エジプトの第二の都市 アレキサンドリア。
この都市は古代ギリシャのその昔、マケドニアのアレキサンダー大王が築き、クレオパトラとアントニウスが愛し合った市。
このアレキサンドリアで産れたギリシャの詩人・カバフィス。
19世紀後半から0世紀初頭を生き、70年の生涯を閉じた。
その詩は古代ギリシャの歴史へ夢想し、クレオパトラの息子やヘロデ王の義弟などを題材に、そして有名な「野蛮人を待つ」で頂点に達する。
ぼくはこの詩人のことが書かれた「カヴァフィス 詩と生涯」を、ここしばらくの間、本当に何となくペラペラしていた。
まったく知らなかった詩人。
精神科医中井久夫の訳で。
古代を彷徨う、そんな思考がとても心地よかった。
地中海の真珠とも呼ばれる美しい港町、アレキサンドリア。
行ってみたくなった
ぼくの周りに、死ぬのなら地中海、と言う人がいる。
それ、いいなあ、とても誘われる。
そのギリシャが今、経済危機で国家存亡の一大事に見舞われているらしい。
そんななかで、ギリシャの詩人を読むのはまったくの偶然だった、そう思う。
ギリシャはヨーロッパの精神的父、しかしギリシャはヨーロッパではない。そんなあとがきがあった。
強欲資本主義に対して、ギリシャは抗い、遥か古代に明日の道を見出そうとでもするような、ねじれる身を悶える苦悩の中にいるような気さえする。
お時間ありましたら、是非。