソナタを弾こうと思ったけれど、あまりにハード過ぎたので止めました。でもあとでそのセットで演奏されているピアニストがいらっしゃるのを知って、自分はまだまだだなと思い知りましたとのこと。

 

そのお話を聴いて、沢田さんのリサイタルに伺うのは前回の浦安から1年空いてしまって寂しく思っていたけれど、その時に聴いた「ロ短調ソナタ」の続きを聴けるような気持ちになって胸が高鳴りました。

 

 

そしてピアノを触りながらクララ…という旋律が音楽の中に出てくるんです~などより深く解説して下さいました。

 

 

「では聴いて下さい」

 

 

トークで和んだ空気も一瞬で張り詰めます

リサイタルも後半、いよいよあと一曲…

寂しさも募りますが早く聴きたいという気持ちが勝ります

 

 

はじかれたように弾き始められた瞬間

音色がふわぁと広がってすぐに力強い音へと変わっていった

沢田さん、あんなに細いのに繊細な音は想像通り繊細で

どうしてこんな迫力ある重低音を響かせられるのだろう

あとでサイン会の際にガン見した沢田さんの指先は

あまりに可憐で透き通る花のようで…サイズも小さくて

あんなに骨太な音が出せるとも思えなかったです

音のために太れ太れと言われても太れないと

かつておっしゃっていましたが

体幹をものすごく鍛えていらっしゃるのでしょうか

そしていつも思うけれどクールな佇まいと反して情熱的

もうドキドキしてしまいます

沢田さん、とうとう恋してるの?大人の音色なの?

野暮なことが浮かんできます(失礼)

沢田さんの演奏はパーツパーツのテクニックなど全く気になりません

ただ全体が訴えかけてくるその表現力

そして溢れる音楽愛が心にダイレクトに届いてきます

 

何で毎日忙しいはずなのに愛情が片手間にならないんだろう

沢田さんは変わらずピアノを愛しているんだなぁ

なんでそんなにまっすぐなんだろう

どうしたらそんな風に生きられるんだろう

才能があるから?

いや才能はきっかけの一つでしかないのだと思う

よく言うことだけれど

「才能があることが才能なのではなくて、心から好きなものに出会えたこと、これこそが才能である」

出会うべくして出会ったんだなぁピアノにも医学にも

その出会いの奇跡に感動して泣けてくるのかもしれません

 

 

演奏が終わった後も会場の空気は静まり返っています

それから沢田さんが立ち上がって割れるような拍手の嵐が

ここは沢田さんのホームグラウンドなんだなと感じる

愛のある暖かくて大きな拍手が鳴り響きました

 

 

魂を吸い取られてぼおーっと拍手をしているとカシャッと音が…

そう言えば始まる前に出されていたボードに

「全曲終了後拍手の間のみ写真撮影OK」と書いてありました

 

え、電源切ったスマホの電源入れてロック解除して、カメラ入れて…

なんてやっている間に拍手が終わっちゃうんじゃないかと焦りました。

沢田さんの方からアンコールの間は演奏中も撮影OKですとの許可が下りたのでほっとしましたが…

実際演奏始まったらシャッター切れるもんでもありません。皆さん同じ気持ちで数枚カシャッとしたらカメラをおさめておられました。

 

だって、アンコールは沢田蒼梧さんのスケルツォですもの!ショパンコンクールで沢田さんの演奏を聴いて好きになった曲ですからアップ

 

(こちらはショパンコンクールより2年前のピティナの演奏です)

(あどけないながらもしっかりとした骨格のある演奏ですよね)

 

スケルツォ2番

ショパンコンクールで聴いて痺れまくった演奏をまた生で聴けるとは感無量です。沢田さんのアンコールはいつも希望に満ちていて明るく羽ばたいていく鳥のようで、聴いていると頭を上げて明日もしっかり歩もうという気にさせてくれます。終わってしまった寂しさなど吹っ飛んで、きてよかった感だけに満たされた瞬間でした。

 

アンコール:ショパン:スケルツォ第2番

 

