日曜22時「アイのない恋人たち」

令和版男女7人冬物語

 

毎回オープニングのボーイズトークが好き。

三者三様全然性格の違う3人なのに高校からの同級生でずっと関係が続いていることにそもそもじんわりする。しかもテレビ電話で毎夜(毎回)話すほどの親密さ。こんな関係性いいなぁと思う。しかし男子って、意外と情の生き物というか、継続的な関係性を保つ生物のような気もする。うちの弟も小学生からのサッカー仲間と今でも地元のグラウンドでサッカーしているらしいし。環境が変わっても容姿が変わっても気さくに会えるのが男子なのかな?彼らの場合は地元(田舎)から出てきて都会で戦う連帯意識みたいなものも強いのかな。本郷奏多、前田公輝、福士蒼汰…いずれもイケメン枠を背負える人物だけれど、それぞれポンコツ部分をクローズアップしているのがいい。欠けたところがあってこそ人間味が増すよなぁと毎回愛しく眺めている。

 

一方女性陣は決して長い付き合いではなく行きつけのブックカフェの常連同志という場当たり的な関係性。一期一会になりがちな空間で単なる顔見知りで終わることが常だろうけれど、いつの間にか旧知の仲のような親密性を育んでいく。これもまた女子によくある関係性だなぁと思う。同じ悩み、同じ趣味、「同じ」という一点の共通性からグッと親密になっていく関係。推し活仲間と人生相談するほど深い関係になるとかあるよなぁと思う。実際アラサー世代の女子は結婚、仕事、育児、色々な人生の岐路に立たされていて、悩み深い時間を過ごしている。自分の経験からいっても。この年代こそ同級生があまりにも違う人生を生きていて相談相手にならなかったり、相談したくなかったり。利害関係のないところで深刻な相談をできる居心地の良さってあるよなぁ。

 

脚本の遊川さんは「家政婦のミタ」や「女王の教室」「GTO」他ヒット作をたくさん手掛けてこられて、どちらかというとスカッとした人間ドラマを描く印象があるけれど、今回はちょっとしっとりじめじめ考えさせられる感じなのがいい。ドラマの最後に真和の語りで流れる心の声が、穏やかな音楽と共に淡々と心に響いてくる。その苦さがまた心地いい。

 

 

恋愛に興味のない人が増えている令和の時代で、決して押し付けではなく、恋愛の意味を考えさせられる。恋愛ドラマと見せかけながら内省的な自己成長の物語なのも見ごたえがある。

 

「しょうがないでしょ、こっちはね、毎日広い海を一人で漂っているような気分なの。どっちに泳いでいけばいいのか全然わかんないの。わかるのはただ、なろうと思っていた自分とは遠ざかっているってことだけで」

 

佐々木希ちゃん、今回とてもいい役ですね。

 

今回みんなにスポットが当たっていたけれど、とくに前田公輝くんの喜怒哀楽は染みたなぁ。

 

電話越しで奈美ちゃんとお話しするシーンは奈美ちゃんの表情も印象的だった。勢いで付き合い始めたように見えたこの二人が、思っていた以上に惹かれ合っていたことにちょっと違和感はあったけれど二人のお芝居が良かったので胸がきゅうっとしました。

 

毎回思うけれど最後…までいかず途中で出てくるタイトルバックがかっこいいなぁ。とっても雰囲気が出ていてフランス映画みたい。

このドラマの音楽、セリフ回し、遊川さんが築く世界観が、何とも懐かしさと新しさが混在していてたまりません。なるほどなぁと感心したり、そうだったよなぁと共感したり、毎週の楽しみとなっています。まもなく第7話が始まりますね。今日はリアタイしようかな。