映画と私 | 絵画的世界の窓

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GALLERYからの景色

 

川本三郎著「映画の戦後」(七つの森書館)をぺらぺらしていたら、

エドワード・ドミトリク監督の「ケイン号の叛乱」(1954年)のことが書かれていて、

またけっこうな頁が費やされていた。

つまりハリウッドを襲ったあの「赤狩り」について詳しく論評されていた。

 

エドワード・ドミトリク監督はハリウッド10の一人として議会侮辱罪で禁固六ヶ月の判決を受け投獄されている。

 

ぼくは先の企画展「映画と私 マイシネマ」展の開催までの間、

今まで観て来た映画のことに思いを馳せた。

そのなかでやはりどうしても挙げないわけにはいかない一本として「スパルタカス」を取り上げた。

もちろん他にも何本も頭に浮かんだ。

その一本に「ケイン号の叛乱」があったので、ちょうどタイムリーに食いついたわけだ。

 

「スパルタカス」も「ケイン号の叛乱」もともに叛乱の映画であることに、

先ず自分でも驚いた。

実はもう一本挙げようと思った映画にマーロン・ブランドの「戦艦バウンティ」というのがあるけど、

これも叛乱の映画だ。

 

先日その「マイ・シネマ」展に引き続き、

9月の「私のこびと、妖精」展にも参加下さる

造形作家・高橋尚美さんがぶらりとGalleryに立ち寄ってくれた。

彼は近況を報告しながら、今の心境を映画「パピヨン」に喩えた。

「パピヨン」は無実を叫びながら終身刑を宣告された者が脱獄に成功するという映画だ。

この心境をどう解釈すればいいのか(笑)。

ところでこの「パピヨン」の脚本はダルトン・トランボでハリウッド10の一人。

「スパルタカス」の脚本家でもある。

「トランボ ハリウッドでもっとも嫌われた男」は彼の伝記映画。

 

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