有休を使ってリサイタルに励んでおられてお疲れにも拘らず「終演後は久しぶりにロビーに出ようと思います」と沢田さん。もう、なんてホスピタリティ溢れる人なのでしょう。

 

一言お礼を申し上げたくてサイン会の列に並びました。上のTwitterのようなことを言いたかったんですけれど…えーん

 

 

本人を目の前にしてうまい事を言えない自分が歯がゆかったです。せっかく頂けた時間に、沢田さんにとってもリサイタルやれてよかったなぁと思えるような一言を、微力でも応援の力になるような言葉がけをしたかったのに、舞い上がってしまった自分を反省する次第です。

 

お一人お一人しっかり目を見て、笑顔で対応されていて…ちょっとだけ病院での沢田先生を見たような気がしました。

 

暮らしの中にクラシックを「宗次ホール」

この300席の温かい空間にいられたことを感謝しています

 

宗次ホール様素敵なお写真の提供ありがとうございます

そして

このお写真に一緒に写り込めたことを宝物として納めたいと思います

 

余韻にまだ酔っていたくて名古屋を離れがたかったので

駅で勧誘していた献血のお兄さんのお誘いに乗ることにしました

 

日本最大規模の献血ルームが21階に

日本最高層フロアの献血ルームが26階に

こんな立派な献血ルーム二つに迷いに迷って

21階最大級の献血ルームにお伺いしました

名古屋の景色が染みるわぁ

 

ジュースにコーヒーに炭酸に色々飲み放題

挙句にお土産にドーナツまで頂いて休憩も出来たし余韻にも浸れた

少しは沢田さんのいらっしゃる愛知の医療に貢献できたかしら

 

夜景の美しさがまた…

ピアノの音色の美しさを思い出させるには十分な光を放っています

 

朝頼んでおいた矢場とんのわらじとんかつ弁当をお土産に受け取って、いざ帰ります…さ、さみしいっ…

 

名古屋⇔東京ってあっという間なんですよね…

東京の夜景を見て夢が終わったなぁと実感します

 

 

 

沢田蒼梧さん、こちらこそありがとうございました!

 

今日は本当にありがとうございました

沢田さんの音楽と沢田さん自身の存在に励まされて

また明日も頑張れます

 

帰ってきちゃったっ…

サインありがとうございました

宗次ホールのロビーで販売していた可愛いグッズたち

トートバッグと定規と楽譜クリップ

「暮らしの中にクラシックを」の宗次ホール様の心意気を有り難く

 

既に去年…いや一昨年頂いた名古屋大学のグッズが生活の支えです

ちょっとオタク化してきたかしら…ガーン

沢田蒼梧さん、お医者様としてピアニストとしてどちらも応援しています。たくさんの力をくださってありがとうございます。これからも、心の変化とともに必然的に変化していくだろうとおっしゃっている音楽を聴かせ続けて下さいね。いつか太った沢田さんを見る日もあったりするのかしら…(冗談です)

 

 

さーて…沢田さんロスの間は音色が上書きされてしまう気がして、他の音楽はあまり聴きたくないのですけれど、リサイタルの感動を再現したい気持ちはやまないもので…音源は沢田さんの演奏とは雰囲気が違いますが、私がオペラシティで初めてガジェヴさんのシューマンを聴いて以来

「シューマンもいいかも!」

「っていうかガジェヴさんのシューマンいい!」

とシューマンに興味を持つきっかけとなった

アレクサンダーガジェヴさんの演奏を聴いて癒されようと思います

 

 

沢田さんがお忙しい中書かれたライナーノーツは宝物にして勉強しますね。これからもたくさんの音楽と演奏家との出会いを期待してお願いキラキラ

次は4月横浜、タクティカートオーケストラでお会いするのを楽しみにしています!

まだチケットがあるようですよ~希少な沢田さんの関東公演ですウインク

 

備忘録1はコチラから

 

備忘録2はコチラから

最後までお読みいただきありがとうございました照れお願いキラキラ