漱石と虚子 | 絵画的世界の窓

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GALLERYからの景色

 

最近漱石先生の書いたものを読んでいないので、

また読んだとしても、ぼくの場合、

早々に内容を忘れると言う致命的な欠陥があるので、

いい加減なことしかいつも言えないのだけど、

ぼくの感じる漱石作品から仄かに立ち上る匂いは、

女と死だ。

とても乱暴な言い方だけど。

 

高浜虚子著「漱石氏と私」(回想 子規・漱石 岩波文庫)をぺらぺらしていて、

まだ漱石先生が文壇の寵児となる以前、

二人で京都に遊んだ晩のエピソードなど、

人間ってホントどいつ、もこいつも訳のわからない神経症の塊だと、つくづく思う。

欲望を幾重にも虚勢して生きて行かざるを得ない悲しい生きものだ、と。

もっともその抑圧がなければ、

人間の魅力もない。

 

それにしても虚子という人は俳句の人だとばかり思っていたけど、

俄然彼の小説に興味が湧いた。

 

Galleryころころ企画「私の漱石」展は、

来年2月7日(水)~12日(月)。

12:00~19:00。最終日17:00。

 

 

Galleryころころ

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