いっき読み | 心はいつも銀の燭台

心はいつも銀の燭台

色とりどりのビー玉をガラス瓶に一個づつ。日常の小さなキラキラを書き溜めていくニュートラルダイアリー。

さくら (小学館文庫 に 17-2)/西 加奈子
¥630
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本には、すこしづつ読み進めて楽しむ読み方と、


いっきに、がーっと読まなくてはいけない読み方がある。



この「さくら」は、後者のタイプである。


ある家族の20年の歴史を追っていくストーリーで、前半の和やかなゆったりとしたリズムが、徐々に加速して猛スピードで暗闇に突き進んでいくリズムになる。


とにかく、がーっといっきに読まないと、作者に失礼な気がして、午後の4時間を使って、一気読みをしてしまった。


「神が、今まで直球ばかりなげてくれたのに、或る日突然、悪送球しか投げなくなった。打たれへん」と言い、自殺してしまう長男。


苦しむ家族が最終的に気づくのは、そのボールは、実は神が投げていたのではなく、自分たちが神に向けて投げていた。そのボールを、神はどんな悪送球でも、いつでもきちんとキャッチャしてくれている、ということ。


前向きに生きようとする家族のラスト、そして、題名の「さくら」という名の飼い犬の存在の重要性。


感動の多い作品だった。



こんな素敵な本をいっきに読む時間を今日は神様に与えてもらえて、幸せだった。


さてさて、夕食を作り始めますか。